エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※7月30日更新
2024/07/30 10:44
宮田レポートpdf
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YouTube エリオットView 7月29日 [日経平均乱高下!今後の展開は!?]
[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~41,000円
[NYダウ]
【当面の想定レンジ】 32,000~40,600ドル
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~17,850
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~158.000円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350
[日経平均]

【週足・エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来、インターミディエイト級の第(4)波による調整が進行中とみています。
この波動カウントに基づくと、第(4)波の大きさを測る上で比較対象となるのは、インターミディエイト級の第(2)波です。第(2)波と第(4)波は同じディグリー(段階)に属しており、調整規模が近しくなると考えることができます。
インターミディエイト級第(2)波の内容
始点高値30,795円(21年9月14日)⇒終点安値24,681円(22年3月9日)
下げ幅(6114円)、下げ率(19.85%)、期間(6カ月)、パターン(ジグザグ)
これらから、インターミディエイト級第(4)波の下値メドとして以下の水準が得られます。
第(4)波ターゲット(参考値)…[36,312円](7月高値から6114円安)~[34,005円](同19.85%安)
このレンジは、第(3)波の上昇幅の38.2%押し水準[35,648円]を内包します。
なお高値からの下げ率が20%を超える、「弱気相場」に突入した場合は、[33,772円-30,583円](※)が下値レンジとして適当です。それは、第(3)波中のレッサー・ディグリーマルⅳ波が動いた領域のことです。
第(4)波はジグザグ以外の、フラットやトライアングルなど、保ち合いパターンになる可能性が高いでしょう。筆者は今秋に日経平均が4年サイクル底を付ける可能性をみていますが、そのときの安値はおそらく、保ち合いパターンにおけるA波終点に相当するでしょう。
(※) 第1波高値と第4波安値は通常、重なることはありません。今回でいえば、第(4)波安値が第(1)波高値(30,795円)を下回ることはない、といえます。今回想定される保ち合いでは、パターン終点の安値が第(1)波を下抜くことは決してありません。しかしパターン中A波の安値が、第(1)波の高値と(瞬時)重なることはあり得ます。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
日経平均は2年9カ月ぶりの8日続落(7/17~7/26)となりました。
7月11日高値(42,426円)から26日安値(37,825円)までの下げ幅(4815円)と下げ率(11.35%)の両方がおよそ2年ぶりの大きさです。それは7月からの調整が、一回り大きな波動ディグリー(インターミディエイト級)に属する証左となっています。
週明け7月29日は801円高と大幅反発、一時は1000円超上昇しました。先週末(7/26)に25日MAからのマイナスかい離が5.95%に広がり、日経平均は下がり過ぎの状況でした。29日の急反発は、短期的な下がり過ぎに対する自然な揺り戻しです。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
37,611円(7/26安値)からの上昇は、ⓑ波によるリバウンドに位置付けられます。
このⓑ波は短期的に、ⓐ波の下落幅に対し38.2%-61.8%戻り[39,450円-40,587円]を目指す可能性があります。
ⓑ波が完成すると、次はⓒ波による下落局面を迎えるでしょう。ⓒ波はⓐ波と同等か、それ以上の長さになると思われます。
上記チャートは、ⓐ-ⓑ-ⓒ[ジグザグ]パターンによりA波が形成されていく、ひとつの展開イメージを示しています。
[NYダウ]

【NYダウ日足・エリオット波動分析】
22年10月(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級➃波中(B)波に当たります。あるいは、それをプライマリー級➄波の上昇とみることもできます。いずれにしても、現行の上昇後には大きなスケールの下落となり、いずれ22年10月安値を窺う展開が想定されます。
7月18日には一時41,376ドルまで上昇し最高値を更新しましたが、その直後から急反落となりました。
ちょうど22年12月高値からのチャネルライン上限に達してから反落した格好です。トライアングル後の「最後の上昇」を完了した可能性に、引き続き要注意です。
NYダウがピークアウトした可能性はS&P500からも伺えます。
S&P500は7月16日に最高値(5669)を付けましたが、この動きにより、フィボナッチ比率からのチャート節目[5645]が達成されています。さらに7月3週ローソク足「包み大陰線」により天井打ちが示唆されています。


