河野発言、英CPI、ベージュブック
2024/07/18 08:10
【ポイント】
・河野デジタル相の発言を受けて、米ドル/円は下落
・英CPIは強めでBOEの利下げ観測はやや後退
・ベージュブックは米景気の減速やインフレの鈍化を示唆
米ドル/円は17日の欧米市場で大きく下落し、一時156.051円をつけました。河野デジタル相がBloomberg TVのインタビュー(英語)で、円高が望ましいとして日銀に利上げを求めたことが材料視されました。
11日には本邦当局が為替介入を実施したことが確実視され、12日にも為替介入の可能性がありますが、17日は欧州時間が始まるころから米ドル/円はジリジリと値を下げており、為替介入はなかったかもしれません。ただ、11日以降の為替介入が「円高」方向への相場の地合いを醸成したのかもしれません。

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英国の6月CPI(消費者物価指数)は、総合が前年比2.0%、エネルギー・食料・酒・タバコを除くコアが3.5%、サービスが5.7%と、いずれも前月と同じで、市場予想を0.1ポイント上回りました。BOE(英中銀)の8月1日のMPC(金融政策委員会)では利下げの可能性がほぼ五分五分とみられていましたが、CPIを受けて利下げ観測がやや後退し、英ポンドをやや押し上げました。

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米ベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、経済活動は過半数の地区でゆるやかな拡大を維持しました。ただし、(12地区のうち)7地区で拡大が報告された一方で、5地区では横ばいか、活動の低下が指摘されました。前回は「横ばい」が2地区でした。
個人消費は、ほとんどの地区で「ほぼ変わらず」でした。自動車販売はマチマチ、販売網へのサイバー攻撃や高金利が販売軟調の理由と指摘されました。旅行や観光は夏場に堅調で、例年通りでした。
製造業活動は地区による差異が大きく、落ち込んでいる地区もあれば、緩やかに拡大している地区もありました。今後半年について、秋の選挙、国内政策、地政学リスク、インフレなどの不透明感を原因として企業は減速を予想しました。
雇用はわずかに増加。ほとんどの地区で雇用は横ばいか、ごくわずかに増加し、数地区で緩やかに増加しました。いくつかの地区では、新規受注の伸びが鈍化し、製造業の雇用が減少しました。
賃金はほとんどの地区でわずかに増加したものの、数地区では労働力の需給が緩和して賃金の伸びが鈍化しました。
物価はわずかに上昇しました。2地区ではほぼ横ばいでした。小売業者による値引きや消費者の防衛的な行動が報告されました。投入コストはほとんどの地区で落ち着き始めましたが、アトランタ地区では銅や電機機材の価格上昇が報告されました。
・河野デジタル相の発言を受けて、米ドル/円は下落
・英CPIは強めでBOEの利下げ観測はやや後退
・ベージュブックは米景気の減速やインフレの鈍化を示唆
米ドル/円は17日の欧米市場で大きく下落し、一時156.051円をつけました。河野デジタル相がBloomberg TVのインタビュー(英語)で、円高が望ましいとして日銀に利上げを求めたことが材料視されました。
11日には本邦当局が為替介入を実施したことが確実視され、12日にも為替介入の可能性がありますが、17日は欧州時間が始まるころから米ドル/円はジリジリと値を下げており、為替介入はなかったかもしれません。ただ、11日以降の為替介入が「円高」方向への相場の地合いを醸成したのかもしれません。

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英国の6月CPI(消費者物価指数)は、総合が前年比2.0%、エネルギー・食料・酒・タバコを除くコアが3.5%、サービスが5.7%と、いずれも前月と同じで、市場予想を0.1ポイント上回りました。BOE(英中銀)の8月1日のMPC(金融政策委員会)では利下げの可能性がほぼ五分五分とみられていましたが、CPIを受けて利下げ観測がやや後退し、英ポンドをやや押し上げました。

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米ベージュブック(地区連銀経済報告)によれば、経済活動は過半数の地区でゆるやかな拡大を維持しました。ただし、(12地区のうち)7地区で拡大が報告された一方で、5地区では横ばいか、活動の低下が指摘されました。前回は「横ばい」が2地区でした。
個人消費は、ほとんどの地区で「ほぼ変わらず」でした。自動車販売はマチマチ、販売網へのサイバー攻撃や高金利が販売軟調の理由と指摘されました。旅行や観光は夏場に堅調で、例年通りでした。
製造業活動は地区による差異が大きく、落ち込んでいる地区もあれば、緩やかに拡大している地区もありました。今後半年について、秋の選挙、国内政策、地政学リスク、インフレなどの不透明感を原因として企業は減速を予想しました。
雇用はわずかに増加。ほとんどの地区で雇用は横ばいか、ごくわずかに増加し、数地区で緩やかに増加しました。いくつかの地区では、新規受注の伸びが鈍化し、製造業の雇用が減少しました。
賃金はほとんどの地区でわずかに増加したものの、数地区では労働力の需給が緩和して賃金の伸びが鈍化しました。
物価はわずかに上昇しました。2地区ではほぼ横ばいでした。小売業者による値引きや消費者の防衛的な行動が報告されました。投入コストはほとんどの地区で落ち着き始めましたが、アトランタ地区では銅や電機機材の価格上昇が報告されました。
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