利下げ開始は、ECBが6月、BOEが8月、FRBが9月!?
2024/04/17 07:46
【ポイント】
・FRB、ECB、BOEのトップが金融政策に関して発言
・市場が織り込む利下げ開始時期は、ECBが6月、BOEが8月、FRBが9月に
15日、FRB、ECB、BOE(英中銀)のトップが相次いで発言。パウエルFRB議長は利下げ開始の後ろズレを示唆。ラガルドECB総裁は6月利下げに向けた地ならしを継続。ベイリーBOE総裁は利下げがFRBより先になる可能性を指摘しました。
欧米の長期金利が全般に上昇。米ドルは対ユーロや対英ポンドで上昇。ユーロ/英ポンドはほぼ横ばいでした。
*******

パウエル議長は、ワシントンでカナダ中銀総裁とのパネル討論会に参加。「最近の(インフレ等の)データがわれわれの確信を深めるものでないことは明らか」、「景気抑制的な金融政策が作用する時間をさらに与えるのが適切となるだろう」などと述べました。
パウエル議長の発言を受けて市場の利下げ観測は後退。16日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む7月FOMCでの利下げ確率は5割を下回りました。市場のメインシナリオは9月利下げ開始で、12月に追加利下げの確率が6割程度となりました。
ラガルド総裁は米メディアのインタビューで、インフレ率は25年半ばまでに持続的に2%へ低下するとの見通しを示しました。そのうえで、「大きな衝撃が起きなければ、金融政策を緩和しなければならない時に向かいつつある」と述べ、「短期間でそれが実現する可能性が高い」と付け加えました。
ラガルド総裁は、地政学的リスクへの警戒を維持し、「金融政策に事前にコミットしない」と述べたものの、6月利下げへ向けて準備しつつあるようです。OISに基づけば、市場は6月利下げを9割近い確率で織り込んでいます。
ベイリー総裁はIMF・世銀総会で発言。米国と英国のインフレ状況が異なりつつあるとし、BOEがFRBより先に利下げする可能性に言及しました。ベイリー総裁は、米国にはディマンドプル型のインフレ圧力が強い一方で、英国のインフレ圧力が後退している強い証拠があると述べました。
OISに基づけば、市場が織り込むBOEの8月利下げ確率は8割弱。OISが示す通りになれば、BOEの利下げ開始は8月1日、FRBの利下げ開始は7月31日ではなく、9月18日です。
今後の経済・物価動向によって、各国中銀の金融政策見通しがどう変化するか、引き続き要注目でしょう。
・FRB、ECB、BOEのトップが金融政策に関して発言
・市場が織り込む利下げ開始時期は、ECBが6月、BOEが8月、FRBが9月に
15日、FRB、ECB、BOE(英中銀)のトップが相次いで発言。パウエルFRB議長は利下げ開始の後ろズレを示唆。ラガルドECB総裁は6月利下げに向けた地ならしを継続。ベイリーBOE総裁は利下げがFRBより先になる可能性を指摘しました。
欧米の長期金利が全般に上昇。米ドルは対ユーロや対英ポンドで上昇。ユーロ/英ポンドはほぼ横ばいでした。
*******

パウエル議長は、ワシントンでカナダ中銀総裁とのパネル討論会に参加。「最近の(インフレ等の)データがわれわれの確信を深めるものでないことは明らか」、「景気抑制的な金融政策が作用する時間をさらに与えるのが適切となるだろう」などと述べました。
パウエル議長の発言を受けて市場の利下げ観測は後退。16日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む7月FOMCでの利下げ確率は5割を下回りました。市場のメインシナリオは9月利下げ開始で、12月に追加利下げの確率が6割程度となりました。
ラガルド総裁は米メディアのインタビューで、インフレ率は25年半ばまでに持続的に2%へ低下するとの見通しを示しました。そのうえで、「大きな衝撃が起きなければ、金融政策を緩和しなければならない時に向かいつつある」と述べ、「短期間でそれが実現する可能性が高い」と付け加えました。
ラガルド総裁は、地政学的リスクへの警戒を維持し、「金融政策に事前にコミットしない」と述べたものの、6月利下げへ向けて準備しつつあるようです。OISに基づけば、市場は6月利下げを9割近い確率で織り込んでいます。
ベイリー総裁はIMF・世銀総会で発言。米国と英国のインフレ状況が異なりつつあるとし、BOEがFRBより先に利下げする可能性に言及しました。ベイリー総裁は、米国にはディマンドプル型のインフレ圧力が強い一方で、英国のインフレ圧力が後退している強い証拠があると述べました。
OISに基づけば、市場が織り込むBOEの8月利下げ確率は8割弱。OISが示す通りになれば、BOEの利下げ開始は8月1日、FRBの利下げ開始は7月31日ではなく、9月18日です。
今後の経済・物価動向によって、各国中銀の金融政策見通しがどう変化するか、引き続き要注目でしょう。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
- 相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。