米ISM製造業景況指数が材料になりそう
2024/04/01 08:54
【ポイント】
・米ISM製造業景況指数でFRBの利下げ観測が変化するか
・本邦当局による為替介入への警戒感が一段と強まるか
・イースターマンデーの祝日で流動性が低下、値動きの増幅には注意
(欧米市場レビュー)
3月29日の欧米時間の外為市場は、落ち着いた展開。米ドル/円やユーロ/円、豪ドル/円、ユーロ/米ドル、豪ドル/米ドルなどはおおむね28日のNY終値近辺で推移しました。ドイツや英国など多くの国がグッドフライデーの祝日のなか、外為市場では様子見ムードが漂いました。
米国の2月PCE(個人消費支出)デフレーターが発表され、市場予想通りの結果でした。
※米PCEデフレーターについては、3月30日の『ファンダメ・ポイント』[米PCE、懸念されるインフレ改善の遅れ!?]にて解説していますので、ご覧ください。
(本日の相場見通し)
米国の3月ISM製造業景況指数が本日発表されます(日本時間23:00)。ISM製造業景況指数の市場予想は48.4と、業況判断の分かれ目である50は引き続き下回るものの、2月の47.8から上昇するとみられています。
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによると、3月28日時点で市場が織り込む利下げの確率は次回4月30日-5月1日のFOMCで9%程度、6月11-12日までで60%程度です。
ISM製造業景況指数が市場予想を上回る結果になれば、利下げ観測が後退しそうです。その場合、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上値を試し、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルは下値を試す展開が考えられます。
鈴木財務相や神田財務官は先週、足もとの円安(米ドル/円の上昇)について「ファンダメンタルズに沿っていない」、「投機的な動き」、「行き過ぎた動きに対してはあらゆる手段を排除せず、適切に対応する」などと述べ、市場をけん制しました。鈴木財務相や神田財務官がけん制のトーンを強めれば、市場では本邦当局による為替介入(米ドル売り・円買い介入)への警戒感が一段と強まるとともに、米ドル/円は上値が重くなると考えられます。
本日は、英・ドイツ・豪州・NZ・南アフリカなどがイースターマンデーの祝日です。外為市場では通常よりも参加者が減少して流動性が低下するため、値動きが増幅される可能性があり、注意は必要です。
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