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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※3月5日更新

2024/03/05 11:23

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[日経平均]
【当面の想定レンジ】 36,500~40,500円

[NYダウ] 
【当面の想定レンジ】 35,500~39,500ドル

[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 14,500~16,500

[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 137.000~151.000円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 99.578~105.000



[日経平均]
世界金融危機の底値を付けた08年10月以降、日経平均はおよそ4年周期で底入れしてきました。
現在コロナショック底(20年3月)を起点とする4年サイクルの最終盤にあり、サイクル高値は短期的に付ける可能性があります。4年サイクルの底打ちは今年6月頃となりそうです。


【週足・エリオット波動分析】
日経平均の騰勢は衰えることを知らず、最高値更新(2月22日)の余韻もまだ冷めやらぬ3月5日には史上初の4万円台乗せをはたしました。

TOPIXは89年高値『2886.50』まで一定の距離を残しますが─現状のNT倍率(14.82倍)からみるとTOPIXが最高値に並ぶには日経平均で42,800円程度が必要とされます─今年後半から来年にかけての最高値更新は可能でしょう。

ただ年初からの物色は、専ら半導体関連株などに偏っています。
3月1日は日経平均が744円も上昇しましたが、その半分(370円)は225銘柄中5銘柄(半導体株と値がさ株)によって押し上げられました。
続く4日は日経平均が198円高の一方、TOPIXは3.14安でした。日経平均の160円分の上げ幅は、僅か2銘柄によるものでした。

このような選別色の強い相場付きは、強気相場の最終局面によくみられる特徴のひとつです。

次は➂-(4)波による調整を想定しています。
➂-(2)波が時間をかけての調整だったころから、来る➂-(4)波は[ジグザグ]のような単純かつスピード感を伴う、急落になりやすいでしょう。日経平均は第(4)波により、高値から10%-20%(4千円~8千円)程度の下げが予想されます。

【日経平均 日足・エリオット波動分析】
22年6月安値(25,520円)以来の第(3)波は、その最後の上昇局面(第5波)を展開中です。

3月4日、日経平均の移動平均総合かい離は41.32%へ拡大。23年6月16日(42.27%)以来で最大のかい離となりました。これは第5波天井の接近を予感させます。

なお約8カ月前の23年6月19日に日経平均は第3波高値(33,772円)を付け、その後10月4日の安値(30,487円)まで、3カ月半にわたる第4波により10%近く下げています。今後想定される第(4)波の段階(ディグリー)は一つ上位に位置するため、下げの規模もより大きくなるとみるのが妥当です。

【日経平均 時間足・エリオット波動分析】
30,538円(10/30安値)以来、(3)-5波の上昇局面が進行中です。
第5波はマルi波~マルv波の5つ波により構成されますが、35,854円(2/7安値)からは最終上昇波・マルv波とみられます。

3月4日に日経平均は一時40,314円まで上昇し、この時点で年初来上昇は20%に達しました。

そして直近2カ月で米ドル/円は141円から150円へ上昇しており、この米ドル高・円安が、マルiii波~マルv波の急騰局面にリンクしていたことは改めて注目に値します。

筆者は米ドル/円の下落が、まもなくスタートする可能性をみています。この場合、日経平均のマルv波と22年6月からの第(3)波ラリーも完成し─『サード・オブ・サード』は終了し─第(4)波の調整に移行するでしょう。

39,426円(2/27高値)を割ると最初の弱気トリガーが引かれ、次は38,876円(2/29安値)が試されるでしょう。さらに38,876円を下回ると、第(4)波入りの見方が強まります。
【3月5日 8:34更新】


[NYダウ] 

【NYダウ日足・エリオット波動分析】 
NYダウは22年1月高値(36,952ドル)から、プライマリー級➃波が展開中とみています。➃波は[エクスパンディッド・フラット]、[ランニング・フラット]など、複雑なパターンを形成する可能性が高いでしょう。

22年10月安値(28,660ドル)を起点とする上昇は、➃波中(B)波による『戻りラリー』に位置付けられます。(B)波はA(↗)-B(↘)-C(↗)の3つの波で構成されます。

23年10月安値(32,327ドル)からはC波による上昇であり、C波は終わりつつあるとみています。

現行(B)波の上昇が終わると(C)波による下落トレンドへの移行を想定します。5つ波で構成される(C)波によりNYダウは、22年10月安値(28,660ドル)を下回る可能性が高いでしょう。

【NYダウ時間足・エリオット波動分析】
22年10月安値・28,660ドルからの(B)波は[ジグザグ](A-B-C)です。その内、32,327ドル(23/10/27安値)からはC波による上昇です。

2月23日には一時39,282ドルまで上昇し、22年10月安値からの上昇チャネル上限を上回りましたが、これが強気相場の最後の吹上げ[スローオーバー(throw-over)]なのかを注視しているところです。

実際、3月4日のNYダウ終値(38,988ドル)は、チャネル上限(39,010ドル)を僅かに下回るものでした。これは以てスローオーバーを確認できたかはまだ微妙ですが、ナスダックやS&P500などが3月に最高値を更新したのに対し、NYダウはまだ高値を更新していない、のは興味深い点です。

39,282ドルを上回らず38,949ドル(2/28安値)を下回ると、それは(C)波入りの最初の弱気トリガー発動といえるでしょう。

ひとたび(C)波の下落に入れば、それは22年10月安値(28,660ドル)や、さらに下方の水準へと、NYダウを押し下げる可能性が高いでしょう。
【3月5日9:13更新】


