マネースクエア マーケット情報

円が軟調、米ドル/円は1カ月ぶり高値

2024/10/03 09:17

【ポイント】
・米経済指標でFRB0.50%利下げ観測がどう変化するか
・野口審議委員は日銀の金融政策について新たなヒントを示すか
・中東情勢には注意が必要

(欧米市場レビュー)

2日、欧米時間の外為市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は146.457円、ユーロ/円は161.818円、英ポンド/円は194.365円、豪ドル/円は100.840円へと上昇。米ドル/円は9月3日以来、豪ドル/円は7月30日以来の高値をつけました。石破首相が日銀の金融政策について「追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」と述べたことが、円安圧力となりました。米ドル/については、米国の9月ADP雇用統計が前月比14.3万人増と市場予想の12.0万人増を上回ったことも上昇要因となりました。

本日3日の『ファンダメ・ポイント』は、[米景気は堅調を維持できるか]です。

豪ドル/NZドルは一時1.09899NZドルへと上昇し、8月20日以来の高値をつけました。RBNZ(NZ中銀)は9日の政策会合で0.50%の利下げを行うとの観測が市場で強まっており(NZドル安材料)、このことが豪ドル/NZドルの上昇要因になったと考えられます。

※豪ドル/NZドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/NZドル、もう一段の上値追いとなるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

(本日の相場見通し)

本日は、米国の9月ISM非製造業景況指数先週分の新規失業保険申請件数が発表されます。これらの結果に市場が反応しそうです。

市場予想は、ISM非製造業景況指数が51.7、新規失業保険申請件数が22.0万件です。昨日2日のADP雇用統計に続いてISM非製造業景況指数と新規失業保険申請件数も市場予想と比べて強い結果になれば、次回11月6-7日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での0.50%の利下げ観測が市場で後退しそうです。

0.50%の利下げ観測が後退する場合、米ドルが堅調に推移して米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開が想定されます。米ドル/は、147.165(9/3高値)が目先の上値メドです。

本日はまた、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が講演し、シュミッド・カンザスシティー連銀総裁とボスティック・アトランタ連銀総裁がイベントに参加します。講演などで11月FOMCでの利下げ幅に関するヒントが示されれば、材料になりそうです。

***

日銀の野口審議委員が長崎県金融経済懇談会に出席します。野口審議委員は10時30分からの懇談会で挨拶し、14時30分から会見する予定です。

植田総裁は昨日、「経済・物価が日銀の見通し通りに動いていけば金融緩和の度合いを調整していく(追加利上げを行う)が、本当にそうかを見極めるための時間は十分にある」と述べました。

野口審議委員の挨拶や会見では、日銀の金融政策の先行きについて新たなヒントが示されるかどうかに注目です。ヒントが示されれば、米ドル/円やクロス円(ユーロ/円など)が反応しそうです。

***

中東情勢には引き続き注意が必要です。イスラエルのネタニヤフ首相は1日、イランによるミサイル攻撃について「大きな代償を払うことになる」と述べました。中東情勢が一段と緊迫化する場合、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まるとともに、クロス円に対して下押し圧力が加わる可能性があります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

  • 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
  • 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
  • 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。
topへ