トランプ次期大統領の発言で米ドルが急伸
2024/11/26 09:08
【ポイント】
・トランプ次期大統領がメキシコとカナダに関税を課す方針を表明
・米FOMC議事録などで市場のFRB金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
25日、欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は153円台半ばへと下落し、ユーロ/米ドルは1.05200ドル近辺、英ポンド/米ドルは1.26100ドル近辺へと下落しました。米国のトランプ次期大統領は22日、財務長官候補としてベッセント氏を指名しました。これを受けてインフレ高進や財政赤字が拡大するとの懸念が後退して米長期金利(10年物国債利回り)が低下し、このことが米ドルの重石となりました。
※本日26日の『ファンダメ・ポイント』は、[米財務長官候補ベッセント氏への期待!?]です。
ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.98729スウェーデンクローナへと下落しました。原油価格が下落したことがノルウェークローネに対する下押し圧力となったと考えられます。米WTI原油先物の中心限月の25年1月物は、前営業日比2.30ドル安(-3.20%)の1バレル=68.94ドルで取引を終了。イスラエルとレバノンの武装組織ヒズボラが近く停戦することで合意すると報じられました。これを受けて中東情勢の緊迫化による原油供給への懸念が後退し、原油価格の下落要因となりました。
※本日の『テクニカル・ポイント』は、[ノックセック、下値固め模索の時間帯!]です(お客様専用ページへのログインが必要です)。
(本日の相場見通し)
トランプ次期大統領は日本時間26日午前8時40分頃、「大統領に就任すれば、メキシコとカナダから輸入するすべての製品に25%の関税を課す」と述べました(トランプ氏は25年1月20日に米大統領に就任)。これを受けてカナダドルやメキシコペソが対米ドルで急落(米ドル/カナダドルは急上昇)。また、米ドル/円は上昇し、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下落しました。対カナダドルや対メキシコペソへの米ドル買いが対円など他通貨にも波及したと考えられます。
トランプ次期大統領の発言が市場で引き続き意識されれば、米ドル高が一段と進むかもしれません。
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本日は、米国の11月消費者信頼感指数や10月新築住宅販売件数が発表され、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(11/6-7開催分)が公表されます。これらが材料になる可能性もあります。
次回12月17-18日のFOMCについて市場の見方は分かれています。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む確率は“0.25%の利下げ”と“政策金利の据え置き”とでほぼ五分五分です。
消費者信頼感指数などの結果やFOMC議事録の内容を受けて、12月のFOMCは“据え置き”との見方が市場で強まる場合には、米ドルの下支え要因になりそうです。
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