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植田日銀総裁のメッセージ:緩和的環境続く!?

2024/03/20 06:49

日銀は19日の金融政策決定会合でマイナス金利の解除や長短金利操作(YCC)の廃止など、これまでの大規模金融緩和を修正しました。ただし、欧米と比べて引き続き金利差が「円安」をもたらしているとの状況に大きな変化はないようです。

記者会見での植田総裁のメッセージは以下の通り。

春闘の回答が最後のピース!?
賃金と物価の好循環が確認され、2%の物価目標が持続的・安定的に実現することが見通せるようになったため。

金利が大幅に上昇するとは考えていない
短期金利の上昇は0.1%程度にとどまる。長期金利が急激に上昇する場合は機動的に対応する。緩和的な金融環境が継続すると考えている。

今後の利上げ(の可能性)について
今後の主たる政策手段は短期金利になる。予想物価上昇率の観点では、2%にはまだ多少の距離があるので、緩和的な環境を維持することが大事になる。

米ドル/円の反応について
短期的な動きについてはコメントしないが、経済・物価見通しに大きな影響を及ぼすのであれば、金融政策としての対応を考える。

見通しの下振れリスク
世界経済の下振れリスクと国内では消費が思ったように回復してこないこと。

追加利上げに関して
4月に展望レポートに伴って新たな見通しを作成するので、その中で次の一手についても考察する。

リークについて
今回の政策変更に先立ってどういう考えで行うか様々な情報発信を行ってきて、ある程度役に立ったかなと思っている。

西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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