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FRBとECB当局者の発言に市場が反応!?

2024/05/17 08:55

【ポイント】
FRB理事の講演で市場の米金融政策見通しが変化するか
ECB理事会メンバーは利下げペースに関する手掛かりを提供するか

(欧米市場レビュー)

16日、欧米時間の外為市場では、米ドルが強含み。一時、米ドル/円は155.487円、米ドル/カナダドルは1.36365カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.08490ドル、英ポンド/米ドルは1.26419ドルへと下落しました。米国の4月輸入物価指数が前月比0.9%と、市場予想の0.3%を上回ったことや、ウィリアムズNY連銀総裁が利下げに慎重な姿勢を示したことが、米ドルの支援材料となりました。

ウィリアムズ総裁はインタビューで、米国の4月CPI(消費者物価指数)の結果について「前向きな展開だ」と評価しました。「インフレ鈍化の全体的な傾向はかなり良好だ」としつつも、「インフレ率が2%の目標に向かって持続的に鈍化すると確信するにはまだ不十分」と指摘。現時点で利下げを行う必要はないとの認識を示しました。

(本日の相場見通し)

市場のメインテーマは引き続き各中銀の金融政策と考えられます。各中銀当局者の発言や経済指標に注目する必要がありそうです。

本日は、ウォラーFRB(米連邦準備制度理事会)理事デイリー・サンフランシスコ連銀総裁が講演します。その内容が材料になる可能性があります。

市場では、FRBは9月と12月のFOMCで利下げを行うとの見方が有力です。講演がFRBの利下げ観測を後退させるような内容になれば、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは下値を試す展開になりそうです。

ECB(欧州中銀)理事会メンバーの発言機会もあります。デギンドスECB副総裁やホルツマン・オーストリア中銀総裁、カザークス・ラトビア中銀総裁、ブイチッチ・クロアチア中銀総裁、バスレ・スロベニア中銀総裁が講演する予定です。

市場は次回6月6日のECB理事会での利下げをほぼ織り込んでおり、関心は7月以降の利下げペースがどうなるのか?に移りつつあります。講演でECBの利下げペースについての手掛かりが提供されれば、ユーロが反応しそうです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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