エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※8月26日更新
2025/08/26 09:14
宮田レポート(短期アップデート) 250826_miyata.pdf
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YouTube エリオットView 8月25日[9月米利下げ?!米ドルとユーロの行方]
[日経平均]
【当面の想定レンジ】 39,500~45,000円
[NYダウ・S&P500]
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 37,500~45,800ドル
(S&P500) 5000~6550
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 20,000~24,000
(ナスダック総合) 18,000~22,000
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~151.000円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000
[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
今年4月安値(30,792.74円)からインターミディエイト級第(5)波の上昇にあり、この第(5)波完成を以て、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)からのプライマリー第➂波は完成します。
第(5)波目には、➀企業業績や景気などファンダメンタルズは以前より弱め、➁平均出来高は少ない、➂中小型株が選好されやすい、➃先行きへの極端な楽観論、などの特長があります。現在は➀~➂は揃っていますが、➃の状況にあるとはまだいえないでしょう。
極言すれば、懐疑論が強い楽観論に置き換わらない限り第(5)波の強気相場は続くと思われます。筆者は日経平均が9~10月に4万5000円~4万9000円を付けてもおかしくない、とみています。
個人投資家は逆張り姿勢を強め、その一方で海外投資家の積極的な買い姿勢が目立っています。
この4カ月間余り、信用買い残は約4.47兆円(4/4)から約3.78兆円(8/15)へ減少する一方、信用売り残は4641億円から1.1兆円へ増えています。このため信用倍率は3.41倍と23年6月以来の水準へ低下しました。また同じ期間、現物は約5兆円を売り越しています。
8月第2週(8/12-15)は現物先物で1.758兆円を買い越し、それが日経平均の史上最高値更新の原動力だったことがわかります。
ちなみに、この4カ月間の買い越し額は現物先物の合計で8兆円(現物は6.5兆円)に膨らみました。
昨年から最大の買い主体になった事業法人は、4月第1週から20週連続で買い越しています。この間の累計は4.92兆円に上り、相場をしっかり下支えしていることがわかります。


【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
8月18日に一時3130まで上昇しました。25日には一時3127と、終値ベースの最高値(3120)を上回る場面もあり、フィボナッチ比率からの目標価格➀[3164]に近づいています。それを抜くと、次は目標価格➁[3323]を目指すでしょう。
[日経平均]
短期の波動カウントにはいくつかのオプションがあります。
ひとつは、39,850円(8/4安値)からマイナー級・第5波による上昇が進行中というものです。これによれば、マイニュート級のマルii波[(拡大)フラット]は42,331円(8/22安値)で終わったか、終わりつつあり、まもなくマルiii波による上昇局面入りが想定されます。
あるいは、マイナー級・第5波が39,288円(7/14安値)から進行中とみることができます。足元は、第5波中マルiv波[フラット]が終わったか、終わりつつあるところです。ここからはマルv波の上昇によって最高値更新が期待されますが、それは強気相場の最終波となります。なお、この波動カウントではマルiv波が42,065円(7/24高値)と重なることはありません。
フィボナッチ比率などから得られる第5波の目標価格は以下の通りです。4万5000円処をクリアすると、次の大きな節目として4万9000円処に注目できます(ただし、そこまで上昇する必然性はありません)。[44,597円][45,230円][48,568円][48,896円][48,964円][49,074円]
[予想PER別の日経平均水準]
8月25日の日経平均予想PERは17.78倍・予想EPSは2407円。8月8日以来、11営業日連続でPER17倍台が続いています。

[NYダウ・S&P500]

【NYダウ日足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級第➄波による上昇です。今年4月安値からはインターミディエイト級第(5)波)に当たり、それを以て第➄波は終了します。
第➄波完了後に訪れる弱気相場は、控えめにみても高値から20%安となるでしょう。
(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「ランニング・トライアングル」におけるⓑ波とカウントされます。このシナリオであれば、近々訪れるとみられる下げ局面においても4月安値(36,611ドル)は維持され、しばらくのもみ合いの後に、新たな高値へ向かう展開があるでしょう。
8月22日には45,757ドルという最高値を付けましたが、それは4月からの上昇局面を、様々な波動ディグリーにおいて終わらせるかもしれません。短期動向を注視する必要がありそうです。

