米英の経済指標に注目!
2024/08/15 09:05
【ポイント】
・米小売売上高などで市場のFRB金融政策見通しが変化するか
・英GDPでBOEの利下げ観測が強まるか
(欧米市場レビュー)
14日、欧米時間の外為市場では、英ポンドが軟調に推移。一時、英ポンド/米ドルは1.28111ドルへと下落し、ユーロ/英ポンドは0.85875ポンドへと上昇しました。英国の7月CPI(消費者物価指数)は総合指数が前年比2.2%、エネルギー・食料品・タバコを除いたコア指数は同3.3%と、いずれも市場予想(2.3%と3.4%)を下回りました。CPIの結果を受けてBOE(英中銀)の利下げ観測が強まり、英ポンド安材料となりました。
NZドルも軟調。豪ドル/NZドルは一時1.10354NZドルへと上昇し、7月31日以来2週間ぶりの高値をつけました。RBNZ(NZ中銀)は0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を5.50%から5.25%へと引き下げました。市場では政策金利は据え置かれるとの見方もあったことや、会合でより大幅な0.50%利下げすることも検討されていたことが、NZドルへの下押し圧力となりました。
※RBNZの政策会合について詳しくは、14日の『デイリーフラッシュ』[【PM】NZ中銀は利下げを決定、NZドルが急落]をご覧ください。
RBA(豪中銀)とRBNZの金融政策スタンスからみれば、豪ドル/NZドルには上昇圧力が加わりやすいかもしれません。RBAは5-6日の政策会合で政策金利を4.35%に据え置きました。また、ブロックRBA総裁は8日の講演で「インフレを抑制するために必要なら利上げすることをためらわない」と述べました。
※豪ドル/NZドルのテクニカル分析は、本日15日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/NZドル、もう一段の上値トライとなるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の小売売上高(7月分)や新規失業保険申請件数(先週分)、フィラデルフィア連銀製造業景気指数(8月分)、NY連銀製造業景気指数(8月分)が発表されます(いずれも日本時間21:30)。これらの結果が材料になりそうです。
市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・小売売上高(前月比):0.3%(0.0%)
・小売売上高(自動車を除く。前月比):0.1%(0.4%)
・新規失業保険申請件数:23.5万件(23.3万件)
・フィラデルフィア連銀製造業景気指数:6.0(13.9)
・NY連銀製造業景気指数:マイナス6.0(マイナス6.6)
FRB(米連邦準備制度理事会)は次回9月17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うと市場は予想しており、利下げ幅については0.25%と0.50%で市場の見方は分かれています。
小売売上高などが全般的に市場予想と比べて弱い結果になれば、0.50%の利下げ観測が強まると考えられます。0.50%の利下げ観測が強まる場合、米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下値を試し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは上値を試す展開になりそうです。
本日、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁やムサレム・セントルイス連銀総裁が講演する予定です。講演でFRBの金融政策の先行きについて新たなヒントが提供されれば、材料になる可能性があります。
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英国の4-6月期GDP(国内総生産)速報値が本日発表されます(日本時間15:00)。その結果に英ポンドが反応しそうです。
GDPの市場予想は前期比0.6%と、成長率は1-3月期の0.7%から鈍化するとみられています。GDPが市場予想を下回る結果になれば、BOE(英中銀)の利下げ観測が強まる可能性があり、その場合には英ポンドが軟調に推移しそうです。ユーロ/英ポンドの上値メドとして、0.86395ポンド(4/23高値)が挙げられます。
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