英ポンド:BOE会合開催、政策金利は据え置きへ
2024/06/20 08:59
【ポイント】
・市場のBOE(英中銀)金融政策見通しが変化するか
(欧米市場レビュー)
19日、欧米時間の外為市場では、豪ドルが堅調に推移。豪ドル/円は一時105.452円へと上昇し、07年11月以来16年7カ月ぶりの高値を記録。豪ドル/米ドルは0.66717米ドル、豪ドル/NZドルは1.08784NZドルへと上昇する場面がありました。17-18日に開かれたRBA(豪中銀)の政策会合では、利上げすることも議論されました(結果は政策金利据え置き)。RBAの利下げ観測が市場で後退し、そのことが引き続き豪ドルの支援材料となりました。
※RBA会合について詳しくは、18日の『デイリーフラッシュ』[【PM】RBAは政策金利を据え置き、総裁会見で豪ドルが堅調]をご覧ください。
英ポンドも堅調。一時、英ポンド/円は201.058円、英ポンド/米ドルは1.27349ドルへと上昇し、ユーロ/英ポンドは0.84294ポンドへと下落しました。英国の5月CPI(消費者物価指数)は、総合とコアのいずれも市場予想通りの結果だったものの、CPIサービスが市場予想を上回ったことが、英ポンドの支援材料となりました。CPIサービスの結果は前年比5.7%、市場予想は5.5%でした。
※英CPIについては、本日20日の『ファンダメ・ポイント』[英CPIは2%目標到達、それでも英中銀は利下げに慎重!?]にて詳しく解説していますので、ご覧ください。
(本日の相場見通し)
本日は、BOE(英中銀)の政策会合が開かれます。会合の結果は、日本時間20時に発表されます。
BOEは23年8月に利上げを実施した後、前回24年5月の会合まで6回連続で政策金利を5.25%に据え置きました。政策金利は今回も据え置かれそうです。
その通りの結果になれば、BOEの声明や会合の議事要旨が材料になりそうです。議事要旨では、本日の会合における9人の政策メンバーの投票行動に特に注目です。前回5月会合の時は、7人が政策金利の据え置きを、2人が0.25%利下げすることを支持しました。
市場では、BOEは9月に利下げを行うとの見方が有力です(本日と8月の会合については、政策金利の据え置きを予想)。声明や議事要旨が市場の利下げ観測を後退させる内容になれば、英ポンドが堅調に推移しそう。英ポンド/米ドルは上昇し、一方でユーロ/英ポンドは下落すると考えられます。
※ユーロ/英ポンドのテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[ユーロ/英ポンド、英中銀会合が相場動意となるか]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。
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米国の6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や先週分の新規失業保険申請件数が発表されます(いずれも日本時間21:30)。
市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・フィラデルフィア連銀製造業景気指数:5.0(4.5)
・新規失業保険申請件数:23.5万件(24.2万件)
本日はまた、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が対話集会に参加し、バーキン・リッチモンド連銀総裁が講演する予定です。カシュカリ総裁らFOMC(米連邦公開市場委員会)参加者の発言も材料になる可能性があります。
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月のFOMCで利下げを行うとの見方が有力。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む利下げの確率は、次回7月30-31日のFOMCで8.3%、9月17-18日までで67%です(18日時点)。
新規失業保険申請件数など米経済指標の結果やFOMC参加者の発言によってFRBの利下げ観測が市場で後退する場合、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルには上昇圧力が、一方でユーロ/米ドルには下落圧力が加わる可能性があります。
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