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主要国株価や米長期金利の動向、ECB副総裁の発言に注目

2024/01/29 09:02

【ポイント】
・主要国の株価が堅調に推移すれば、リスクオンが強まる可能性あり
・米長期金利が上昇する場合、米ドルの支援材料になりそう
・ECB副総裁は金融政策の先行きについて新たなヒントを示すか

(欧米市場レビュー)

26日の欧米時間の外為市場では、が軟調に推移。一時、米ドル/円は148.159円、ユーロ/円は160.864円、豪ドル/円は97.598円へと上昇しました。欧州の主要株価指数や米株式市場でダウが堅調に推移するなか、リスクオン(リスク選好)の動きが強まり、円の重石となりました。

(本日の相場見通し)

本日は、日本や米国、ユーロ圏の主要な経済指標の発表はありません。主要国の株価動向が材料になりそうです。

26日の米株式市場では、ダウが前日比60.30ドル高(0.16%)の38,109.43ドルで取引を終了し、史上最高値を更新しました(S&P500とナスダックは7営業日ぶりに下落)。米国の23年12月のPCE(個人消費支出)デフレーターでインフレの鈍化が示されたことが、ダウの支援材料になったようです。PCEデフレーターはコア指数が前年比2.9%となり、市場予想(3.0%)以上に前月の3.2%から上昇率が鈍化しました。

米国など主要国の株価が堅調に推移すれば、リスクオンの動きが強まる可能性があります。その場合にはが軟調に推移して、豪ドル/円やNZドル/円などのクロス円が上値を試す展開になりそうです。

※PCEデフレーターについては、本日の『ファンダメ・ポイント』[米PCE、景気はソフトランディングするか]で解説しています。

※豪ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/円、上値抵抗線ブレークとなるか]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。

米国の長期金利(10年物国債利回り)の動向にも注目です。米長期金利は26日のNY市場を前日比0.1%高い4.13%で終えました。30-31日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されることから、ポジション調整が中心との見方があります。米長期金利が一段と上昇する場合、米ドルの支援材料になりそうです。

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市場では、ECB(欧州中銀)が4月に利下げを開始し、24年末までに合計1.50%利下げするとの観測があります(次回3月7日の理事会に関しては、政策金利の据え置きを予想)。

ECB理事会メンバーのカザークス・ラトビア中銀総裁やクノット・オランダ中銀総裁は、“ECBは積極的な利下げを行う”との市場の観測をけん制しました。カザークス総裁は26日、「ユーロ圏のインフレに対するリスクは均衡している」との見方を示し、「3月にインフレ見通しが引き下げられたとしても、積極的な利下げは正当化されない」と発言。クノット総裁は28日、「(ECBが)利下げするには、ユーロ圏の賃金上昇率が鈍化する必要がある」と述べ、「(そうなれば)金利を少し下げることができる」と語りました。

本日、デギンドスECB副総裁の発言機会があります。デギンドス副総裁がECBの金融政策の先行きについて新たなヒントを示せば、ユーロが反応しそうです。利下げ観測が後退する場合、ユーロが堅調に推移して、ユーロ/円やユーロ/英ポンドは上昇する可能性があります。ユーロ/は、161.494(1/22高値)が目先の上値メドです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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