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米FOMCの注目ポイント+日銀会合結果

2026/04/29 07:30

【ポイント】
・日銀は「タカ派的」据え置き、総裁会見後に円安進行
・FOMCも据え置きへ、景気・物価双方のリスク増大を指摘か
・パウエル議長は自身の去就について何か語るか

日銀は28日、金融政策の据え置きを決定しました。票決は6対3で、反対した3人の委員は0.25%の利上げを主張しました。また、「経済・物価情勢の展望(展望レポート)では、中東情勢の不透明感により、経済の下振れリスク、物価の上振れリスクが増大しているとの判断が示されました。ただ、冒頭の「概要」は「とくに、物価上昇率が大きく上振れていくリスクが顕在化し、それがその後の経済に悪影響を及ぼすことがないよう、十分に留意する必要がある」と締めくくられました。全体として「タカ派的」据え置きとの印象です。

OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、会合の結果判明直後、次回6月会合での利上げを市場は8割近くまで織り込みました。午後3時30分に始まった植田総裁の会見でも、物価上振れリスクへの懸念が強めに示され、利上げの可能性への言及も多かったのですが、市場はそれほど「タカ派的」でないと判断したようです。会見後にOISに基づく6月の利上げ確率は7割弱に低下しました(会合の結果判明前とほぼ同じ水準)。

米ドル/円は、会合の結果判明直後に159円台半ばから159円ちょうど近辺まで下落。その後次第に反発し、総裁会見を受けて会合の結果判明前の水準を上回って推移しました(WTI原油先物価格が一時1バレル=100ドルを超えたのも円安の背景でしょう)。

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本日29日は米FOMCの結果が判明(日本時間30日午前3時)、その後にパウエル議長の会見があります(同午前3時30分スタート)。

28日のOISに基づけば、市場予想は据え置きがほぼ100%。先行きは利下げ含みながら26年末までに0.25%の利下げが2割程度しか織り込まれていません。明日の結果を受けて市場予想は変化するでしょうか。

注目ポイントは以下の通り。

(据え置きが決定されるとして)票決はどうなるか。前回3月はミラン理事※が0.25%の利下げを主張して据え置きに反対しました。前々回1月はミラン理事とウォラー理事が同様の主張をして据え置きに反対しました。
※ミラン理事の任期は26年1月末まででしたが、後任が決まっていないため、理事職を継続しています。ウォーシュ議長候補が承認されれば、理事としてはミラン理事の後任になりそうです。

声明文では、日銀同様に、中東情勢の不透明感やそれに伴い景気下振れリスクと物価上振れリスクが増大していると指摘されそうです。今後の金融政策について、前回3月と同じ「労働市場の状況、インフレ圧力、インフレ期待、そして金融および国際的な展開など幅広い情報を考慮する」として、政策金利の方向感は示されないかもしれません。

パウエル議長の記者会見では、前回同様にインフレの改善がなければ、利下げはないと明言するでしょうか(足もとでもインフレの改善はみられません)。ただし、パウエル議長の任期は5月15日までウォーシュ議長候補が近々承認されれば、パウエル議長がFOMCを仕切るのは今回が最後となりそう。金融政策の先行きについては話さないか、話しても慎重な言い回しになるかもしれません。

最も注目されるのが、パウエル議長の理事としての去就です。パウエル議長は、FRB本部改修に関わる司法省の捜査が「透明性をもって、かつ最終的に終了するまで」理事を続けると述べていました(理事の任期は28年1月まで)。

司法省は先週24日、捜査の打ち切りを発表。ウォーシュ議長候補の承認をストップしていた上院銀行委員会のティリス議員(共和党)はウォーシュ氏の承認に賛成の意向を表明しています(銀行委の採決は29日)。ただ、ピロ検事は現在進行中のFRBの監査に本件を委ねるとし、その結果次第では捜査を再開する旨も述べています。果たして、それがパウエル議長の言う「透明性をもって、かつ最終的に終了」に該当するのか、本人に確認するしかありません。

もっとも、パウエル議長は「FRBの独立性を守ること」も理事として留任したい理由に挙げていました。果たして、パウエル議長は“ウォーシュ議長”へのバトンタッチや理事の去就について何かを語るでしょうか。記者会見で何も話さない、あるいは曖昧なことしか言わない可能性もありますが、たいへん注目されるところでしょう。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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