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
22年12月からの上昇は、プライマリー級第➃波における(B)波に位置付けられます(あるいはプライマリー級第➄波)。(B)波終了後には(C)の下落がスタートしますが、(C)波によりナスダックは12,500~10,000へ下落する可能性があります。
18,671(7/11高値)を以て(B)波は完了し、そこから(C)波の下落がスタートした可能性があります。
直近安値の17,033(7/25)は第(i)波の終点とカウントできます(7月高値から連続する5波構成がみてとれます)。この見方に基づくと、足元は第(ii)波によるリバウンド局面に位置付けられ、[17,659-18,045]を打診する可能性があります。
[17,659-18,045]…第(i)波の下落幅に対し38.2%-61.8%戻り

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・日足エリオット波動分析】
5931(7/11高値)を以て、22年10月からの(B)波による上昇は完了した可能性があります。
SOX指数は7月高値からの下げ率が10%を大きく超え、既に定義上の「調整局面」に入っています。
7月高値から直近安値4906(7/25)まで17.28%の下げとなりました。これは今年3月~4月の下げ率(17.82%)に並び、「弱気相場」入りの基準(20%超の下げ)に近づいています。
7月高値から足元安値までに、5波構成がみてとれます。これを第(i)波の下げとすれば、足元は第(ii)波によるリバウンドが展開中と思われます。
このリバウンドを経てSOX指数は、第(iii)波による急落局面を迎えることでしょう。第(iii)波により200日MA※が試されるでしょう。
※200日MA…4539(7/29)

[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。
【月足・エリオット波動分析】
161.938円(7/3)を以て、8年サイクル高値を付けた可能性が高い、とみています。
今年4月以降でドル/円は、長期上昇チャネルから大きく逸脱していましたが、このような「極端に上がり過ぎ」の状態は解消されました。8月からは、チャネル上限(154.000円)を下回る動きが定着すると思われます。
7月11日、政府・日銀は3兆5000億円程度のドル売り・円買い介入(今年3回目)を行なったと推定されています。
22年秋に2回行われた円買い介入(3回という見方も)が、当時どれだけ円安抑制に役立ったかを振り返ると、1回目(9/22)のときの効果は限定的でした。しかし、当時のドル/円高値(151円台後半)付近で行われた2回目の介入(10/21)効果は大きく、それは127円台までのドル/円下げを誘発したのでした。
当時と同じように、7月の円買い介入はドル/円下落トレンドの呼び水だった、と思われます。
名目実効円レートは7月3日に底打ちし、そこから強い円高方向への動きとなっています。これはつまり、円安から円高への基調転換は米ドル以外にも広がっていることを示すものです。

【週足・エリオット波動分析】
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からはB波に位置付けられ、それは151.899円を超えて不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しています。
B波は161.938円(7/3)を以て完成したと思われます。それはB波の目標値[161.350円]を満たすものでした。この見方が正しければ、足元はC波(ドル安・円高)の序盤に当たります。
C波の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でしたから、C波の長さも同様と考えると、137円辺りがC波のターゲットになります。

【日足・エリオット波動分析】
4月に入ってからの急激なドル/円上昇(152円⇒161円)は、日米実質金利差を反映しておらず、専ら投機によってもたらされました。『円安バブル』は、本来あるべき水準へ修正されつつあります。
[日米実質金利差による推計値]…147.281円

