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クリスマス商戦やいかに?

2023/11/20 07:52

【ポイント】
・24日のブラックフライデーからクリスマス商戦が本格化
・コロナ禍での好調からペースダウンも、例年並みの予想!?
・家計の資金は潤沢にありそうだが、消費マインドの低下は懸念材料か

今週23日(木)は米国の感謝祭(サンクスギビングデー。翌24日はブラックフライデー(※)。この日からクリスマス商戦が本格的にスタートします。さらに、ネット通販が最も活況を呈するとされる、週末を挟んだサイバーマンデーも注目されます。

※由来は諸説あります。一般的には、小売店の多くが特別なセールを行って売り上げを伸ばし、この日から年間で黒字に転じるから、との説。ただ、60年代初頭に買い物客が殺到して頭を痛めた地元フィラデルフィア警察がそう呼び始めたとの説もあるようです。

さて、今年のクリスマス商戦はどうでしょうか。高金利下で景気の先行きが懸念される状況で好調は期待できないかもしれません。NRF(全米小売連盟)は今年11-12月の小売売上高(自動車・ガソリン・レストランを除く)を3-4%増と予想しています。これは19年の3.8%以来の低い伸びです。ただ、コロナ禍で20年、21年と売り上げが大きく伸びたのは、政府が支援金や減税によってサポートしたからでしょう。その反動があってもおかしくない22年も5.4%増でした。コロナ前10年間の平均が3.6%なので、今年も悪くないと予想されているようです。

NRF クリスマス商戦予想

コロナ禍での支援金や減税の効果はすでにはく落していそうですが、家計の資金は潤沢にありそうです。17年末からの貯蓄(※)の累積をみれば、コロナ禍で大きく膨らんだ後もコロナ禍以前のトレンドを上回って推移しています。

※ここではフローの概念。月々の個人所得から税などの支払いを除いたものが可処分所得。可処分所得から消費や利払いなどの支出を除いた残差を「貯蓄」と定義しています。

米貯蓄累積


それでは家計の消費意欲はどうでしょうか。ミシガン大学とコンファレンスボードの消費者信頼感指数をみると、水準感に差はあるものの、波形は比較的似ています。すなわち、20年春のコロナショックで落ち込んだ後、いったん持ち直したものの、21年夏から22年夏まで下降(政府支援の効果はく落?)。その後は一応上昇トレンドにありますが、直近3カ月ほどは低下しています。したがって、今後さらに低下しないか注意する必要はありそうです。

消費者信頼感

クリスマス商戦に関する報道は、ショッピングセンターの客足やクレジットカードの利用額など断片的なものがほとんど。上で紹介したNRFのような包括的なクリスマス商戦の結果が判明するころには市場の関心は他に移っていそうです。それでも、どんな報道のされ方をするのか、興味深いところでしょう。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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