日銀は国債買入れを減額、「円安」対策も!?
2024/05/14 08:12
【ポイント】
・日銀は正式決定(?)の前に国債買入れを減額
・金融政策正常化の一環であり、「円安」対策の意味合いも?
・日米長期金利差で正当化しにくい「円安」に対して介入はあるか
日銀は13日、国債買入れを減額しました。4月25-26日の金融政策決定会合で減額について議論されましたが、正式決定はまだ。それでも、同会合の「主な意見」では、正式決定の前にも段階的に減額を進めるとの意見もあった模様です。6月会合では正式に発表される可能性が高そうです。
国債買入れ減額は、金融政策正常化の一環と位置付けられます。ただ、足もとの「円安」対策という意味合いもありそうです。ある程度の長期金利(10年物国債利回り)の上昇を容認すれば、「円安」にもブレーキがかかるとの思惑でしょう。
長期金利は13日に一時0.951%まで上昇しました。これは昨年11月1日に0.974%をつけて以来の水準です。当時は、10月31日の金融政策決定会合で、長期金利1.0%を「許容範囲上限」から「上限のめど」に柔軟化した直後でした。今年3月19日の同会合ではYCC(イールドカーブ・コントロール=長短金利操作)が廃止され、長期金利の上限に関する決めもなくなりました。ただ、「これまでと同程度の買入れを継続」とし、「長期金利が急激に上昇する場合には、機動的に買入れの増額などで対応」とのこと。
長期金利が1.0%を超えて上昇するケースで、日銀がそれをどこまで容認するか、注目でしょう。

「円安」対応か
日本の長期金利がジリジリと上昇するなかで、米長期金利は弱めの雇用統計などを受けて低下しており、日米長期金利差は縮小しています。日米長期金利差を用いた推計式(※)に基づくと、13日時点の米ドル/円の推計値は150.744円。実勢値はこれを6円近く上回っており、かい離は推計期間にほぼ重なる今年1月以降では最大です。
※推計式:(米ドル/円)=85.15+18.38*(日米長期金利差)
推計期間:24年1月3日~4月30日 決定係数R2=0.76


イエレン米財務長官は13日のBloombergのインタビューで、「極端なボラティリティを抑える以外の目的で為替レートに手を加えないことでG7は合意している」と述べました。長期金利差というファンダメンタルズ(の1つ)を反映していないという理由で、本邦当局は為替介入に踏み切ることができるでしょうか。
・日銀は正式決定(?)の前に国債買入れを減額
・金融政策正常化の一環であり、「円安」対策の意味合いも?
・日米長期金利差で正当化しにくい「円安」に対して介入はあるか
日銀は13日、国債買入れを減額しました。4月25-26日の金融政策決定会合で減額について議論されましたが、正式決定はまだ。それでも、同会合の「主な意見」では、正式決定の前にも段階的に減額を進めるとの意見もあった模様です。6月会合では正式に発表される可能性が高そうです。
国債買入れ減額は、金融政策正常化の一環と位置付けられます。ただ、足もとの「円安」対策という意味合いもありそうです。ある程度の長期金利(10年物国債利回り)の上昇を容認すれば、「円安」にもブレーキがかかるとの思惑でしょう。
長期金利は13日に一時0.951%まで上昇しました。これは昨年11月1日に0.974%をつけて以来の水準です。当時は、10月31日の金融政策決定会合で、長期金利1.0%を「許容範囲上限」から「上限のめど」に柔軟化した直後でした。今年3月19日の同会合ではYCC(イールドカーブ・コントロール=長短金利操作)が廃止され、長期金利の上限に関する決めもなくなりました。ただ、「これまでと同程度の買入れを継続」とし、「長期金利が急激に上昇する場合には、機動的に買入れの増額などで対応」とのこと。
長期金利が1.0%を超えて上昇するケースで、日銀がそれをどこまで容認するか、注目でしょう。

「円安」対応か
日本の長期金利がジリジリと上昇するなかで、米長期金利は弱めの雇用統計などを受けて低下しており、日米長期金利差は縮小しています。日米長期金利差を用いた推計式(※)に基づくと、13日時点の米ドル/円の推計値は150.744円。実勢値はこれを6円近く上回っており、かい離は推計期間にほぼ重なる今年1月以降では最大です。
※推計式:(米ドル/円)=85.15+18.38*(日米長期金利差)
推計期間:24年1月3日~4月30日 決定係数R2=0.76


イエレン米財務長官は13日のBloombergのインタビューで、「極端なボラティリティを抑える以外の目的で為替レートに手を加えないことでG7は合意している」と述べました。長期金利差というファンダメンタルズ(の1つ)を反映していないという理由で、本邦当局は為替介入に踏み切ることができるでしょうか。
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