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米国とカナダの雇用統計に注目!

2024/07/05 09:08

【ポイント】
・雇用統計で市場のFRBBOC金融政策見通しが変化するか
・米ドル/円の上昇に弾みがつく場合に本邦当局は介入するか

(欧米市場レビュー)

4日、欧米時間の外為市場では、米ドルが軟調に推移。一時、米ドル/円は160.941円、米ドル/カナダドルは1.36069カナダドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.08087ドル、英ポンド/米ドルは1.27624ドル、豪ドル/米ドルは0.67267米ドルへと上昇しました。米国が独立記念日で参加者が減少して市場の流動性が低下するなか、3日に発表された米経済指標の弱い結果が引き続き米ドルの重石となりました。

(本日の相場見通し)

米国の6月雇用統計が本日発表されます(日本時間21:30)。その結果が材料になりそうです。

雇用統計の市場予想は、以下の通りです。( )は前回5月の実績です。
・非農業部門雇用者数(前月比):19.0万人増(27.2万人増)
・失業率:4.0%(4.0%)
・平均時給(前月比):0.3%(0.4%)
・平均時給(前年比):3.9%(4.1%)

今週発表された米国の経済指標は弱めの結果が目立っており、雇用統計も市場予想に比べて弱い結果になるかもしれません。その通りになれば、市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)は9月に利下げするとの見方が強まるとともに、米ドルが軟調に推移しそう。米ドル/円は下値を試し、ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは上値を試す展開になると考えられます。

雇用統計が市場予想に比べて強い結果になるなどして米ドル/円の上昇に弾みがつく場合、本邦当局が為替介入(米ドル売り・円買い介入)に踏み切るのかどうか注目です。

本日の『ファンダメ・ポイント』は[米景気に変調!? 雇用は大丈夫か]です。

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米国と同時刻にカナダの6月雇用統計が発表されます。その結果にカナダドルが反応する可能性があります。

カナダの雇用統計の市場予想は以下の通り。( )は前回5月の実績です。5月の失業率は22年1月以来の高水準でしたが、6月はわずかながらもさらに悪化すると予想されています。

・失業率:6.3%(6.2%)
・雇用者数(前月比):2.25万人増(2.67万人増)
・正規雇用の平均時給(前年比):なし(5.2%)

市場では、BOC(カナダ中銀)は次回7月24日の政策会合で利下げを行うとの観測があります。市場の金融政策見通しを反映するOIS(翌日物金利スワップ)によると、市場が織り込む次回会合の確率は、据え置きが6割弱、利下げが4割強です。

カナダの雇用統計が弱い結果になれば、BOCの利下げ観測が強まるとともに、カナダドル安材料になる可能性があります。

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英国では4日に総選挙が実施されました。投票は現地時間午後10時(日本時間5日午前6時)に締め切られ、地元メディアの出口調査に基づく予測によると、野党の労働党が圧勝して14年ぶりに政権が交代する可能性が高いようです。労働党の圧勝は事前に予想されていたためか、総選挙に対する市場の反応は今のところ限定的ですが、欧州時間に入ってから材料視される可能性もあります。

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フランスの議会選挙の決選投票が7日(日)に実施されます。その結果によっては、8日(月)に窓開け(週末終値と週初始値のレートに著しい差が生じること)が発生する可能性もあります。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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