市場の注目はFOMCへ
2024/09/18 08:50
【ポイント】
・FOMCはどの程度利下げするか
・FOMC参加者の政策金利見通しはどうなるか
(欧米市場レビュー)
17日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は142.419円へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.11084ドル、英ポンド/米ドルは1.31471ドルへと下落しました。米国の8月小売売上高が前月比プラス0.1%と、市場予想(マイナス0.2%)に反して増加したことが、米ドルの支援材料となりました。
※米小売売上高について詳しくは、本日18日の『ファンダメ・ポイント』[米小売売上高:個人消費にけん引された景気堅調が続く?]をご覧ください。
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カナダの8月CPI(消費者物価指数)は総合指数が前年比2.0%と、市場予想(2.1%)以上に7月の2.5%から上昇率が鈍化して、BOC(カナダ中銀)のインフレ目標である2%に到達しました。BOCがコアインフレ指標として注視するCPIトリム平均値とCPI加重中央値の結果はそれぞれ、前年比2.4%と2.3%でした。トリム平均値は市場予想の2.5%を下回り、加重中央値は市場予想の2.2%を上回りました。
マックレムBOC総裁は9月4日の政策会合時の会見で、「インフレ率が7月時点の予測におおむね沿って鈍化し続ければ、政策金利のさらなる引き下げを予想するのが妥当」と述べました。8月CPIの結果は、BOCが追加利下げを行う確率を高めるものと言えそうです。
カナダの8月CPIの結果に対し、米ドル/カナダドルに大きな反応はみられず。カナダドル/円は、米ドル/円の上昇にけん引されて一時104円台後半へと上昇しました。
(本日の相場見通し)
本日は、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開かれます。この結果に市場が反応しそうです。FOMCの結果は日本時間19日午前3時に発表され、同3時30分からパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見します。
パウエル議長は8月23日の講演で「(金融)政策を調整する時が来た」と述べ、9月のFOMCでの利下げを強く示唆しました。本日のFOMCでは利下げすることが決定されそうです。注目点は、どの程度の利下げが行われるのか。市場の見方はやや割れており、CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む利下げの確率は0.25%幅が37%、0.50%幅が63%です。仮に0.25%利下げすることが決定されれば、初期反応は米ドル高となり、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下落しそうです。
FOMCの声明や参加者による政策金利予想(ドット・プロット)、パウエル議長の会見にも注目です。ドット・プロットなどで今後積極的な利下げが行われる可能性が示されれば、利下げ幅が0.25%となった場合の米ドル高の流れは長続きしないかもしれません。
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