主要国の株価動向に注目、メキシコペソはCPIが材料に!?
2024/09/09 08:50
【ポイント】
・主要国株価が下落すれば、リスクオフが強まる可能性あり
・CPIでメキシコ中銀の追加利下げ観測が強まるか
(欧米市場レビュー)
6日、欧米時間の外為市場では、円や米ドルが堅調に推移。一時、ユーロ/円は157.439円、英ポンド/円は186.450円、ユーロ/米ドルは1.10643ドル、英ポンド/米ドルは1.31112ドルへと下落し、米ドル/カナダドルは1.35777カナダドルへと上昇しました。米国の8月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比14.2万人増となり、市場予想の16.0万人増を下回りました。米景気減速への懸念から米主要株価指数が大幅に下落する中、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まり、米ドルや円の支援材料となりました。
米雇用統計については、 7日の『ファンダメ・ポイント』[米雇用統計はやや弱めで、米ドル/円に下押し圧力!?]にて解説していますので、ご覧ください。
(本日の相場見通し)
6日の米株式市場では、主要3株価指数が総じて大幅に下落。ダウは前日比410.34ドル安(-1.01%)の40,345.41ドル、ナスダックは同436.83ポイント安(-2.55%)の16,690.83ポイント、S&P500は同94.99ポイント安(-1.73%)の5,408.42ポイントで取引を終えました。
本日は、日米欧など主要国の株価動向に注目です。主要国の株価が下落すれば、リスクオフの動きが一段と強まる可能性があります。その場合には円や米ドルが堅調に推移して、クロス円(ユーロ/円や豪ドル/円など)やユーロ/米ドルは下値を試し、一方で米ドル/カナダドルは上値を試す展開になりそうです。
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BOM(メキシコ中銀)は前回8月8日の政策会合で0.25%利下げすることを決定。政策金利を11.00%から10.75%へと引き下げました。8月会合時の声明でBOMは、「(さらなる)政策金利の調整について議論できる可能性がある」とし、今後さらに利下げする可能性が示されました。
本日、メキシコの8月CPI(消費者物価指数)が発表されます(日本時間21:00)。物価の動向はBOMの金融政策に大きな影響を与えるため要注目です。
CPIの市場予想は総合指数が前年比5.09%、食品やエネルギーなどを除いたコア指数が同4.01%と、上昇率は7月(5.57%と4.05%)から鈍化するとみられています。
CPIが市場予想を下回る結果になった場合、次回9月26日の会合での追加利下げ観測が市場で強まる可能性があります。メキシコの司法制度改革をめぐる懸念(※)からメキシコペソには下押し圧力が加わる中でBOMの追加利下げ観測が強まれば、メキシコペソへの下押し圧力は一段と強まるかもしれません。
(※)司法制度改革が実現すれば司法の独立性が脅かされると市場は懸念しています。司法制度改革案は4日に議会下院で承認され、上院に送付されました。上院では今週中に司法制度改革案の審議が始まるとの報道があります。与党連合は上院において憲法改正(司法制度改革案の承認)に必要な3分の2の議席に1議席足りません。
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