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【PM】NZ中銀は利下げを決定、NZドルが急落

2024/08/14 14:02

【ポイント】
・RBNZ(NZ中銀)は追加利下げを示唆
・会合では0.50%の利下げも検討される

RBNZは本日政策会合を開き、0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を5.50%から5.25%へと引き下げました。

政策会合の結果発表後にNZドルが急落しました。政策金利は据え置かれるとの見方も市場にはありました。また、オアRBNZ総裁によると、会合ではより大幅な0.50%利下げすることも検討されたようです。それらがNZドル急落の主な要因と考えられます。

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RBNZが利下げに踏み切ったのは、NZのインフレ鈍化や景気の弱さがあるようです。4-6月期の総合CPI(消費者物価指数)は前年比3.3%と、上昇率は1-3月期の4.0%から鈍化し、21年4-6月期以来3年ぶりの低い伸びでした。

RBNZは声明で、「NZのCPI上昇率は目標である1~3%に戻りつつある」と指摘。「インフレ期待や企業の価格設定行動、総合CPI上昇率、さまざまなコアインフレ指標は、低く安定したインフレと整合的だ」との認識を示しました。

会合の議事要旨は「国内の経済活動の弱まりが、より顕著かつ広範囲に及んでいる」と指摘。RBNZの想定よりも急速にNZ経済が縮小していることをさまざまな指標が示唆しており、「生産と雇用への下振れリスクが、より顕著になっている」との見方を示しました。

議事要旨はまた、「総合CPI上昇率は7-9月期に1~3%の目標レンジ内に戻ると予想され、また過剰生産能力の拡大がインフレ率の持続的な鈍化を支えると見込まれる」とし、「政策委員会は、利下げを行うことによって金融政策の抑制レベルを緩和することで合意した」と説明。「追加緩和のペースは、企業の価格設定行動が引き続き低インフレ環境と整合的であり、インフレ期待が2%近辺で安定しているという政策委員会の確信に左右される」とし、追加利下げを示唆しました。

オアRBNZ総裁は会合後に会見し、「インフレ率(総合CPI上昇率)は目標レンジに戻ると確信しており、金利の再正常化を開始できる」と表明。今回の会合では「0.50%利下げすることも検討したが、コンセンサスは0.25%の利下げだった」と語りました。

RBNZは四半期に一度の金融政策報告を公表。政策金利は24年10-12月期に四半期平均4.92%、25年10-12月期に同3.85%になるとの見通しが示されました。本日の利下げによってRBNZの政策金利は5.25%となったため、仮に1回の利下げ幅を0.25%とすると、RBNZは年内にあと1~2回、25年末までにあと5~6回の利下げを想定していると考えることができます。
八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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