イラン情勢やトルコCPIに注目、市場の流動性が低下
2026/05/04 09:10
【ポイント】
・イラン情勢で新たなニュースが出てくるか
・CPIでトルコ中銀による利上げ観測が強まるか
・米ドル/円が上昇する場合、本邦当局の対応は?
・日英祝日で外為市場では流動性が低下、値動きが増幅される可能性も
(欧米市場レビュー)
1日、欧米時間の外為市場では米ドルが強含み。一時米ドル/円は157.100円近辺、米ドル/カナダドルは1.35900カナダドル近辺、米ドル/シンガポールドルは1.27300シンガポールドル近辺へと上昇し、ユーロ/米ドルは1.17200ドル近辺、英ポンド/米ドルは1.35700ドル近辺へと下落しました。
米国の長期金利(10年物国債利回り)が低下幅を縮小し、またトランプ大統領がイランからの新たな提案に「満足していない。私が同意できないことを提案している」と述べたことが、米ドルにとってのプラスとなりました。一時4.34%へと低下した米長期金利は4.37%でNY市場を終了。イラン国営通信は1日、イランが4月30日に戦闘終結に向けた新たな提案を対米協議の仲介国パキスタンに示したと報じました。
ユーロ/米ドルについては、トランプ大統領がEU(欧州連合)から輸入する自動車とトラックに対する関税を25%に引き上げると表明した(ユーロにとってマイナス)ことも重石となりました。
日本時間16時前に米ドル/円が157円台前半から155円台半ばへと急落する場面がありました。三村財務官は18時前、そのことについて記者団に対し「コメントは控える」とし、今後も緊張感を持って注視するのかと問われると「連休は続いている」と述べました。
(本日の相場見通し)
本日は、日本や英国、中国が祝日(※)のため、外為市場では参加者が減少して流動性が低下します。突発的なニュースや仕掛け的な動きが出てきた場合などには値動きが増幅される可能性があり、注意は必要です。
(※)英国はアーリー・メイ・バンク・ホリデー、中国は労働節(5日まで)
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イラン国営メディアは3日、「戦闘終結に向けたイランからの新たな提案について、パキスタンを通じて米国から回答を受け取った。イラン政府は内容を精査している」と報じました。米国がどのような回答をしたのかは明らかになっていません。ただ、トランプ大統領は2日、自身のSNSでイランからの新たな提案を近く検討するとしたうえで「(提案が)受け入れられる内容とは思えない」と述べていました。
イラン情勢を引き続き注視する必要がありそうです。仮にイラン情勢をめぐる懸念が強まる場合、安全資産とされる米ドルが堅調に推移して、米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールには上昇圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドル、豪ドル/米ドルには下落圧力が加わる可能性があります。また、イラン情勢への懸念が強まれば、原油価格(米WTI原油先物など)が上昇するとみられ、その場合にはノルウェークローネ/スウェーデンクローナが堅調に推移しそうです。
米ドル高・円安に振れる場合、本邦当局の対応が注目されます。本邦当局は4月30日に為替介入(米ドル売り・円買い介入)を実施したとの報道があります(介入規模は5兆円程度との推計も)。三村財務官は5月1日午前(日本時間)、外為市場について投機的な動きが続いているとの認識を示しました。
さらなる為替介入があれば、米ドル/円が大きく下落して、ユーロ/円や豪ドル/円などもそれに引きずられると考えられます。
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トルコの4月CPI(消費者物価指数)が本日発表されます(日本時間16:00)。CPIの市場予想は前月比3.40%、前年比31.40%。原油価格上昇などの影響によって上昇率はいずれも、前月(それぞれ1.94%と30.87%)から高まるとみられています。
TCMB(トルコ中銀)は4月22日の政策会合で、政策金利を37.00%に据え置くことを決定。据え置きは2会合連続です。
その時の声明では、これまでと同様に「実際のインフレ率やインフレ期待、およびそれらの基調を踏まえ、中間目標に沿ったディスインフレの道筋に必要な引き締め度合いを確保するように政策金利を決定する」、「金融政策の決定は、インフレ見通しを重視しつつ会合ごとに慎重に行う」、「インフレ見通しが顕著かつ持続的に悪化した場合、金融政策スタンスを引き締める」と表明。4月の会合ではそれに「インフレの上振れリスクに引き続き細心の注意を払っている」が付け加えられました。
市場では、TCMBによる利下げサイクルは終了し、次の一手は利上げになるとの見方が有力です。本日発表のCPIが市場予想を上回る結果になれば、その観測が強まるとともに、トルコリラのサポート要因になる可能性があります。
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