パウエル議長らFRB当局者の発言に市場が反応!?
2023/11/08 08:49
【ポイント】
・FRB当局者の発言で市場の金融政策見通しが変化するか
・ドイツCPIやユーロ圏小売売上高にユーロが反応する可能性も
(欧米市場レビュー)
7日の欧米時間の外為市場では、豪ドルが軟調に推移。一時、豪ドル/円は96.368円、豪ドル/米ドルは0.64031米ドル、豪ドル/NZドルは1.08216NZドルへと下落しました。RBA(豪中銀)は0.25%利上げすることを決定したものの、RBAの声明の内容がハト派的と市場に受け止められて豪ドルに対する下押し圧力となりました。
※RBAの政策会合について詳しくは、7日午後の『デイリーフラッシュ』[【PM】RBAは利上げを決定! 豪ドルは下落]をご覧ください。
※豪ドル/円のテクニカル分析は、本日8日の『テクニカル・ポイント』[豪ドル/円、RBA会合結果を受け「Sell the fact.(知ったら仕舞い)」の動きに]をご覧ください(マイページへのログインが必要です)。
米ドルは堅調。一時、米ドル/円は150.373円、米ドル/カナダドルは1.37774カナダドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.06611ドル、英ポンド/米ドルは1.22954ドルへと下落しました。11月1日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の会見や3日の米国の10月雇用統計を受けて米ドルは下落していたこともあり、ポジション調整が中心と考えられます。
(本日の相場見通し)
本日は、FRB当局者の発言機会が多くあります。パウエルFRB議長は会合で開会のあいさつし、クックFRB理事は金融の安定に関する討論会に参加、ウィリアムズNY連銀総裁は講演する予定です。これらに市場が反応する可能性があります。
市場では、“FRBの利上げはすでに打ち止めで、24年半ばに利下げが開始される”との観測があります。パウエル議長らがこの観測を後退させるような発言をすれば、米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドルは上昇し、一方でユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルは下落しそうです。米ドル/カナダドルは、1.38942カナダドル(11/1高値)が上値メドです。
ドイツの10月CPI(消費者物価指数)改定値やユーロ圏の9月小売売上高が本日発表されます。市場予想は、EU基準のCPIが前年比3.0%、国内基準のCPIが同3.8%、小売売上高が前月比マイナス0.2%、前年比マイナス3.1%。CPIはEU基準と国内基準のいずれも速報値と同じ上昇率となり、小売売上高は前月比で4カ月連続、前年比で12カ月連続でマイナスになるとみられています。
CPIや小売売上高が市場予想を下回る結果になれば、ユーロが下押しする可能性があります。
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