筆者は、米長期金利の大幅な低下≒大幅な米ドル安を見込んでいます(実際そうなってきました)。
今後は日米実質金利差の縮小に沿って、ドル/円は150円を下回っていくでしょう。
注目の中銀イベントを目前に控え、足元ドル/円は小動きとなっています。目先的には100日MAを一時的に上抜く可能性もありとしますが、メイントレンドはドル安・円高とみられ、遠からず200日MA(※)を下抜く展開となるでしょう。
※200日MA・・・151.610円(7/30)
200日MAをも下抜くと150円攻防戦になりそうですが、フィボナッチ比率から得られる次の下値メドは148.652円です。
[148.652円]…23年1月から今年7月までのドル/円上昇に対する38.2%押し水準

【時間足・エリオット波動分析】
7月25日には一時151.938円と、5月3日に付けた151.844円に並びました。
200日MAが意識される局面でもあり、目先的にはリバウンドがありそうです。
7月3日からはちょうど10円幅のドル安・円高となっており、フィボナッチ比率からは3.8円~6.2円の揺り戻しが起きることになります。
このリバウンド後には、次のドル安・円高局面が想定され、それにより150円の節目はブレイクされるでしょう。

[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックスはA(↘)-B(↗)-C(↘)編成による下落基調にあります。
23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、トライアングル(ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中です。
足元はⓔ波のドル高局面とみられます。この見方通りなら、まもなくB波は完成し、その後に到来するC波によって、ドル指数は23年安値(99.578)を大きく下回るでしょう。
派生的な見方として、「トライアングルは105.915(6/21)を以て既に完成しており、そこからはC波によるドル安が始まっている」というものがあります。
いずれにしても、今後の大幅なドル安が想定されます。
ただし106.517(4/16)を上抜く動きとなったときは、短期的なドル安見通しはいったん撤回され、別のオプションが必要になります。

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
☆こちらもオススメ
YouTube エリオットView 7月29日 [日経平均乱高下!今後の展開は!?]
[日経平均]
【当面の想定レンジ】 35,000~41,000円
[NYダウ]
【当面の想定レンジ】 32,000~40,600ドル
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~17,850
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~158.000円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~108.350
[日経平均]

【週足・エリオット波動分析】
42,426円(7/11高値)以来、インターミディエイト級の第(4)波による調整が進行中とみています。
この波動カウントに基づくと、第(4)波の大きさを測る上で比較対象となるのは、インターミディエイト級の第(2)波です。第(2)波と第(4)波は同じディグリー(段階)に属しており、調整規模が近しくなると考えることができます。
インターミディエイト級第(2)波の内容
始点高値30,795円(21年9月14日)⇒終点安値24,681円(22年3月9日)
下げ幅(6114円)、下げ率(19.85%)、期間(6カ月)、パターン(ジグザグ)
これらから、インターミディエイト級第(4)波の下値メドとして以下の水準が得られます。
第(4)波ターゲット(参考値)…[36,312円](7月高値から6114円安)~[34,005円](同19.85%安)
このレンジは、第(3)波の上昇幅の38.2%押し水準[35,648円]を内包します。
なお高値からの下げ率が20%を超える、「弱気相場」に突入した場合は、[33,772円-30,583円](※)が下値レンジとして適当です。それは、第(3)波中のレッサー・ディグリーマルⅳ波が動いた領域のことです。
第(4)波はジグザグ以外の、フラットやトライアングルなど、保ち合いパターンになる可能性が高いでしょう。筆者は今秋に日経平均が4年サイクル底を付ける可能性をみていますが、そのときの安値はおそらく、保ち合いパターンにおけるA波終点に相当するでしょう。
(※) 第1波高値と第4波安値は通常、重なることはありません。今回でいえば、第(4)波安値が第(1)波高値(30,795円)を下回ることはない、といえます。今回想定される保ち合いでは、パターン終点の安値が第(1)波を下抜くことは決してありません。しかしパターン中A波の安値が、第(1)波の高値と(瞬時)重なることはあり得ます。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
日経平均は2年9カ月ぶりの8日続落(7/17~7/26)となりました。
7月11日高値(42,426円)から26日安値(37,825円)までの下げ幅(4815円)と下げ率(11.35%)の両方がおよそ2年ぶりの大きさです。それは7月からの調整が、一回り大きな波動ディグリー(インターミディエイト級)に属する証左となっています。
週明け7月29日は801円高と大幅反発、一時は1000円超上昇しました。先週末(7/26)に25日MAからのマイナスかい離が5.95%に広がり、日経平均は下がり過ぎの状況でした。29日の急反発は、短期的な下がり過ぎに対する自然な揺り戻しです。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
37,611円(7/26安値)からの上昇は、ⓑ波によるリバウンドに位置付けられます。
このⓑ波は短期的に、ⓐ波の下落幅に対し38.2%-61.8%戻り[39,450円-40,587円]を目指す可能性があります。
ⓑ波が完成すると、次はⓒ波による下落局面を迎えるでしょう。ⓒ波はⓐ波と同等か、それ以上の長さになると思われます。
上記チャートは、ⓐ-ⓑ-ⓒ[ジグザグ]パターンによりA波が形成されていく、ひとつの展開イメージを示しています。
[NYダウ]

