中国経済指標に豪ドルやNZドルが反応する可能性あり
2024/03/18 08:42
【ポイント】
・米国の長期金利(10年物国債利回り)は一段と上昇するか
・経済指標で中国景気の先行きへの懸念が強まるか
(欧米市場レビュー)
15日の欧米時間の外為市場では、米ドルが堅調に推移。一時、米ドル/円は149.141円、米ドル/カナダドルは1.35471カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.08725ドル、英ポンド/米ドルは1.27241ドル、豪ドル/米ドルは0.65512米ドルへと下落しました。米国の長期金利(10年物国債利回り)が上昇したことが、米ドルの支援材料となりました。
※本日18日の『ファンダメ・ポイント』は、[米長期金利は4.30%台に上昇、米ドル/円の支援材料に!?]です。
NZドルは軟調。豪ドル/NZドルは一時1.07824NZドルへと上昇し、1月30日以来の高値を記録。NZドル/円は90.347円、NZドル/米ドルは0.60797米ドルへと下落する場面がありました。ウィリスNZ財務相が講演で「今後数年間の(NZの)成長率は、従来の想定よりも大幅に鈍化する可能性がある」と述べたことが、NZドル安圧力となりました。23年12月時点の成長率見通しは、23/24年度(23年7月~24年6月)と24/25年度(24年7月~25年6月)のいずれも1.5%でした。NZ政府は3月27日に予算編成の方針を発表し、その中で成長率見通しが示されます。
(本日の相場見通し)
米国の長期金利(10年物国債利回り)は8日に一時4.03%へと低下したものの、その後は上昇に転じ、15日には一時4.32%へと上昇して2月下旬以来の高い水準をつけました。足もとの米長期金利上昇の主な要因として、米国の2月のCPI(消費者物価指数)やPPI(生産者物価指数)が市場予想を上回ったことでFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が後退したことが、挙げられます。
CMEのFedWatchツールによれば、15日時点で市場が織り込む利下げの確率は、次回3月19-20日のFOMC(米連邦公開市場委員会)が2%、4月30日-5月1日までで7%程度、6月11-12日までで60%程度。8日時点ではそれぞれ、4%、24%程度、73%程度でした。
米長期金利が一段と上昇すれば、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルには上昇圧力が、一方でユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには下落圧力が加わる可能性があります。
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中国の2月の小売売上高や鉱工業生産、固定資産投資が発表されます(いずれも日本時間11:00)。豪州やNZは中国が主力輸出先のため、それらの結果に豪ドルやNZドルが反応する可能性があります。
市場予想は以下の通り。( )は前回の実績です。
・小売売上高(前年比):5.2%(7.4%)
・鉱工業生産(前年比):5.0%(6.8%)
・固定資産投資(前年比):3.2%(3.0%)
小売売上高などが市場予想を下回る結果になれば、中国景気の先行きへの懸念が市場で強まる可能性があり、その場合には豪ドルやNZドルの上値を抑える要因になりそうです。
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