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ノルウェーは利上げ、メキシコは利下げ、スウェーデンは政策金利据え置きを決定

2026/05/08 09:30

【ポイント】
・雇用統計でFRBとBOCの金融政策に対する市場の見方が変化するか
・ノルゲバンクは追加利上げの可能性も
・リクスバンクは政策変更を急がない姿勢を示す
・メキシコ中銀は利下げサイクルの終了を表明

(欧米市場レビュー)

7日、欧米時間の外為市場では米ドルが堅調に推移。一時米ドル/円は156.943円、米ドル/カナダドルは1.36547カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.26899シンガポールドルへと上昇し、ユーロ/米ドルは1.17281ドル、英ポンド/米ドルは1.35528ドル、豪ドル/米ドルは0.72060米ドルへと下落しました。メディア報道によって米国とイランの戦闘終結への期待が後退したことが、安全資産とされる米ドルにとってプラスとなりました。

米紙WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)は7日、イラン国営プレスTVの報道を引用し「イラン高官は、米国が非現実的な計画でホルムズ海峡を開放させてイランに与えた全ての損害に対する賠償金を支払わずに戦争を終結させることを、(イランは)認めないと述べた」と伝えました。また、イランのメディアはホルムズ海峡に近い同国のバンダルアバス近郊やゲシュム島付近で複数の爆発音が聞こえたと報じました。

ノルウェークローネも堅調に推移し、ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは一時0.99929スウェーデンクローナへと上昇しました。ノルゲバンク(ノルウェー中銀)が利上げを決定したことが、ノルウェークローネにとってプラスになりました。市場では、ノルゲバンクは政策金利を据え置くとの見方が優勢でした。

リクスバンク(スウェーデン中銀)は政策金利を据え置くことを、BOM(メキシコ中銀)は0.25%利下げすることをそれぞれ決定しました(*3中銀の会合については後述)。

(本日の相場見通し)

本日は米国の4月雇用統計が発表されます(日本時間21:30)。その結果に市場が反応しそうです。

雇用統計の市場予想は失業率が4.3%、非農業部門雇用者数が前月比6.2万人増。失業率は前月と同じになる一方で、非農業部門雇用者数は前月の17.8万人から伸びが鈍化するとみられています。

FRB(米連邦準備制度理事会)は少なくとも12月末まで政策金利を据え置くと市場は予想。次の一手については利上げになるとの見方が優勢です。

米雇用統計が市場予想と比べて強い結果になれば、その見方が強まるとともに、米ドルが堅調に推移しそうです。

※米経済とFRBの金融政策については、本日の『ファンダメ・ポイント』[“ウォーシュ議長”に逆風となりそうな米経済情勢]をご覧ください。

米ドル/円相場への本邦当局の対応にも引き続き注目です。市場は、本邦当局が4月30日に為替介入(米ドル売り・円買い介入)を実施したことはほぼ確実であり、その後も介入が行われたとみています。

片山財務相は4日、為替相場について「投機的な動きには断固たる措置をとる」と改めて表明。三村財務官は7日に投機的な動きが続いているとの認識を示しました。

※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、4月雇用統計結果が相場動意となりそう]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

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米国と同時刻にカナダの4月雇用統計が発表されます。カナダの雇用統計の市場予想は、失業率が6.7%、雇用者数が前月比1.50万人増。失業率は前月と同じとなり、雇用者数の伸びは前月の1.41万人から若干増えるとみられています。

市場では、BOC(カナダ中銀)は早ければ9月の会合で利上げを行うとの観測があります。カナダの雇用統計が市場予想と比べて強い結果になれば、その観測が強まるとともに、カナダドルにとってプラスになりそうです。

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ノルゲバンク(ノルウェー中銀)は7日の政策会合で0.25%の利上げを行うことを決定。政策金利を4.00%から4.25%へ引き上げました。ノルゲバンクは25年9月に利下げを行った後、26年3月まで4会合連続で政策金利を据え置きましたが、利上げに転じました。

ノルゲバンクは声明で、「(ノルウェーの)インフレ率は高過ぎであり、ここ数年間にわたって目標を上回っている」と指摘し、「インフレ率は今後も高止まりする可能性が高い」との見方を示しました。また、「3月に公表した政策金利見通しでは、政策金利は26年末までに4.25~4.50になるとされていた」とし、「3月以降、その見通しに大きな変化はない」としました。ノルゲバンクは年内にさらに1回利上げする可能性がありそうです。

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リクスバンク(スウェーデン中銀)は7日の会合で政策金利を1.75%に据え置くことを決定。リクスバンクが政策金利を据え置いたのは5会合連続です。

リクスバンクは声明で「中東での戦争によってインフレが上昇するリスクがやや高まっている」との見方を示しました。

その一方で、「インフレ率は現在(2%の)目標を下回っているうえ、経済活動も低迷している」と指摘。「それらは、戦争の影響とそれに伴う供給ショックの状況がより明確になるまで待つ余地があることを意味する」とし、「現在の政策金利の水準は、インフレ目標を守るために必要になった場合に金融政策を調整するための良好な初期ポジションをリクスバンクに提供している」と表明。政策金利を当面据え置く姿勢を示しました。

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BOM(メキシコ中銀)は7日の会合で0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を6.75%から6.50%へと引き下げました。BOMによる利下げは2会合連続で、24年3月以降15回目。今回の利下げは前回3月と同じく3対2の僅差で決定され、ボルハ副総裁とヒース副総裁が政策金利の据え置きを主張して再び反対票を投じました。

BOMは声明で、「(今回の会合で)政策金利をさらに引き下げ、それをもって24年3月に開始した利下げサイクルを終了することが適切だと判断した」と説明。この判断は「現在のインフレ見通し(※)と整合的だ」との見方を示し、為替レートや経済活動の弱さ、金融引き締めの水準を考慮したとしました。今後の金融政策運営については、「政策金利を(現行水準に)維持することが適切だと見込んでいる」と表明。政策金利を当面据え置く方針を示しました。

(※)BOMはCPI(消費者物価指数)の総合とコアのいずれも、前回3月会合と同じく27年4-6月期に目標の3%に到達するとの見通しを示しました。

メキシコの4月CPIは、総合が前年比4.45%、コアが同4.26%。上昇率は総合とコアのいずれも、前月(それぞれ4.59%と4.45%)から鈍化したものの、BOMのインフレ目標(3%)の許容レンジ(2~4%)を引き続き上回りました。

一方で、メキシコの1-3月期GDP(国内総生産)速報値は前期比マイナス0.8%と、2四半期ぶりにマイナス成長となりました。BOMは声明で、経済活動の弱さは需要面からのインフレ圧力の欠如を示唆しているとの見方を示しました。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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