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米小売売上高:個人消費にけん引された景気堅調が続く?

2024/09/18 07:23

【ポイント】
・8月米小売売上高は7月大幅増加後もプラス
・GDPNowは7-9月期GDPを前期比年率3.0%と堅調を予測
・大幅利下げを織り込む市場に対して、FOMCの判断は??

米国の8月小売売上高は前月比0.1%と、市場予想のマイナス0.2%を上回りました。強かった7月の反動が出るとみられていましたが、予想に反してプラス。7月分が当初の前月比1.0%から1.1%に上方修正されるオマケもつきました。

8月小売売上高は前年比でみて2.5%と前月の4.2%から減速。コロナショックの反動や景気対策の効果で大きく伸びた21-22年ごろに比べればペースダウンは否めません。それでも、インフレが鈍化していることもあって、小売売上高は比較的堅調を維持していると判断できそうです。

小売売上高

小売売上高や(直後に発表された)鉱工業生産が予想を上回ったため、17日時点のアトランタ連銀のGDPNow(短期予測モデル)によれば、7-9月期GDPは前期比年率3.0%と堅調が予測されています。PCE(個人消費支出)が前期比年率3.7%と大きく伸びて、GDPを2.5%分押し上げる(=寄与度)との予測です。

GDPNow

シカゴ時間17日16:47時点(=上記の経済指標発表後)のFedWatchによれば、18日のFOMCで0.25%利下げが決定される確率を37%、0.50%利下げの確率を63%織り込んでいます。市場が大幅な利下げが必要と考えるほど、これから景気が減速基調を強めるのか、それとも市場の利下げ観測が後退するのか。まず、その前にFRBはどう判断するのか。日本時間19日03:00のFOMCの結果および同03:30開始のパウエル議長の記者会見が注目されます。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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