米国とイランの合意は? ウォーシュ議長の手腕?
2026/05/25 12:09
※マンスリー・アウトルック6月号は6月1日に配信します。
【今週のポイント】
・米国とイランの合意は実現するのか
・ウォーシュFRB議長は独立性を守れるか
・総裁会見などでRBNZの利上げ観測が強まるか
トランプ大統領は23日、「イランとの合意に近づいており、間もなく発表する」とSNSで発信。週明け25日に合意成立への期待からWTI原油先物価格は1バレル=92ドル近辺に低下して始まり、日経平均は約1,800円上昇して始まりました。
もっとも、イランの半国営ファルス通信はトランプ氏の発信を「現実からかけ離れている」と反論。焦点となっているイランの核開発やホルムズ海峡の問題が今後どうなるか予断を許さない状況でしょう。

22日のホワイトハウスでの宣誓式を経て、ウォーシュFRB議長が正式に就任しました。ウォーシュ議長は承認公聴会で、FRBの独立性が重要であると強調。また、トランプ大統領はメディアインタビューで「(議長に)やりたいようにやらせる」と発言。もっとも、実際にFRBの独立性が維持されるかは不透明です。また、ウォーシュ議長がどんな政策運営を目指すのかも未知数です。金融政策に関するトランプ大統領やウォーシュ議長の今後の言動に要注意でしょう。22日時点で、市場では利下げ観測がほぼ消滅、FRBの「次の一手」が秋ごろの利上げだと予想されています。
27-28日に日銀金融研究所の「国際コンファランス」が開催されます。テーマは「金融政策の新しい視点」。目先の金融政策に関して何らかのヒントが出てくるかは不明です。ただし、冒頭で植田総裁が挨拶し、28日には氷見野副総裁が討論会に出席します。他にも世界各国から中央銀行関係者が参加するため、要注目でしょう。
経済指標では、5月東京都区部CPI、米4月PCE(個人消費支出)デフレーターなど。インフレ動向が日米の金融政策に影響する可能性があります。<西田>
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今週は、米国とイランの戦闘終結に向けた交渉がどうなるのか、またFRBの先行きの金融政策に関する市場の見方がどのように変化するのか注目です。米国とイランの戦闘終結への期待が後退する、あるいはFRBの利上げ観測が一段と強まる場合、米ドルが堅調に推移して、米ドル/カナダドルには上昇圧力が、豪ドル/米ドルやNZドル/米ドルには下落圧力が加わる可能性があります。
米国とイランの戦闘終結への期待が後退すれば、原油価格が堅調に推移すると考えられます。その場合、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは上値を試す展開になりそうです。カナダドルは産油国の通貨ですが、米ドル/カナダドルについては原油価格の動向以上にイラン情勢の影響(リスクオン/リスクオフ)を受けやすいとみられます。
RBNZ(NZ中銀)は27日に政策会合を開きます。市場では、政策金利は現行の2.25%に据え置かれるとの見方が優勢。そのとおりの結果になれば、RBNZの総裁会見や政策金利見通しなどで先行きの金融政策についてどのようなヒントが提供されるのか注目です。
28日にはSARB(南アフリカ中銀)の政策会合が開かれます。SARBは25年11月に0.25%の利下げを実施し、その後26年1月・3月と2会合連続で政策金利を据え置きました。5月22日時点の政策金利は6.75%です。
南アフリカの4月CPI(消費者物価指数)は総合が前年比4.0%、コアが同3.6%と、上昇率はいずれも前月(それぞれ3.1%と3.2%)から加速し、SARBのインフレ目標である3%(2~4%が許容レンジ)を一段と上振れました。市場では、今週の会合で0.25%の利上げが行われるとの見方が優勢です。そのとおりの結果となり、SARBの声明や総裁会見で今後さらに利上げする可能性が示されれば、南アフリカランドにとってプラスになりそうです。
対米ドルでの円安への本邦当局の対応にも注目です。本邦当局が米ドル売り・円買い介入(為替介入)を行う、あるいはその準備とされるレートチェックがあれば、米ドル/円が大きく下落しそう。その場合、豪ドル/円やカナダドル/円などは米ドル/円の下落に引きずられるとみられます。<八代>
今週の注目通貨ペア①:<米ドル/円 予想レンジ:155.000円~161.000円>
