米CPIは市場予想を下回ったものの、コアサービスは加速!
2023/11/15 06:56
【ポイント】
・CPIは総合、コアとも前月および市場予想を下回った
・ただし、FRBが注目するコアサービス(住居費除く)は前月から加速
・FOMC関係者は物価目標達成に向けて引き続き慎重な見方
米国の10月CPI(消費者物価指数)は総合、コアとも前月から伸び率が鈍化、市場予想も下回りました。これを受けて米長期金利(10年物国債利回り)が急低下し、米ドルは主要通貨に対して全面安となりました。
14日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は12月FOMCでの利上げをほとんど織り込んでいません(確率1.4%)。24年1月以降は利下げが少しずつ織り込まれ、5月FOMCまでには87%、6月までには2回目の利下げが53%、9月までには3回目の利下げが80%超の確率で予想されています。
もっとも、FRBが重視するとされるCPIコアサービス(住居費を除く)は10月にわずかながらも加速。今年6月以降は鈍化ペースが鈍っているようにみえます。
シカゴ連銀のグールズビー総裁は14日、CPIの鈍化を歓迎しつつも、2%の物価も目標達成にはなお距離があるとの認識を示しました。また、リッチモンド連銀のバーキン総裁も、インフレの鈍化に進展がみられるとしつつも。物価目標達成に向けた明確な軌道にあるとは確信していないと慎重な発言に終始しました。
上述のように、市場は24年5-9月に3回程度の利下げを織り込んでいますが、拙速と言えるかもしれません。
*******
10月CPI総合は前年比3.2%と、前月の3.7%から鈍化、市場予想の3.3%を上回りました。食料とエネルギーを除くCPIコアは前月比4.0%と、前月および市場予想の4.1%から鈍化しました。

一方で、労働コストを強く反映するとしてFRBが注目しているCPIコアサービス(住居費を除く)は前年比3.9%と、前月の3.7%から伸びが加速しました。CPIコアサービス(住居費を除く)は、22年9月の前年比6.7%から今年6月に3.9%まで鈍化しましたが、そのあとは改善が足踏みしているようにみえます。NFP(非農業部門雇用者数)の増加ペースの鈍化など、足もとで労働市場はやや軟化していますが、FRBが物価目標の達成に向けて安心するにはまだ十分ではないのでしょう。
・CPIは総合、コアとも前月および市場予想を下回った
・ただし、FRBが注目するコアサービス(住居費除く)は前月から加速
・FOMC関係者は物価目標達成に向けて引き続き慎重な見方
米国の10月CPI(消費者物価指数)は総合、コアとも前月から伸び率が鈍化、市場予想も下回りました。これを受けて米長期金利(10年物国債利回り)が急低下し、米ドルは主要通貨に対して全面安となりました。
14日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は12月FOMCでの利上げをほとんど織り込んでいません(確率1.4%)。24年1月以降は利下げが少しずつ織り込まれ、5月FOMCまでには87%、6月までには2回目の利下げが53%、9月までには3回目の利下げが80%超の確率で予想されています。
もっとも、FRBが重視するとされるCPIコアサービス(住居費を除く)は10月にわずかながらも加速。今年6月以降は鈍化ペースが鈍っているようにみえます。
シカゴ連銀のグールズビー総裁は14日、CPIの鈍化を歓迎しつつも、2%の物価も目標達成にはなお距離があるとの認識を示しました。また、リッチモンド連銀のバーキン総裁も、インフレの鈍化に進展がみられるとしつつも。物価目標達成に向けた明確な軌道にあるとは確信していないと慎重な発言に終始しました。
上述のように、市場は24年5-9月に3回程度の利下げを織り込んでいますが、拙速と言えるかもしれません。
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10月CPI総合は前年比3.2%と、前月の3.7%から鈍化、市場予想の3.3%を上回りました。食料とエネルギーを除くCPIコアは前月比4.0%と、前月および市場予想の4.1%から鈍化しました。

一方で、労働コストを強く反映するとしてFRBが注目しているCPIコアサービス(住居費を除く)は前年比3.9%と、前月の3.7%から伸びが加速しました。CPIコアサービス(住居費を除く)は、22年9月の前年比6.7%から今年6月に3.9%まで鈍化しましたが、そのあとは改善が足踏みしているようにみえます。NFP(非農業部門雇用者数)の増加ペースの鈍化など、足もとで労働市場はやや軟化していますが、FRBが物価目標の達成に向けて安心するにはまだ十分ではないのでしょう。

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