イラン情勢やノルウェーCPIに注目、米財務長官が来日
2026/05/11 09:08
【ポイント】
・トランプ米大統領はイランの回答を「気に入らない」
・米財務長官は足もとの“円安”について言及するか
・CPIでノルウェー中銀の金融政策に関する市場の見方が変化するか
(欧米市場レビュー)
8日、欧米時間の外為市場では米ドルが軟調に推移。一時米ドル/円は156.421円、米ドル/シンガポールドルは1.26642シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.17819ドル、英ポンド/米ドルは1.36299ドル、豪ドル/米ドルは0.72435米ドルへと上昇しました。米国の4月雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比11.5万人増と、市場予想の6.2万人増を上回りました。ただ、同国の長期金利(10年物国債利回り)が低下し、市場ではそのことの方が強く意識されたようです。
※米雇用統計について詳しくは、9日の『ファンダメ・ポイント』[4月米雇用統計は2カ月連続2ケタ増、利下げは遠のく?]をご覧ください。
カナダドルも軟調。米ドル/カナダドルに関してはおおむね1.36カナダドル台後半で推移したものの、カナダドル/円は一時114.157円へと下落しました。カナダの4月雇用統計の弱い結果が、カナダドルへの下押し圧力となりました。カナダの雇用統計の結果は失業率が6.9%、雇用者数が前月比1.77万人減。市場予想はそれぞれ6.7%と1.50万人増でした。
(本日の相場見通し)
イラン国営メディアは10日、「イランが米国の提案に対する回答を仲介国のパキスタンに送った」と報道。トランプ米大統領は同日、「イランのいわゆる“代表者”からの回答を読んだ。気に入らない。全く受け入れられない」と自身のSNSに投稿しました。
本日11日午前(日本時間)は、原油価格が上昇しており、また安全資産とされる米ドルが強含んでいます。米WTI原油先物の中心限月6月物は時間外取引で一時1バレル=98ドル台後半をつけました。6月物の8日の清算値(終値に相当)は95.42ドルでした。トランプ大統領のSNS投稿によって米国とイランの戦闘終結への期待が後退したと考えられます。
イラン情勢をめぐるニュースには引き続き注意が必要です。米国とイランの戦闘終結への期待が一段と後退すれば、原油価格や米ドルが堅調に推移しそう。原油価格の上昇は、ノルウェークローネなど産油国の通貨にとってプラスになると考えられます。
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ベッセント米財務長官が本日11日に来日し、12日に高市首相や片山財務相などと会談する予定です(13日まで日本に滞在)。ベッセント長官が“米ドル高・円安”について言及するかどうかに注目。言及があれば市場が反応しそうです。
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ノルウェーの4月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間15:00)。
CPIの市場予想は、総合が前年比3.5%、コアインフレ率のCPI-ATE(税制改革の影響やエネルギー製品を除いた基礎)が同3.2%。総合の上昇率は前月の3.6%から鈍化するものの、CPI-ATEは前月の3.0%から上昇率が高まるとみられています。ノルゲバンク(ノルウェー中銀)のインフレ目標は2%です。
ノルゲバンクは7日の会合で0.25%の利上げを行うことを決定。政策金利を4.00%から4.25%へ引き上げました。声明では「(ノルウェーの)インフレ率は高過ぎであり、ここ数年間にわたって目標を上回っている」とし、「インフレ率は今後も高止まりする可能性が高い」と指摘。「インフレ率を妥当な期間内に目標水準に戻すためには、利上げが必要だと判断した」と説明しました。
市場では、ノルゲバンクは12月末までにさらに利上げを行うとの見方が有力です。本日発表のCPIが市場予想を上回る結果になれば、その見方が強まるとともに、ノルウェークローネにとってプラスになりそうです。
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