FOMC議事録と雇用統計改定、パウエル議長は何を語る??
2024/08/22 07:34
【ポイント】
・24年3月の雇用水準が大幅下方修正
・FOMC議事録によれば7月利下げの議論も
・パウエルFRB議長のジャクソンホール会議での講演に注目
雇用統計の改定は81.8万人の下方修正
21日に発表された米雇用統計の改定(暫定値)は、24年3月時点のNFP(非農業部門雇用者数)の水準を81.8万人下方修正するもの。市場で観測のあった「60万人~最大100万人の下方修正」のほぼ真ん中にあたる大幅なマイナスでした。24年3月まで1年間の雇用増加幅は改定前で290万人でしたが、改定後はそれが200万人近くまで修正されることになります。月平均24.2万人増⇒約17万人増。それでも悪いペースではありませんが、当初のデータが示すほど力強いペースではなかったということ。
ただし、全体像が明らかになるには、25年2月の年次改定まで待つ必要があります。昨年の改定(暫定値)では23年3月のNFP水準が30.6万人下方修正されましたが、年次改定では26.6万人の下方修正となっており、23年1年間の雇用増加幅は逆に269.7万人⇒305.6万人に上方修正されました。
■21日付け「米雇用統計改定プレビュー:雇用はそんなに強くなかった??」で詳しく解説しています。
7月FOMCでは即時利下げの議論も
FOMC議事録(7/30-31開催分)によれば、参加者全員が政策金利の据え置きを支持しました。ただし、数人の参加者は、最近のインフレ目標への前進や失業率の上昇は今会合で0.25%の利下げをする根拠になると考えたし、利下げの決定を支持することもありえたとのことでした。
そして、大多数の参加者は、今後のデータが想定通りなら、次回9月の会合で利下げをするのが適切になりそうだとも考えました。
また、過半数の参加者は雇用に関するリスクが増大したと述べ、多くの参加者はインフレに関するリスクは低減したと指摘しました。数人の参加者は、労働市場の緩やかな悪化が急激な悪化へとシフトするリスクにも言及しました。
*****
7月のFOMC以降に発表された経済指標はおそらく「想定通り」でしょう。そうであれば、9月の利下げは既定路線。問題は0.25%幅か、0.50%幅か。それは今後のデータ次第で決まりそうです。さて、23日ジャクソンホール会議の講演で、パウエル議長は何を語るでしょうか。
・24年3月の雇用水準が大幅下方修正
・FOMC議事録によれば7月利下げの議論も
・パウエルFRB議長のジャクソンホール会議での講演に注目
雇用統計の改定は81.8万人の下方修正
21日に発表された米雇用統計の改定(暫定値)は、24年3月時点のNFP(非農業部門雇用者数)の水準を81.8万人下方修正するもの。市場で観測のあった「60万人~最大100万人の下方修正」のほぼ真ん中にあたる大幅なマイナスでした。24年3月まで1年間の雇用増加幅は改定前で290万人でしたが、改定後はそれが200万人近くまで修正されることになります。月平均24.2万人増⇒約17万人増。それでも悪いペースではありませんが、当初のデータが示すほど力強いペースではなかったということ。
ただし、全体像が明らかになるには、25年2月の年次改定まで待つ必要があります。昨年の改定(暫定値)では23年3月のNFP水準が30.6万人下方修正されましたが、年次改定では26.6万人の下方修正となっており、23年1年間の雇用増加幅は逆に269.7万人⇒305.6万人に上方修正されました。
■21日付け「米雇用統計改定プレビュー:雇用はそんなに強くなかった??」で詳しく解説しています。
7月FOMCでは即時利下げの議論も
FOMC議事録(7/30-31開催分)によれば、参加者全員が政策金利の据え置きを支持しました。ただし、数人の参加者は、最近のインフレ目標への前進や失業率の上昇は今会合で0.25%の利下げをする根拠になると考えたし、利下げの決定を支持することもありえたとのことでした。
そして、大多数の参加者は、今後のデータが想定通りなら、次回9月の会合で利下げをするのが適切になりそうだとも考えました。
また、過半数の参加者は雇用に関するリスクが増大したと述べ、多くの参加者はインフレに関するリスクは低減したと指摘しました。数人の参加者は、労働市場の緩やかな悪化が急激な悪化へとシフトするリスクにも言及しました。
*****
7月のFOMC以降に発表された経済指標はおそらく「想定通り」でしょう。そうであれば、9月の利下げは既定路線。問題は0.25%幅か、0.50%幅か。それは今後のデータ次第で決まりそうです。さて、23日ジャクソンホール会議の講演で、パウエル議長は何を語るでしょうか。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。