米ドル軟調、米ドル/円は6カ月ぶり安値
2024/08/05 08:30
【ポイント】
・米ISM非製造業景況指数で市場のFRB利下げ観測がさらに強まるか
・主要国の株価が下落すれば、リスクオフが強まる可能性あり
(欧米市場レビュー)
2日、欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は146.381円、米ドル/カナダドルは1.38332カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.09211ドル、英ポンド/米ドルは1.28349ドルへと上昇。米ドル/円は2月2日以来6カ月ぶりの安値をつけました。米国の7月雇用統計の市場予想よりも弱い結果を受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が強まったことが、米ドルに対する下押し圧力となりました。米雇用統計の結果は、非農業部門雇用者数が前月比11.4万人増、失業率が4.3%。市場予想はそれぞれ17.5万人増と4.1%でした。
※米雇用統計については、3日の『ファンダメ・ポイント』[米雇用統計は軟調も、年内0.5%×2回利下げは織り込みすぎ!?]にて解説していますので、ご覧ください。
(本日の相場見通し)
市場ではFRBの利下げ観測が強まっています。CMEのFedWatchツールによると、市場は次回9月17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での0.25%の利下げを完全に織り込んでおり、より大幅な0.50%の利下げが行われる確率も70%程度織り込んでいます。
本日、7月のISM非製造業景況指数が発表されます(日本時間23:00)。ISM非製造業景況指数の市場予想は51.0と、6月の48.8から改善し、業況判断の分かれ目である50を2カ月ぶりに上回るとみられています。市場予想を下回る結果になれば、FRBの利下げ観測が一段と強まりそうです。その場合には米ドルが軟調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは下落し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは上昇すると考えられます。
デイリー・サンフランシスコ連銀総裁やグールズビー・シカゴ連銀総裁の発言機会があります。デイリー総裁らによってFRBの金融政策の先行きについて新たなヒントが提供されれば、材料になるかもしれません。
日本や米国など主要国の株価動向にも注目です。2日の米株式市場では、主要3株価指数が大幅に下落しました。ダウは前日比610.71ドル安(-1.51%)の39,737.26ドル、ナスダックは同417.98ポイント安(-2.43%)の16,776.16ポイント、S&P500は同100.12ポイント安(-1.84%)の5,346.56ポイントで取引を終了。米雇用統計の弱い結果を受けて米景気減速への懸念が強まり、米国株への下落圧力となりました。
主要国の株価が一段と下落する場合、リスクオフ(リスク回避)の動きが強まるとともに、円高圧力が加わる可能性があります。
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