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NY連銀製造業景気指数やFOMC参加者の発言が材料に!?

2024/06/17 08:56

【ポイント】
NY連銀製造業景気指数は市場予想からかい離する結果になるか
NY連銀総裁などは米金融政策について手掛かりを提供するか

(欧米市場レビュー)

14日、欧米時間の外為市場では、ユーロが軟調に推移。一時、ユーロ/円は167.467円、ユーロ/米ドルは1.06661ドルへと下落しました。フランスでは下院選が実施されます(6月30日に第1回投票、7月7日に決選投票)。フランス政治の先行き不透明感が引き続きユーロの重石となりました。

※フランスなど欧州の政治情勢について詳しくは、14日の『ファンダメ・ポイント』[マクロン大統領の思惑、スナク首相の思惑]をご覧ください。

日銀は金融政策決定会合を開き、政策金利を0~0.10%に据え置く一方で、国債買入れについては減額する方針を決定。次回の金融政策決定会合(7月30-31日)までは3月に決定した方針(月額6兆円程度)に沿って国債買入れを実施し、次回会合で今後1~2年程度の具体的な減額計画を決定するとしました。

日銀会合の結果発表後は円安が進んで、米ドル/円は158.240円、ユーロ/円は169.737円、豪ドル/円は104.735円へと上昇する場面がありました。国債買入れの具体的な減額計画の決定が7月の会合へと持ち越されたためと考えられます。

植田日銀総裁は会合後の会見で、国債買入れの減額について「相応の規模になる」、「次回の決定会合で具体的な計画を決定し、速やかに減額を行う」と述べました。また、7月会合で利上げを行う可能性については「その時点までの経済・物価情勢に関するデータや情報次第で当然あり得る」との認識を示しました。植田総裁の会見後は円が反発して、米ドル/円やクロス円は上げ幅を縮小しました。

(本日の相場見通し)

米国の6月NY連銀製造業景気指数が本日発表されます(日本時間21:30)。NY連銀製造業景気指数の市場予想はマイナス10.5と、5月のマイナス15.6から改善するものの、業況判断の分かれ目であるゼロを引き続き下回るとみられています。市場予想よりも強い結果になれば、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方で豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルは下値を試す展開になりそうです。

ウィリアムズNY連銀総裁やハーカー・フィラデルフィア連銀総裁など、FOMC(米連邦公開市場委員会)参加者の発言機会があります。市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月のFOMCで利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込むFRBの利下げの確率は、次回7月30-31日のFOMCで12.4%、9月までで70%程度です(14日時点)。ウィリアムズ総裁やハーカー総裁がFRBの金融政策の先行きについて新たな手掛かりを提供するかどうかに注目です。FRBの利下げ観測が後退する場合、米ドルにとってプラスになりそうです。

中国の5月小売売上高や5月鉱工業生産、5月固定資産投資が発表されます(いずれも日本時間11:00)。市場予想は、小売売上高が前年比3.0%、鉱工業生産が同6.0%、固定資産投資が同4.2%です。市場予想からかい離する結果になれば、材料になる可能性があります。おおむね市場予想よりも弱い結果になれば、中国の景気減速が市場で意識されるとともに、豪ドルやNZドルの上値を抑える要因になるかもしれません。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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