【S&P500日足 エリオット波動分析】
S&P500は1929年と2000年の高値を通る超長期レジスタンスラインに7月下旬に達し、足元まで同ライン付近で推移しています。前回の場合、S&P500は昨年12月初めに同ラインに到達し今年2月下旬まで3カ月近くレンジ相場を形成し、そこから4月底まで20%下げました。今回も同様なら、S&P500は10月頃まで今のような高値圏でのもみ合いが続いた後、急落が控えていることになります。
FactSetによれば、S&P500の(12カ月先)予想PERは22.1倍(8/8時点)。これは5年平均(19.9倍)より11.5%、10年平均(18.5倍)からは20%、各々「割高」な水準です。ひとたび調整入りとなれば、10%~20%の調整は普通に起きることでしょう。
【S&P500 長期エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からの上昇は、インターミディエイト級第5波に位置付けられ、それが終わると長期にわたる調整スタートとなります。それは4月安値を大きく下回ることが予想されます。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は、トライアングル中ⓑ波のリバウンドに位置付けられます。
近々ⓒ波の下げがスタートし、それはⓐ波(2月~4月)下げ幅に対し62%~66%の大きさ(813~866ポイント)になるでしょう。このⓒ波によりS&P500は、5400を下回る展開になりそうです。

[ダウ輸送株平均] (直近で最高値更新の)ダウ工業株平均と「未確認」が続く

[マグニフィセント7] 4月からの5波構成による上昇は完成したか?

[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当します。既に最高値を更新しており、第(5)波はいつ終わってもおかしくありません。遠からず調整局面が始まるとみられ、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。
(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中ⓑ波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずⓒ波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。それでもⓒ波の下げ幅はⓐ波のそれに対し62%~66%となり、ⓑ波の高値からは3500~3750ポイントの下げになるでしょう。

【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
4月安値16,542からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波、あるいは、第(4)波「トライアングル」中ⓑ波とみられます。
8月13日高値・23,969は、フィボナッチ比率からの上値想定レンジ[23,195-24,224]内にあります。当面(あるいは長期的な)の高値を付けたか、付けつつあると思われます。
22,959(8/20安値)を下回ると最初の弱気トリガーが発動します。この場合、ナスダック100の目先下値メドは22,673です。
[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。
➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀137.705円(9月)がサポートレベルとみられます。
もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから明確に下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試すと思われます。
➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は118.080円(9月)です。

【週足 エリオット波動分析】
161.938円(24/7/3)からC波によるドル安・円高トレンドが進行中です。このC波は(先ずは)三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。
今年1月からのドル安・円高を、第3波による下落とみることもできます。現時点でサブシナリオですが、これによれば、先々1ドル=120円試しが視野に入ります。第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。
4月下旬以降のドル/円上昇はⓒ波中マルii波に位置付けられ、それはまだ続いているとみています。
中長期でのドル安・円高基調に変わりはなく、ヘッド・アンド・ショルダーズの垂直目標値からは、いずれ1ドル=120円割れの可能性もみえています。

【日足 エリオット波動分析】
139.877円(4/22)からのドル/円上昇はマルii波によるリバウンドです。4月からの波形は複雑かつチョッピーなものであり、修正波としての特長をよく表しています。
筆者はマルii波が「トリプル・ジグザグ(w)-(x)-(y)-(x)-(z)」に発展するとみています。この見方が正しいなら、ドル/円は今後2~3カ月内に[151.586円](1月からの円高の61.8%戻り水準)や[154.353円](同76.4%戻り)などを試すでしょう。なお短期的には、200日MA(149.050円)をNY市場終値で上回るかが注目されます。
一方、今後145円処を明確に下抜くと、マルii波が既に終わった可能性を考慮する必要があるでしょう。
金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[141.244円]です。