片山財務相は先週、為替相場に言及して「断固たる措置を取る時は取る」と発言、引き続き為替介入の可能性があることを示しました。もっとも、4月30日の「いよいよ断固たる措置を取る時が近づいている」あるいは三村財務官の「最後の退避勧告として申し上げる」と比較すれば、緊迫感を欠いているようにもみえます。
米国とイランの合意への期待から、25日はリスクオフが後退して始まりました。そのため、米ドル/円もやや弱含んでいますが、158円台後半なので引き続き介入警戒水準とも言えるでしょう。合意期待が裏切られたりして原油価格が再び上昇するならば、米ドル/円に上昇圧力が加わりそうです。
そうした場合に本邦当局は為替介入に踏み切るでしょうか。11日に来日したベッセント米財務長官が非公式に為替介入に不快感を表した可能性はあるでしょうか。もっとも、「円安」に日銀の利上げで対応するとしても、次回金融政策決定会合は6月15-16日開催です。それまでの間に米ドル/円が一段と上昇するようならば、本邦当局は為替介入に踏み切らざるを得ないかもしれません。<西田>
今週の注目通貨ペア②:<ユーロ/米ドル 予想レンジ:1.14000ドル~1.18000ドル>
ユーロ/米ドルは過去1年間、1.14000ドル~1.18000ドルを中心としたレンジで推移しており、足もと(25日)はその中央に近い位置にあります。
ラガルドECB総裁は24日、6月11日の理事会でインフレ予測を3月時点から引き上げるとの見通しを示しました。当時はイラン戦争開始直後であり、その後の原油価格の高止まりが明確に反映されなかったためでしょう。22日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、ECBの6月利上げを市場は9割近い確率で織り込んでいます。また、26年末までに0.25%×3回の利上げを5割強の確率で織り込んでいます。
一方で、同じく22日時点のOISに基づけば、FRBの利下げ観測はほぼ消滅し、26年末までに0.25%×1回の利上げがほぼ100%市場に織り込まれています。ただし、ウォーシュ議長がどのような金融政策を運営しようとするか不透明感は拭えません。
仮に、ECBの金融政策がOISの示唆する通りとなれば、6月の利上げ後も比較的早い段階での追加利上げが予想されるでしょう。これに対して、FRBの利上げ観測が後退するようであれば、ユーロ/米ドルに上昇圧力が加わりそうです。<西田>
今週の注目通貨ペア③:<豪ドル/NZドル 予想レンジ:1.20500NZドル~1.23000NZドル>
市場では、RBNZ(NZ中銀)は27日の政策会合で政策金利を2.25%に据え置くとの見方が優勢です。そのとおりの結果になれば、会合の議事要旨やブレマンRBNZ総裁の会見、四半期ごとのRBNZによる政策金利見通しが相場材料になりそうです。
市場では、RBNZは7月の会合で利上げを開始し、12月末までに3回(合計0.75%)の利上げを行うとの観測があります。RBNZによる政策金利見通しなどがその観測を強める内容になるのかどうか注目です。
同じく27日には、豪州の4月CPI(消費者物価指数)が発表されます。21日に発表された同国の4月雇用統計の軟調な結果を受け、RBA(豪中銀)の追加利上げ観測が後退。OIS(翌日物金利スワップ)に基づくと、市場ではRBAは8月か9月のどちらかで追加利上げを実施し、その後少なくとも12月まで政策金利を据え置くとの見方が優勢です。CPIが市場予想を下回る結果になれば、RBAの追加利上げ観測は一段と後退すると考えられます。
RBAの追加利上げ観測が後退する一方で、RBNZの利上げ観測が強まる場合、豪ドル/NZドルは下値を試す展開になりそうです。<八代>
今週の注目通貨ペア④:<米ドル/カナダドル 予想レンジ:1.36500カナダドル~1.39600カナダドル>
米ドル/カナダドルは5月22日に一時1.38179カナダドルへと上昇し、4月13日以来の高値をつけました。足もとの米ドル/カナダドル堅調の主な要因として、FRBの利上げ観測が強まっていることが挙げられます。
今週はジェファーソン副議長やボウマン副議長などFRB当局者の発言機会があります。それらや米国の経済指標の結果を受けて、FRBの利上げ観測が一段と強まる場合、米ドル/カナダドルは上値を試す展開になりそうです。
米国とイランの戦争終結に向けた交渉がどうなるのかも注目されます。米ドル/カナダドルにとって、両国の交渉合意への期待が後退することは上昇要因、合意への期待が高まることは下落要因になると考えられます。<八代>
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