マネースクエア マーケット情報

トルコ中銀が利下げ決定!

2024/12/27 09:26

【ポイント】
・米長期金利が一段と上昇するか
・トルコ中銀は今後の利下げについて慎重に決定すると表明

(欧米市場レビュー)

26日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。米ドル/円は一時158.045円へと上昇し、7月17日以来の高値を記録。米ドル/カナダドルは1.44156カナダドルへと上昇し、英ポンド/米ドルは1.24990ドル、豪ドル/米ドルは0.62133米ドルへと下落しました。米国の先週分の新規失業保険申請件数が21.9万件と市場予想の22.3万件と比べて強い結果だったことや米長期金利(10年物国債利回り)の上昇が、米ドルの支援材料となりました。

TCMB(トルコ中銀)は2.50%の利下げを行うことを決定しました。主要政策金利である1週間物レポ金利を50.00%から47.50%へと引き下げました。政策会合の結果発表後、トルコリラは対米ドルや対円で強含みました。TCMBの声明で、今後の利下げについては会合ごとに慎重に決定するとされたためと考えられます。(*詳細は後述)。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の主要な経済指標の発表はなく、米長期金利(10年物国債利回り)の動向が材料になりそうです。

FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げペースが鈍化するとの観測から米長期金利は足もとで堅調に推移しており、26日には一時4.64%へと上昇して5月上旬以来の高い水準をつけました(その後低下して4.59%で26日のNY市場を終了)。

米長期金利の上昇は米ドル高要因と考えられます。米長期金利が一段と上昇する場合、米ドル/円や米ドル/カナダドルには上昇圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには下落圧力が加わりそうです。

加藤財務相や三村財務官が足もとの“円安”をけん制するかどうかにも注目です。加藤財務相は20日と24日に「一方的で急激な動きがみられる」、「投機的な動きを含めて為替の動向を憂慮しており、行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取っていく」と発言。三村財務官は20日に「投機的な動きも含め、為替の動向を憂慮している」、「行き過ぎた動きに対しては適切な対応をとりたい」と述べました。

加藤財務相や三村財務官がこれまでよりも“円安”をけん制するトーンを強めれば、本邦当局による為替介入(米ドル売り・円買い介入)への警戒感が市場で高まりそうです。その場合、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など)が下押しするかもしれません。

***

TCMB(トルコ中銀)は26日に政策会合を開き、2.50%の利下げを行うことを決定。主要政策金利である1週間物レポ金利を50.00%から47.50%へと引き下げました。TCMBは23年6月から24年3月にかけて合計41.50%の利上げを実施した後、政策金利を据え置き続けてきましたが、利下げに転じました。

TCMBはまた、金利コリドー(※)を従来の6.00%から3.00%へと縮小することも決めました。

(※)TCMBは1週間物レポ金利を中心に、上限の翌日物貸出金利と下限の翌日物借入金利の範囲内に市場金利を誘導しています。金利コリドーとは、翌日物貸出金利と翌日物借入金利との幅です。

TCMBは声明で利下げについて「先行指標は12月にインフレの基調的なトレンドが低下することを示しており、10-12月期の指標は内需が引き続き減速していることを示唆している」、「サービスインフレの改善もより顕著になっている」などと説明しました。

声明は先行きの金融政策について、「政策金利の水準は、予想されるディスインフレの道筋に必要な引き締めを確保するように決定される」と改めて表明。今回の声明には「インフレ見通しに焦点を当て、会合ごとに慎重に決定を下す」が追加されました。“慎重に決定”とは、積極的な利下げや連続的な利下げを今後行うとは限らないことを示していると考えられます。

TCMBの会合はこれまで年12回(毎月)開かれてきましたが、25年は年8回に減少します。次回会合は25年1月23です。

***

※年末年始のデイリーフラッシュの配信予定は以下の通りです。

30日 配信
31日 休載

2日 休載
3日 配信

6日 配信
7日以降 通常通り

上記以外でも、マーケットの状況に応じて配信する可能性はあります。


「『大予想』 2025年の為替・株」が公開されています。ぜひご覧ください。
「『大予想』 2025年の為替・株」

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