投機筋の円買い持ち高は4週ぶりに拡大(2025年8月19日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の63.04億ドルから65.99億ドルへ4週ぶりに拡大しました。

[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】
年初から半年近く続いたドル安C波は96.377(7/1)で終わった可能性が高いでしょう。それは、22年高値からのジグザグ(A-B-C)の完成を意味するものです。
ただ筆者はⒷ波は短くとも2028年頃まで続くとみています。
この見方通りだとすると、足元始まったドル高は(X)波に位置付けることが適当です。Ⓑ波全体は「ダブル(トリプル)・ジグザグ」を描いていくでしょう。
ドル指数は、8月から11月まで強くなる季節性があります。ここからすると、今後の2~3カ月はドル高傾向が続くとみられ、当面101.977(C波レッサーディグリー・マルiv波頂点)を目指すでしょう。
一方、今後97.109(7/24)を下回ると上記見通しは撤回され、C波中マルv波によるドル安局面入り、と判断されます(※)。この場合は94.976を目指すでしょう。これは、A波とC波が等しく下がる水準のことです。
(※)YouTube エリオットView 8月25日「9月米利下げ?! 米ドルとユーロの行方]もご覧ください。
エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
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[日経平均]
【当面の想定レンジ】 39,500~45,000円
[NYダウ・S&P500]
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 37,500~45,800ドル
(S&P500) 5000~6550
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 20,000~24,000
(ナスダック総合) 18,000~22,000
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~151.000円
[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000
[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
今年4月安値(30,792.74円)からインターミディエイト級第(5)波の上昇にあり、この第(5)波完成を以て、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)からのプライマリー第➂波は完成します。
第(5)波目には、➀企業業績や景気などファンダメンタルズは以前より弱め、➁平均出来高は少ない、➂中小型株が選好されやすい、➃先行きへの極端な楽観論、などの特長があります。現在は➀~➂は揃っていますが、➃の状況にあるとはまだいえないでしょう。
極言すれば、懐疑論が強い楽観論に置き換わらない限り第(5)波の強気相場は続くと思われます。筆者は日経平均が9~10月に4万5000円~4万9000円を付けてもおかしくない、とみています。
個人投資家は逆張り姿勢を強め、その一方で海外投資家の積極的な買い姿勢が目立っています。
この4カ月間余り、信用買い残は約4.47兆円(4/4)から約3.78兆円(8/15)へ減少する一方、信用売り残は4641億円から1.1兆円へ増えています。このため信用倍率は3.41倍と23年6月以来の水準へ低下しました。また同じ期間、現物は約5兆円を売り越しています。
8月第2週(8/12-15)は現物先物で1.758兆円を買い越し、それが日経平均の史上最高値更新の原動力だったことがわかります。
ちなみに、この4カ月間の買い越し額は現物先物の合計で8兆円(現物は6.5兆円)に膨らみました。
昨年から最大の買い主体になった事業法人は、4月第1週から20週連続で買い越しています。この間の累計は4.92兆円に上り、相場をしっかり下支えしていることがわかります。