[ナスダック]

【ナスダック総合指数日足・エリオット波動分析】
21年11月高値からは、プライマリー級第➃波に位置付けられます。この第➃波の全体像は、[トライアングル]や[フラット]など保ち合い相場が想定されます。

3月1日、ナスダック総合指数は一時16,302まで上昇し最高値を更新しました。ナスダック100に続き、総合指数も最高値を更新したので、両者のダイヴァージェンスは解消されました。

もっとも、(B)波によるリバウンドが終わりつつある、という従来の見方は変わりません。

ひとたび➃-(C)波の調整に入れば、ナスダックは21年~22年に相当するスケールで下げ基調を強めていくでしょう。筆者による想定下値レンジは[12,000-10,000]です。

【フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)・エリオット波動分析】
22年1月高値(4068)以来のパターンは[エクスパンディッド・フラット]、あるいは[ランニング・フラット]と想定されます。どちらもパターンも内部構造は(A)↘-(B)↗-(C)↘です。
[エクスパンディッド・フラット]なら、来る(C)波の下落により、SOX指数は22年10月安値(2089)を大きく下回るでしょう。
[ランニング・フラット]だと、(C)波の下落によっても22年10月安値は維持されます。それでも(C)波のスケールは、22年の下落(A)波に匹敵する大きなものになると思われます。

3月4日はエヌビディア株がマドを空けて急騰、上場来高値を更新しました。しかし、この日のローソク足「流星」(上ヒゲ長く、実体が短い)は当面の天井を暗示するものです。

同じ日に最高値を更新したSOX指数ですが、この日のローソク足はやはり「流星」でした。

仮にSOX指数が3月5日に4950(3/1高値)を下回って引けるようなら、それは最初の弱気トリガーとなるでしょう。
【3月5日 9:34更新】


[米ドル/円]

2011年10月の75.570円以来の(A)-(B)-(C)[ジグザグ]による円安ⓦ波は、151.899円(22/10/21)を以て終わり、そこから2028年頃までレンジ相場を形成していく、というのが筆者による米ドル/円(ドル/円)の基本観です。

【月足・エリオット波動分析】 
22年10月以来の『円高局面』は、長期円安トレンドにおける中間波・Ⓧ波に位置付けられます。このⓍ波は、2028年頃まで大きなレンジ相場(トライアングル、フラットなど)を形成するとみています。

23年1月(127.158円)からのⓍ波-B波によるドル/円上昇は、151.872円(11/13)を以て終わり、そこからはⓍ波-C波による下落トレンド(ドル安・円高)が進行中と思われます。このC波により、ドル/円は135円処を、あるいは125円処を目指す可能性があります。

【週足・エリオット波動分析】 
ドル/円は、22年10月高値の151.899円と、23年11月高値の151.872円で、1年越し[ダブル・トップ]を完成し、そこからC波の下落トレンド(ドル安・円高)が進行中とみられます。

さらに2月13日に付けた高値・150.840円を以て、23年末からのドル/円「リバウンド」は終わった可能性があるでしょう。この場合、22年10月から1年4カ月越しで[トリプル・トップ]を完成したことになります。

これからは徐々に52週MA注を試す地合いとなっていくでしょう。

(注) 52週MAの水準は143.688円(執筆時点)

【日足・エリオット波動分析】
23年11月からのC波の内部構造は、ⓦ↘-ⓧ↗-ⓨ↘となっていくでしょう。足元、ⓧ波によるリバウンドが終わったかを見極める局面です。

140.244円(12/28)から150.840円(2/13)までのドル/円上昇は33日(基本数値のひとつ)で付けています。この日数は、昨年11月からのドル/円下落に要した33日と対等の日柄でもあります。

150.840円はリバウンド終点だった可能性があり、この可能性は149.192円割れによって高められます(後述)。短期的な動きを引き続き注視してみましょう。

【時間足・エリオット波動分析】 
141.496円(12/7)から、 [エクスパンディッド・フラット(a)-(b)-(c)]によるリバウンドⓧ波とみています。

150.840円(2/13)を以てⓧ波は終了し、ⓨ波による下落(米ドル安・円高)に移りつつあるとみられます。ⓨ波はドル/円を、140.244円(12/28)を下回る水準へと押し下げるでしょう。

今後150.840円を上回らずに149.192円(2/29)を下回ると、ⓨ波の➂波による下落に入った可能性が高まります。149.192円割れを合図にドル/円は下げ基調を強め、早々に145.844円(2/1)を試す可能性があります。
【3月5日10:21更新】


[ドルインデックス(ドル指数)]

【日足・エリオット波動分析】 
23年10月高値(107.348)からはC波によるドル安に位置付けられ、このC波は5波構成(マルi波~マルv波)になります。

23年12月安値(100.617)以来のマルii波は104.976(2/14)を以て終わり、そこからマルiii波によるドル安トレンドが始まった可能性が高まっています。この見方は、2月22日以降で日足が上昇チャネルを下回って推移していることにより補強されています。

103.434(2/22)を下回ると短期的なドル安トリガーが発動し、そうなれば102.770(1/24)への下値試しとなりそうです。そして102.770割れをきっかけに、ドル安基調は一層強まることが想定されます。

重要な高値や安値というのは、「第3波」によって破られることが珍しくありません。
おそらく現行マルiii波により、ドル指数は23年7月安値(99.578)より下の水準へ導かれるでしょう。

そんなドル安が進行する一方で、多くの通貨が対米ドルで上昇するでしょう。
【3月5日10:34更新】


エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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