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米ドル/円とクロス円が下落、本日ECB理事会開催

2024/07/18 09:10

【ポイント】
・河野デジタル相は円安是正のため日銀に利上げするよう求める
・トランプ前大統領は対円での米ドル高をけん制
・総裁会見でECB追加利下げのタイミングについてヒントが得られるか

(欧米市場レビュー)

17日、欧米時間の外為市場では、が堅調に推移。米ドル/円は一時156.051円へと下落し、6月12日以来およそ1カ月ぶりの安値を記録。ユーロ/円は170.667円、豪ドル/円は104.938円、NZドル/円は94.731円へと下落する場面がありました。河野デジタル相やトランプ前大統領の発言が円の支援材料となりました。

河野デジタル相はBloomberg TVのインタビューで、円は安過ぎであり問題だとの認識を示し、円安を是正するために日銀に利上げするよう求めました。トランプ前大統領は「われわれは大きな通貨問題を抱えている。対円と対人民元での米ドル高の程度は信じられないほどだ」と述べました。

本日18日の『ファンダメ・ポイント』は、[河野発言、英CPI、ベージュブック]です。

豪ドル/NZドルは一時1.10619NZドルへと下落しました。東京時間に発表されたNZの4-6月期CPI(消費者物価指数)で、総合指数は前年比3.3%と市場予想の3.4%を下回りました。ただ、CPI非貿易財は前年比5.4%とRBNZの5月時点の見通しである5.3%を上振れており、それが豪ドル/NZドルへの下押し圧力となりました。

(本日の相場見通し)

上述の通り、17日の欧米時間はトランプ前大統領や河野デジタル相の発言によってが堅調に推移しました。本日は引き続き両名の発言が市場で意識されて、米ドル/円やクロス円は下値を試す展開になる可能性があります。

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本日は、ECB(欧州中銀)理事会が開かれます。理事会の結果は日本時間21時15分に発表され、21時45分からラガルドECB総裁が会見します。

政策金利は据え置かれるとみられ、その通りの結果になればラガルド総裁の会見が材料になりそうです。

ラガルド総裁の会見では、ECBの追加利下げのタイミングについてのヒントが得られるかどうかに注目です。市場では、ECBは9月12日の理事会で追加利下げを行うとの観測があります(8月は理事会なし)。追加利下げを急がない姿勢が改めて示されるなど、ラガルド総裁の会見が市場の9月利下げ観測を後退させる内容になれば、ユーロが堅調に推移しそう。逆に会見で9月の利下げが示唆されれば、ユーロには下押し圧力が加わると考えられます。

※ユーロ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/円、ラガルドECB総裁会見が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

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SARB(南アフリカ中銀)が政策会合を開きます。会合の結果は日本時間22時過ぎに発表されます。

SARBは前回5月の会合まで6回連続で政策金利を8.25%に据え置きました。政策金利は今回も据え置かれるとみられます。

市場では、SARBは9月に利下げを行うとの観測があります(8月は会合なし)。クガニャゴSARB総裁の会見が市場の利下げ観測を強める内容になれば、南アフリカランドが軟調に推移しそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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