【日足・時間足 エリオット波動分析】
[TOPIX]
8月18日に一時3130まで上昇しました。25日には一時3127と、終値ベースの最高値(3120)を上回る場面もあり、フィボナッチ比率からの目標価格➀[3164]に近づいています。それを抜くと、次は目標価格➁[3323]を目指すでしょう。
[日経平均]
短期の波動カウントにはいくつかのオプションがあります。
ひとつは、39,850円(8/4安値)からマイナー級・第5波による上昇が進行中というものです。これによれば、マイニュート級のマルii波[(拡大)フラット]は42,331円(8/22安値)で終わったか、終わりつつあり、まもなくマルiii波による上昇局面入りが想定されます。
あるいは、マイナー級・第5波が39,288円(7/14安値)から進行中とみることができます。足元は、第5波中マルiv波[フラット]が終わったか、終わりつつあるところです。ここからはマルv波の上昇によって最高値更新が期待されますが、それは強気相場の最終波となります。なお、この波動カウントではマルiv波が42,065円(7/24高値)と重なることはありません。
フィボナッチ比率などから得られる第5波の目標価格は以下の通りです。4万5000円処をクリアすると、次の大きな節目として4万9000円処に注目できます(ただし、そこまで上昇する必然性はありません)。[44,597円][45,230円][48,568円][48,896円][48,964円][49,074円]
[予想PER別の日経平均水準]
8月25日の日経平均予想PERは17.78倍・予想EPSは2407円。8月8日以来、11営業日連続でPER17倍台が続いています。

[NYダウ・S&P500]

【NYダウ日足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級第➄波による上昇です。今年4月安値からはインターミディエイト級第(5)波)に当たり、それを以て第➄波は終了します。
第➄波完了後に訪れる弱気相場は、控えめにみても高値から20%安となるでしょう。
(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「ランニング・トライアングル」におけるⓑ波とカウントされます。このシナリオであれば、近々訪れるとみられる下げ局面においても4月安値(36,611ドル)は維持され、しばらくのもみ合いの後に、新たな高値へ向かう展開があるでしょう。
8月22日には45,757ドルという最高値を付けましたが、それは4月からの上昇局面を、様々な波動ディグリーにおいて終わらせるかもしれません。短期動向を注視する必要がありそうです。

【S&P500日足 エリオット波動分析】
S&P500は1929年と2000年の高値を通る超長期レジスタンスラインに7月下旬に達し、足元まで同ライン付近で推移しています。前回の場合、S&P500は昨年12月初めに同ラインに到達し今年2月下旬まで3カ月近くレンジ相場を形成し、そこから4月底まで20%下げました。今回も同様なら、S&P500は10月頃まで今のような高値圏でのもみ合いが続いた後、急落が控えていることになります。
FactSetによれば、S&P500の(12カ月先)予想PERは22.1倍(8/8時点)。これは5年平均(19.9倍)より11.5%、10年平均(18.5倍)からは20%、各々「割高」な水準です。ひとたび調整入りとなれば、10%~20%の調整は普通に起きることでしょう。
【S&P500 長期エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からの上昇は、インターミディエイト級第5波に位置付けられ、それが終わると長期にわたる調整スタートとなります。それは4月安値を大きく下回ることが予想されます。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は、トライアングル中ⓑ波のリバウンドに位置付けられます。
近々ⓒ波の下げがスタートし、それはⓐ波(2月~4月)下げ幅に対し62%~66%の大きさ(813~866ポイント)になるでしょう。このⓒ波によりS&P500は、5400を下回る展開になりそうです。

[ダウ輸送株平均] (直近で最高値更新の)ダウ工業株平均と「未確認」が続く

[マグニフィセント7] 4月からの5波構成による上昇は完成したか?

[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波の上昇に相当します。既に最高値を更新しており、第(5)波はいつ終わってもおかしくありません。遠からず調整局面が始まるとみられ、それは数年間ターム続く、長く大きなものになるでしょう。
(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中ⓑ波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずⓒ波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。それでもⓒ波の下げ幅はⓐ波のそれに対し62%~66%となり、ⓑ波の高値からは3500~3750ポイントの下げになるでしょう。

