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英・ノルウェー・トルコ・南アフリカの中銀会合開催!

2024/09/19 09:15

【ポイント】
BOE11月利下げ観測が強まるか
・ノルウェー中銀の利下げ観測が強まるか
TCMBのタカ派的な金融政策スタンスが変化するか
SARBは追加利下げ時期についてヒントを示すか

(欧米市場レビュー)

18日、欧米時間の外為市場では、FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表後に米ドルが上下に振れました。

FRB(米連邦準備制度理事会)はFOMCを開き、0.50%の利下げを行うことを決定。政策金利を5.25~5.50%から4.75~5.00%へと引き下げました。市場では利下げ幅について0.25%と0.50%で見方がやや割れていたため、0.50%の利下げ決定を受けて米ドルが売られ、米ドル/円は140.439円、米ドル/カナダドルは1.35363カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.11836ドルへと上昇する場面がありました。

その後、米ドルは反発。一時、米ドル/円は142.663円、米ドル/カナダドルは1.36183カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.10955ドルへと下落しました。パウエルFRB議長の会見やドット・プロット(FOMC参加者各個人の政策金利見通し)で、今後は比較的慎重に利下げすることが示唆されたためと考えられます。

※パウエル議長の会見やドット・プロットについて詳しくは、本日19日の『ファンダメ・ポイント』[米FOMCは0.5%の利下げ、米ドル/円は反発!?]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日は、BOE(英中銀)ノルウェー中銀TCMB(トルコ中銀)SARB(南アフリカ中銀)政策会合が開かれます。これらの結果に市場が反応する可能性があります。

<BOE>日本時間20時に会合結果発表
BOEは前回8月1日の会合で0.25%の利下げを実施しました。そのため、政策金利は今回据え置かれるとの見方が市場では有力です。

政策金利が据え置かれた場合、会合における政策委員の投票行動に注目です。前回会合時は、5対4の僅差で利下げすることが決定されました。今回利下げを支持した委員が多いほど、次回11月の会合での利下げ観測が市場で強まりそうです。11月の利下げ観測が強まることは、英ポンドにとってマイナスです。

※英ポンド/米ドルのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[英ポンド/米ドル、22年3月以来の高値を示現!もう一段の上値追いとなるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

<ノルウェー中銀>日本時間17時に会合結果発表、17時30分から総裁会見
ノルウェー中銀は23年12月に利上げを実施した後、前回8月の会合まで5回連続で政策金利を4.50%に据え置きました。

ノルウェー中銀は前回会合時に「政策金利はしばらくの間、現行水準に維持される可能性が高い」との認識を示しました。本日の会合で政策金利は据え置かれそうです。

ノルウェー中銀の声明やバーチェ総裁の会見、四半期に1度公表される金融政策報告で示される「政策金利見通し(※)」にも注目です。市場では、ノルウェー中銀は早ければ12月に利下げを行うとの観測があります。政策金利見通しなどがその観測を後退させる内容になれば、ノルウェークローネは堅調に推移する可能性があります。

(※)前回6月の金融政策報告では、政策金利は24年10-12月期まで現行の4.5%に据え置かれ、25年1-3月期に4.4%に低下するとの見通しが示されました。ノルウェー中銀は25年1-3月期の利下げ開始を想定ているとの見方ができます。

<TCMB>日本時間20時に会合結果発表
TCMBは3月に利上げを実施した後、前回8月の会合まで5回連続で政策金利を50.00%に据え置きました。政策金利は今回も据え置かれそうです。

その通りの結果になれば、TCMBの声明に注目です。前回8月会合時の声明では、「月次のインフレ(率)の基調的なトレンドが大幅かつ持続的に低下し、インフレ期待が(TCMBの)予測範囲に収束するまで、金融引き締めスタンスを維持する」、「インフレの大幅かつ持続的な悪化が見込まれる場合には、金融政策を(さらに)引き締める」など、タカ派的な姿勢が示されました。

トルコのCPI上昇率は24年5月の前年比75.45%をピークに鈍化しており、8月は51.97%でした。インフレ率の鈍化を受けて市場では、早ければ年内にTCMBは利下げに転じるとの観測があります。TCMBのタカ派的な姿勢に変化がなければ、トルコリラが底堅く推移する可能性があります。

<SARB>22時過ぎに会合結果発表
SARBは23年5月に利上げを実施した後、前回7月の会合まで7回連続で政策金利を8.25%に据え置きました。ただ、前回の会合では6人の政策メンバーのうち2人が0.25%利下げすることを支持しました(その前の5月会合は全員一致で据え置きを決定)。

南アフリカの8月CPIは前年比4.4%と、上昇率は7月の4.6%から鈍化して、21年4月以来の低い伸びを記録。SARBのインフレ目標(3~6%)の中間値である4.5%をわずかながらも下回りました。

SARBは本日の会合で0.25%の利下げを行うと市場は予想しています。その通りの結果になれば、SARBの声明やクガニャゴ総裁の記者会見で追加利下げのタイミングについてのヒントが示されるかどうかに注目です。次回11月の会合での追加利下げ観測が市場で強まる場合、南アフリカランドは軟調に推移しそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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