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米CPIの前哨戦、PPIはやや強めながら・・・・

2024/05/15 07:46

【ポイント】
・米国の4月PPIは上振れしたものの、PCE関連は落ち着き
・川上からのインフレ圧力は低下していない⁉
・パウエル議長は高金利長期化の見通しを再確認

米国の4月PPI(生産者物価指数)はやや強めの結果でした。長期金利(10年物国債利回り)はPPI発表直後に4.53%まで上昇しましたが、すぐに発表前を下回る4.44%まで低下しました。PPIの項目のうちPCE(個人消費支出)デフレーターに関連する項目が比較的落ち着いていたことに反応したようです。

パウエルFRB議長はオランダでのイベントで、利下げ実施のための確信を得るまでには従来の想定より長い期間が必要になる可能性が高いとの認識を改めて示しました。とりわけ、今年1-3月期にインフレ目標に向けた進展を著しく欠いたと指摘しました。

本日15日に発表される4月CPI(消費者物価指数)が1-3月同様にインフレ鈍化の遅れを示唆するのか、それともインフレ目標への接近を示すのか。また、市場がどう反応するか、引き続き要注目でしょう。

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4月PPIは最終需要が前年比2.2%と、3月の1.8%(当初発表2.1%)から加速。食料とエネルギーを除くコアが同2.4%と同じく3月(2.1%、当初発表2.4%)から伸びが高まりました。ただ、PCEデフレーターの算出に利用される医療費や航空運賃は低下したようです。

物価の流れを、<企業の仕入価格⇒企業の販売価格(PPI)⇒消費者の購入価格(CPI)>と追いかけると、川上の方からインフレ鈍化に歯止めがかかってきたようにみえます。CPIは3月までは前年比の伸びが低下してきましたが、そのペースは徐々に鈍っています。4月はどうなるでしょうか。

川上からのインフレ動向
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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