【NYダウ日足・エリオット波動分析】
22年10月(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級➃波中(B)波に当たります。あるいは、それをプライマリー級➄波の上昇とみることもできます。いずれにしても、現行の上昇後には大きなスケールの下落となり、いずれ22年10月安値を窺う展開が想定されます。
7月18日には一時41,376ドルまで上昇し最高値を更新しましたが、その直後から急反落となりました。
ちょうど22年12月高値からのチャネルライン上限に達してから反落した格好です。トライアングル後の「最後の上昇」を完了した可能性に、引き続き要注意です。
NYダウがピークアウトした可能性はS&P500からも伺えます。
S&P500は7月16日に最高値(5669)を付けましたが、この動きにより、フィボナッチ比率からのチャート節目[5645]が達成されています。さらに7月3週ローソク足「包み大陰線」により天井打ちが示唆されています。


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
22年12月からの上昇は、プライマリー級第➃波における(B)波に位置付けられます(あるいはプライマリー級第➄波)。(B)波終了後には(C)の下落がスタートしますが、(C)波によりナスダックは12,500~10,000へ下落する可能性があります。
18,671(7/11高値)を以て(B)波は完了し、そこから(C)波の下落がスタートした可能性があります。
直近安値の17,033(7/25)は第(i)波の終点とカウントできます(7月高値から連続する5波構成がみてとれます)。この見方に基づくと、足元は第(ii)波によるリバウンド局面に位置付けられ、[17,659-18,045]を打診する可能性があります。
[17,659-18,045]…第(i)波の下落幅に対し38.2%-61.8%戻り

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・日足エリオット波動分析】
5931(7/11高値)を以て、22年10月からの(B)波による上昇は完了した可能性があります。
SOX指数は7月高値からの下げ率が10%を大きく超え、既に定義上の「調整局面」に入っています。
7月高値から直近安値4906(7/25)まで17.28%の下げとなりました。これは今年3月~4月の下げ率(17.82%)に並び、「弱気相場」入りの基準(20%超の下げ)に近づいています。
7月高値から足元安値までに、5波構成がみてとれます。これを第(i)波の下げとすれば、足元は第(ii)波によるリバウンドが展開中と思われます。
このリバウンドを経てSOX指数は、第(iii)波による急落局面を迎えることでしょう。第(iii)波により200日MA※が試されるでしょう。
※200日MA…4539(7/29)