【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
4月安値16,542からの上昇は、インターミディエイト級第(5)波、あるいは、第(4)波「トライアングル」中ⓑ波とみられます。
8月13日高値・23,969は、フィボナッチ比率からの上値想定レンジ[23,195-24,224]内にあります。当面(あるいは長期的な)の高値を付けたか、付けつつあると思われます。
22,959(8/20安値)を下回ると最初の弱気トリガーが発動します。この場合、ナスダック100の目先下値メドは22,673です。
[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】
151.899円(22/10/21)からⓍ波「円高局面」が進行中です。このⓍ波により米ドル/円(ドル/円)は、2028年4月頃までレンジ相場を形成する、というのが基本シナリオ。24年7月の161.938円は、15年6月・125.860円から9年目に付けた「8年サイクル高値」とみられます。
22年10月以来のⓍ波が描くパターンとして大きくは、➀[ランニング・トライアングル]、➁[エクスパンディッド・フラット]、これら二通りの可能性があります。
➀の場合、現行C波はA波安値(127.158円)を下回りません。C波は三波で構成され、まずは2011年からの上昇チャネルのセンターライン➀137.705円(9月)がサポートレベルとみられます。
もっとも139円処を下抜くとヘッド・アンド・ショルダーズ型の天井パターンから明確に下放れ始め─上述したセンターラインで底入れせずに─フィボナッチ・サポートの[128.945円]を試すと思われます。
➁の場合は、現行C波(五波構成)はチャネル下限(➁)を目指すような、より大きなドル安・円高が見込まれます。➁の水準は118.080円(9月)です。

【週足 エリオット波動分析】
161.938円(24/7/3)からC波によるドル安・円高トレンドが進行中です。このC波は(先ずは)三波構成(ⓐ-ⓑ-ⓒ)が想定され、158.825円(1/10)からⓒ波によるドル安・円高が進行中とみられます。
今年1月からのドル安・円高を、第3波による下落とみることもできます。現時点でサブシナリオですが、これによれば、先々1ドル=120円試しが視野に入ります。第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。
4月下旬以降のドル/円上昇はⓒ波中マルii波に位置付けられ、それはまだ続いているとみています。
中長期でのドル安・円高基調に変わりはなく、ヘッド・アンド・ショルダーズの垂直目標値からは、いずれ1ドル=120円割れの可能性もみえています。

【日足 エリオット波動分析】
139.877円(4/22)からのドル/円上昇はマルii波によるリバウンドです。4月からの波形は複雑かつチョッピーなものであり、修正波としての特長をよく表しています。
筆者はマルii波が「トリプル・ジグザグ(w)-(x)-(y)-(x)-(z)」に発展するとみています。この見方が正しいなら、ドル/円は今後2~3カ月内に[151.586円](1月からの円高の61.8%戻り水準)や[154.353円](同76.4%戻り)などを試すでしょう。なお短期的には、200日MA(149.050円)をNY市場終値で上回るかが注目されます。
一方、今後145円処を明確に下抜くと、マルii波が既に終わった可能性を考慮する必要があるでしょう。
金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[141.244円]です。

投機筋の円買い持ち高は4週ぶりに拡大(2025年8月19日時点)
IMM通貨先物市場で投機筋(非商業部門)の円買い持ち高は、前週の63.04億ドルから65.99億ドルへ4週ぶりに拡大しました。

[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】
年初から半年近く続いたドル安C波は96.377(7/1)で終わった可能性が高いでしょう。それは、22年高値からのジグザグ(A-B-C)の完成を意味するものです。
ただ筆者はⒷ波は短くとも2028年頃まで続くとみています。
この見方通りだとすると、足元始まったドル高は(X)波に位置付けることが適当です。Ⓑ波全体は「ダブル(トリプル)・ジグザグ」を描いていくでしょう。
ドル指数は、8月から11月まで強くなる季節性があります。ここからすると、今後の2~3カ月はドル高傾向が続くとみられ、当面101.977(C波レッサーディグリー・マルiv波頂点)を目指すでしょう。
一方、今後97.109(7/24)を下回ると上記見通しは撤回され、C波中マルv波によるドル安局面入り、と判断されます(※)。この場合は94.976を目指すでしょう。これは、A波とC波が等しく下がる水準のことです。
(※)YouTube エリオットView 8月25日「9月米利下げ?! 米ドルとユーロの行方]もご覧ください。
エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。
- 当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。
- 当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。
- 当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。
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