米CPIはやや弱め、22年11月と同じ“ショック”となるか
2024/05/16 07:16
【ポイント】
・4月CPIは市場予想とほぼ同じながら、市場は「弱め」と判断
・米長期金利が「びっくりするほど」大幅に低下
・市場は年内2回の利下げをほぼ100%織り込み
・22年11月の“CPIショック”と同様に米ドル/円の下落を後押しするか
米国の4月CPI(消費者物価指数)はやや弱め。1-3月がそれぞれ予想比で上振れしたのに対して、今回はほぼ予想通り、一部弱めでした。4月小売売上高や5月NY連銀製造業景況指数も弱かったこともあり、米長期金利が大きく低下し、米ドル/円は一時154.681円をつけました。

22年11月に発表された10月CPIは弱めで長期金利が大幅に低下し、米ドル/円の下落を後押ししました。いわゆる「CPIショック」。今回も同様に、CPIがびっくりするほど弱かったのではなく、弱めのCPIを受けて長期金利がびっくりするほど低下しました。22年11月と今回に共通するのは、本邦当局による為替介入後の初めてのCPI発表だという点(22年9月は除く)。今回も米ドル/円が下落トレンドとなるのか、たいへん興味深いところです。

OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は年内2回の利下げ(9月と12月)をほぼ100%織り込みました。
*******
4月CPIは総合が前年比3.4%と、市場予想と同じで前月(3.5%)から伸びが鈍化しました。食料とエネルギーを除くコアは前年比3.6%と市場予想と同じで、やはり前月(3.8%)を下回りました。CPIの前月比が市場予想の0.4%に対して0.3%だったことも「弱め」と判断されたようです。

CPIコアは3カ月前比年率でみれば、昨年8月の2.6%を底にジリジリと伸びが高まっていましたが、4月は加速が一服。一方、6カ月前比年率では、昨年11月の3.1%から伸びが高まっています。3カ月前比年率や6カ月前比年率は月々のブレが大きいとはいえ、トレンドの変化を早めに捉えることもできます(その分ダマシが多くなりますが)。

労働コストを強く反映するとしてFRBが注目しているコアサービス(住居費を除く)は、Bloombergの計算によれば前年比5.05%と前月の5.02%からわずかに加速し、昨年4月以来の高い伸び。昨年9月の3.7%をボトムに伸びが高まっています。
・4月CPIは市場予想とほぼ同じながら、市場は「弱め」と判断
・米長期金利が「びっくりするほど」大幅に低下
・市場は年内2回の利下げをほぼ100%織り込み
・22年11月の“CPIショック”と同様に米ドル/円の下落を後押しするか
米国の4月CPI(消費者物価指数)はやや弱め。1-3月がそれぞれ予想比で上振れしたのに対して、今回はほぼ予想通り、一部弱めでした。4月小売売上高や5月NY連銀製造業景況指数も弱かったこともあり、米長期金利が大きく低下し、米ドル/円は一時154.681円をつけました。

22年11月に発表された10月CPIは弱めで長期金利が大幅に低下し、米ドル/円の下落を後押ししました。いわゆる「CPIショック」。今回も同様に、CPIがびっくりするほど弱かったのではなく、弱めのCPIを受けて長期金利がびっくりするほど低下しました。22年11月と今回に共通するのは、本邦当局による為替介入後の初めてのCPI発表だという点(22年9月は除く)。今回も米ドル/円が下落トレンドとなるのか、たいへん興味深いところです。

OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は年内2回の利下げ(9月と12月)をほぼ100%織り込みました。
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4月CPIは総合が前年比3.4%と、市場予想と同じで前月(3.5%)から伸びが鈍化しました。食料とエネルギーを除くコアは前年比3.6%と市場予想と同じで、やはり前月(3.8%)を下回りました。CPIの前月比が市場予想の0.4%に対して0.3%だったことも「弱め」と判断されたようです。

CPIコアは3カ月前比年率でみれば、昨年8月の2.6%を底にジリジリと伸びが高まっていましたが、4月は加速が一服。一方、6カ月前比年率では、昨年11月の3.1%から伸びが高まっています。3カ月前比年率や6カ月前比年率は月々のブレが大きいとはいえ、トレンドの変化を早めに捉えることもできます(その分ダマシが多くなりますが)。

労働コストを強く反映するとしてFRBが注目しているコアサービス(住居費を除く)は、Bloombergの計算によれば前年比5.05%と前月の5.02%からわずかに加速し、昨年4月以来の高い伸び。昨年9月の3.7%をボトムに伸びが高まっています。

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