米ドルが堅調、米ドル/円は149円台へ上昇
2024/08/16 08:57
【ポイント】
・米小売売上高などを受けて9月FOMCでの大幅な利下げ観測がやや後退
・本日の米経済指標で9月の大幅な利下げ観測は一段と後退するか
(欧米市場レビュー)
15日、欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は149.276円、米ドル/カナダドルは1.37339カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.09494ドル、英ポンド/米ドルは1.27997ドルへと下落しました。米国の7月小売売上高や先週分の新規失業保険申請件数が市場予想よりも強い結果だったことが、米ドルの支援材料となりました。
小売売上高と新規失業保険申請件数の結果は以下の通り。( )は市場予想です。
・小売売上高(前月比):1.0%(0.3%)
・小売売上高(自動車を除く。前月比):0.4%(0.1%)
・新規失業保険申請件数:22.7万件(23.5万件)
※本日16日の『ファンダメ・ポイント』は、[米小売売上高は堅調、米長期金利や米ドル/円が上昇]です。
豪ドルも堅調。一時、豪ドル/円は98.735円、豪ドル/NZドルは1.10445NZドルへと上昇し、いずれも7月31日以来の高値をつけました。豪州の7月雇用統計で雇用者数が前月比5.82万人増と、市場予想の2.00万人増を上回ったことが、豪ドルの支援材料となりました。
(本日の相場見通し)
昨日15日の米国の小売売上高や新規失業保険申請の結果を受けて、市場ではFRB (米連邦準備制度理事会)が次回9月17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.50%の利下げを行うとの観測がやや後退しました。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む利下げの確率は、0.25%幅が74%、0.50%幅が26%。14日時点はそれぞれ64%と36%でした。
本日は、米国の8月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)や7月住宅着工件数、7月建設許可件数が発表されます。市場予想は、ミシガン大学消費者信頼感指数が66.9、住宅着工件数が年率換算133.0万件、建設許可件数が同142.5万件です。これらが市場予想を上回る結果になれば、9月FOMCでの0.50%の利下げ観測が一段と後退する可能性があります。その場合には米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそうです。
グールズビー・シカゴ連銀総裁が本日講演します。講演でFRBの金融政策の先行きについて新たなヒントが示されれば、材料になりそうです。
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