[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。
【月足・エリオット波動分析】
161.938円(7/3)を以て、8年サイクル高値を付けた可能性が高い、とみています。
今年4月以降でドル/円は、長期上昇チャネルから大きく逸脱していましたが、このような「極端に上がり過ぎ」の状態は解消されました。8月からは、チャネル上限(154.000円)を下回る動きが定着すると思われます。
7月11日、政府・日銀は3兆5000億円程度のドル売り・円買い介入(今年3回目)を行なったと推定されています。
22年秋に2回行われた円買い介入(3回という見方も)が、当時どれだけ円安抑制に役立ったかを振り返ると、1回目(9/22)のときの効果は限定的でした。しかし、当時のドル/円高値(151円台後半)付近で行われた2回目の介入(10/21)効果は大きく、それは127円台までのドル/円下げを誘発したのでした。
当時と同じように、7月の円買い介入はドル/円下落トレンドの呼び水だった、と思われます。
名目実効円レートは7月3日に底打ちし、そこから強い円高方向への動きとなっています。これはつまり、円安から円高への基調転換は米ドル以外にも広がっていることを示すものです。

【週足・エリオット波動分析】
22年10月(151.899円)からのA(↘)-B(↗)-C(↘)編成において、23年1月(127.158円)からはB波に位置付けられ、それは151.899円を超えて不規則天井(イレギュラー・トップ)を形成しています。
B波は161.938円(7/3)を以て完成したと思われます。それはB波の目標値[161.350円]を満たすものでした。この見方が正しければ、足元はC波(ドル安・円高)の序盤に当たります。
C波の長さについては、A波が有効な「ものさし」になります。
A波の長さは24.741円(およそ25円)でしたから、C波の長さも同様と考えると、137円辺りがC波のターゲットになります。

【日足・エリオット波動分析】
4月に入ってからの急激なドル/円上昇(152円⇒161円)は、日米実質金利差を反映しておらず、専ら投機によってもたらされました。『円安バブル』は、本来あるべき水準へ修正されつつあります。
[日米実質金利差による推計値]…147.281円

筆者は、米長期金利の大幅な低下≒大幅な米ドル安を見込んでいます(実際そうなってきました)。
今後は日米実質金利差の縮小に沿って、ドル/円は150円を下回っていくでしょう。
注目の中銀イベントを目前に控え、足元ドル/円は小動きとなっています。目先的には100日MAを一時的に上抜く可能性もありとしますが、メイントレンドはドル安・円高とみられ、遠からず200日MA(※)を下抜く展開となるでしょう。
※200日MA・・・151.610円(7/30)
200日MAをも下抜くと150円攻防戦になりそうですが、フィボナッチ比率から得られる次の下値メドは148.652円です。
[148.652円]…23年1月から今年7月までのドル/円上昇に対する38.2%押し水準

【時間足・エリオット波動分析】
7月25日には一時151.938円と、5月3日に付けた151.844円に並びました。
200日MAが意識される局面でもあり、目先的にはリバウンドがありそうです。
7月3日からはちょうど10円幅のドル安・円高となっており、フィボナッチ比率からは3.8円~6.2円の揺り戻しが起きることになります。
このリバウンド後には、次のドル安・円高局面が想定され、それにより150円の節目はブレイクされるでしょう。

[ドルインデックス(ドル指数)]

【週足・エリオット波動分析】
22年9月高値(114.778)以来、ドルインデックスはA(↘)-B(↗)-C(↘)編成による下落基調にあります。
23年7月安値(99.578)を起点とするB波は、トライアングル(ⓐ-ⓑ-ⓒ-ⓓ-ⓔ)を形成中です。
足元はⓔ波のドル高局面とみられます。この見方通りなら、まもなくB波は完成し、その後に到来するC波によって、ドル指数は23年安値(99.578)を大きく下回るでしょう。
派生的な見方として、「トライアングルは105.915(6/21)を以て既に完成しており、そこからはC波によるドル安が始まっている」というものがあります。
いずれにしても、今後の大幅なドル安が想定されます。
ただし106.517(4/16)を上抜く動きとなったときは、短期的なドル安見通しはいったん撤回され、別のオプションが必要になります。

エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
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