米FOMCで米ドルが全面高、本日は日・英・ノルウェー・スウェーデン・メキシコの中銀会合開催!
2024/12/19 09:19
【ポイント】
・日銀は政策金利を据え置きか。総裁会見で利上げのタイミングについてのヒントが示されるか
・英中銀やノルウェー中銀は政策金利を据え置きそう。市場の早期利下げ観測が後退するか
・スウェーデン中銀が利下げするかどうか
・メキシコ中銀の声明で追加利下げが示唆されるか
(欧米市場レビュー)
18日、欧米時間の外為市場では、米ドルの全面高の展開。一時、米ドル/円は154.779円、米ドル/カナダドルは1.44400カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.03426ドル、豪ドル/米ドルは0.62067米ドル、NZドル/米ドルは0.56168米ドルへと下落。米ドル/カナダドルは20年3月以来の高値を記録し、豪ドル/米ドルとNZドル/米ドルは22年10月以来の安値をつけました。
FRB(米連邦準備制度理事会)はFOMC(連邦公開市場委員会)を開き、0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を4.50~4.75%から4.25%~4.50%へと引き下げました。0.25%の利下げは市場予想通りの結果だったものの、ドット・プロット(FOMC参加者個人の政策金利予想)やパウエルFRB議長の会見を受けて追加利下げ観測が市場で後退し、このことが米ドルを押し上げました。
※FOMCについては、本日19日の『ファンダメ・ポイント』[米FOMCはタカ派的利下げ、米ドル/円と長期金利は上昇]に詳しく解説していますので、ご覧ください。
(本日の相場見通し)
本日は、日銀・BOE(英中銀)・スウェーデン中銀・ノルウェー中銀・BOM(メキシコ中銀)の政策会合が開かれます。これらの結果が材料になる可能性があり注目です。
<日銀>通常は正午頃に会合結果発表
市場では政策金利は据え置かれるとの見方が大勢です。そのため利上げすることが決定されれば円高に振れて、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など)が下押ししそうです。
日本時間15時30分から始まる植田日銀総裁の会見にも注目です。植田総裁の会見における焦点は、利上げのタイミングについてのヒントが示されるのかどうかです。植田総裁は11月30日のメディア・インタビューで「データがオントラックに推移しているという意味では(利上げの時期が)近づいている」、「インフレ率が2%を超え始めている時の一段の円安はリスクが大きい。場合によっては政策で対応しなければいけなくなる」などと述べました。
市場では政策金利は今回据え置かれたとしても、次回25年1月23-24日の会合で利上げが行われるとの観測があります。植田総裁の会見が1月の利上げ観測を強める内容になれば米ドル/円やクロス円は軟調に推移しそうです。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米FOMC後に米ドル/円が上昇!次なる注目は・・・日銀会合&植田総裁会見]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
<BOE>日本時間21時に会合結果発表
は政策金利は4.75%に据え置かれると市場は予想しています。その通りの結果になれば、BOEの声明や会合の議事録が材料になりそうです。
0.25%利下げすることが決定された前回11月会合時の声明では、「インフレ率を目標近辺に維持するためには、急激なあるいは大幅な利下げはできない」、「経済が見通し通りに推移するなら、政策金利は緩やかに低下し続ける公算が大きい」などとされました。
市場では次回25年2月6日の会合で0.25%の利下げが行われるとの観測があります。声明や議事録がこの観測を後退させる内容になれば、英ポンドが堅調に推移しそう。ユーロ/英ポンドは、22年3月安値の0.81979ポンド割れを試すかもしれません。
<スウェーデン中銀>日本時間17時30分に会合結果発表
市場では、“0.25%の利下げ”と“政策金利据え置き”で見方が分かれているようです。そのため、利下げと据え置きのいずれの結果になってもスウェーデンクローナが反応しそうです。利下げすることが決定された場合、スウェーデンクローナには下押し圧力が加わると考えられます。
<ノルウェー中銀>日本時間18時に会合結果発表
ノルウェー中銀は23年12月に利上げを実施した後、前回24年11月の会合まで7回連続で政策金利を4.50%に据え置きました。
今回の会合でも政策金利は据え置かれると市場は予想しています。その通りの結果になれば、ノルウェー中銀の声明で先行きの金融政策についてどのようなヒントが示されるかに注目です。前回会合時には、25年1-3月期から段階的に利下げするとの見通しが示されました。声明の内容を受けてノルウェー中銀の早期の利下げ観測が市場で後退する場合、ノルウェークローネの支援材料になりそうです。
<BOM>日本時間20日午前4時に会合結果発表
市場では、0.25%利下げすることが決定されるとの見方が有力です。その通りの結果になれば、BOMの声明が材料になりそうです。
前回11月会合時の声明では、「政策金利のさらなる調整が可能になると予想している」とされました。これが維持されるなど、声明が今後の会合での追加利下げ観測を強める内容になれば、メキシコペソは上値が重い展開になる可能性があります。
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日本時間本日午前6時45分に、NZの7-9月期GDP(国内総生産)が発表されました。GDPの結果は前期比マイナス1.0%と、RBNZ(NZ中銀)の予測や市場予想(いずれもマイナス0.2%)を下回りました。NZ経済がマイナス成長になったのは2四半期連続です。
GDPの弱い結果を受けてNZドルが売られ、一時NZドル/円は86.799円、NZドル/米ドルは0.56045米ドルへと下落し、豪ドル/NZドルは1.10603NZドルへと上昇しました(日本時間08:08時点)。NZドルは引き続き軟調に推移する可能性があります。
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