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米ドル/円が4カ月ぶり高値、FOMCでさらに上昇するか

2024/03/20 08:42

【ポイント】
・市場のFRBの金融政策見通しがどう変化するか
CPIBOEの利下げ観測が強まるか否か

(欧米市場レビュー)

19日の欧米時間の外為市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は150.945円、ユーロ/円は163.962円へと上昇し、いずれも23年11月16日以来およそ4カ月ぶりの高値をつけました。植田日銀総裁が金融政策決定会合後の会見で「当面は緩和的な金融環境が継続する」と述べたことが、円安圧力となりました。会合ではマイナス金利の解除などが決定されました。

※日銀金融政策決定会合の結果については、19日の『ファンダメ・ポイント』[【速報】日銀はマイナス金利を解除。金融政策正常化の第1歩!?]をご覧ください。

※植田総裁の会見について詳しくは、20日の『ファンダメ・ポイント』[植田日銀総裁のメッセージ:緩和的環境続く!?]をご覧ください。

(本日の相場見通し)

本日は、FOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。FOMCの結果は日本時間21日午前3時に発表され、午前3時30分からパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が会見します。

FRBは、前回1月30-31日のFOMCまで4会合連続で政策金利を5.25~5.50%に据え置きました。政策金利は今回も据え置かれそうです。

FOMCの声明参加者による政策金利予想(ドット・プロット)、パウエル議長の会見にも注目です。

市場では、FRBは6月11-12日のFOMCで利下げを行うとの見方が有力です。CMEのFedWatchツールによると、市場が織り込む利下げの確率は、本日が1%、4月30日-5月1日までで6%程度、6月11-12日までで60%程度です。

声明やドット・プロット、パウエル議長の会見を受けて、市場の金融政策見通しがどう変化するか。前回23年12月のドット・プロットは、24年中に3の利下げが予測中央値でした。利下げ観測が後退する場合、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下落しそう。米ドル/151.872(23/11/13高値)が上値メドです。

***

英国の2月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間16:00)。物価の動向はBOE(英中銀)の金融政策に影響を与えるため、CPIの結果に英ポンドが反応しそうです。

CPIの市場予想は、総合指数が前年比3.5%、変動の大きい食品・エネルギー・アルコール・たばこを除いたコア指数は同4.6%。上昇率はいずれも、1月の4.0%と5.1%から鈍化するとみられています。

市場では、BOEは6月か8月に利下げを行うとの観測があります(7月は政策会合なし)。CPIが市場予想を下回る結果になれば、6月の利下げ観測が強まる可能性があり、その場合には英ポンドが軟調に推移しそうです。ユーロ/英ポンドの上値メドとして、0.85730ポンド(2/20高値)が挙げられます。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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