FOMC参加者の発言や株価動向が材料になりそう
2024/05/20 09:02
【ポイント】
・市場の米金融政策見通しが変化するか
・主要国の株価動向にも注目、リスクオンが強まるか
(欧米市場レビュー)
17日、欧米時間の外為市場では、円が軟調に推移。一時、米ドル/円は155.944円、ユーロ/円は169.263円、豪ドル/円は104.239円、NZドル/円は95.549円へと上昇。NZドル/円は、07年7月以来およそ17年ぶりの高値をつけました。NYダウが堅調に推移するなかでリスクオン(リスク選好)の動きが強まったことが、円の重石となりました。米ドル/円に関しては、ボウマンFRB(米連邦準備制度理事会)理事のタカ派的な発言も上昇要因となりました。
ボウマン理事は講演で、「昨年はインフレの鈍化にかなりの進展がみられたが、今年はさらなる進展がまだみられていない」と述べ、「インフレはしばらく高止まりするだろう」と指摘。政策金利の変更には引き続き慎重だとしつつも、「インフレ(鈍化)の進展が停滞あるいは反転したことがデータで示されれば、将来の会合で利上げすることをいとわない」と述べました。
(本日の相場見通し)
本日は、日本や米国・ユーロ圏などの主要な経済指標の発表はありません。
先週金曜日(17日)に引き続き、FOMC(米連邦公開市場委員会)参加者の発言が材料になる可能性があります。本日は、FRBのジェファーソン副議長とバー副議長(銀行監督担当)、ウォラー理事、ボスティック・アトランタ連銀総裁などの発言機会があります。
ジェファーソン副議長は5月13日に「インフレ率が目標に向かって鈍化しているという明確な証拠が出てくるまでは、政策金利を(景気)抑制的な水準に維持することが適切だ」と述べました。ボスティック総裁は5月16日に「年末にかけて利下げを行うのが適切となる可能性がある」との認識を示しました。
市場では、FRBは9月と12月のFOMCで利下げを行うとの見方が有力です。ジェファーソン副議長らの発言によって市場の利下げ観測が後退する場合、米ドルが堅調に推移しそうです。米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルは下値を試す可能性があります。
主要国の株価動向にも注目です。17日の米株式市場でダウは、前日比134.21ドル高(0.34%)の40,003.59ドルで取引を終了。終値で史上初めて4万ドルを超えました。米国など主要国の株価が堅調に推移すれば、リスクオン(リスク選好)の動きが一段と強まるとともに、円が軟調に推移する可能性があります。米ドル/円やユーロ/円などのクロス円は、上値を試す展開になるかもしれません。
※ダウなどの株価指数については、本日の『ファンダメ・ポイント』[【株価指数】NYダウは4万ドル超を達成]をご覧ください。
※メキシコペソ/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[メキシコペソ/円、08年10月以来となる高値を示現!もう一段の上値追いとなるか]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
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