欧米時間に米ドルやノルウェークローネが反落
2026/03/10 09:08
【ポイント】
・イラン戦争をめぐるトランプ大統領の発言やメディア報道に引き続き注目
・本邦当局者から“円安(米ドル/円の上昇)”についての発言が出てくるか
(欧米市場レビュー)
9日、欧米時間の外為市場では米ドルが反落。一時米ドル/円は157.592円、米ドル/カナダドルは1.35248カナダドル、米ドル/シンガポールドルは1.27400シンガポールドルへと下落し、ユーロ/米ドルは1.26282ドル、英ポンド/米ドルは1.34077ドル、豪ドル/米ドルは0.70739米ドルへと上昇しました。米CBSテレビの記者がXにトランプ米大統領はCBSとのインタビューで「対イラン戦争はほぼ終わったと述べた」と投稿。それを受けて、市場ではリスクオフ(リスク回避)が後退して米ドルの重石となりました。
ノルウェークローネは軟調。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナ(ノックセック)は一時0.95178スウェーデンクローナへと下落しました。原油価格が急反落したことがノルウェークローネに対する下押し圧力となりました。
米WTI原油先物の中心限月4月物は、米東部時間8日午後(日本時間9日午前)の時間外取引で一時1バレル=119ドル台半ばへと上昇し、22年6月以来3年9カ月ぶりの高値をつけました。
米原油先物は前営業日比3.87ドル高(4.3%)の94.77ドルで通常取引を終了。原油先物はその後下落しました(時間外取引で一時81ドル台前半をつけました)。G7の財務相が緊急会合を開き「石油備蓄の放出など必要な措置を講じる用意がある」と表明したことや、トランプ大統領の上述の発言が伝わったことを受けて原油の供給をめぐる懸念が後退し、WTI原油先物の下落要因となりました。
(本日の相場見通し)
昨日9日の外為市場は、トランプ大統領のイラン戦争をめぐる発言や原油価格の動向に敏感に反応しました。本日も引き続きイラン戦争に関するニュースや原油価格の動向に反応しやすい地合いになりそうです。
トランプ大統領は米東部時間9日午後(日本時間10日午前)、対イラン軍事作戦について「当初の予定よりも大幅に進んでいる」、「終わりに近い」との認識を示しました。また、軍事作戦は成功と宣言できるとしつつ、「さらに踏み込むつもりだ」と述べました。イランが新たな最高指導者に反米強硬派とされるモジタバ師を選出したことについては、「失望している」、「イランの新たな最高指導者は同じ問題を繰り返すだけだと考えている」と語りました。
トランプ大統領の発言やメディア報道などによってイラン戦争の早期終結期待が後退するようなら、リスクオフが再び強まるとともに米ドル高圧力が加わりそう。その場合、米ドル/円や米ドル/カナダドル、米ドル/シンガポールドルが堅調に推移し、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルは軟調に推移すると考えられます。米ドル/シンガポールドルは、200日移動平均線(本日時点で1.28523シンガポールドル)が目先の下値メドです。
イラン戦争の早期終結期待が後退した場合、原油価格が上昇するとみられます。原油価格が上昇する場合、ノルウェークローネやカナダドルなど産油国の通貨が堅調に推移しそうです。
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足もとの“対米ドルでの円安(米ドル/円の上昇)”への本邦当局の反応にも注目です。
片山財務相は4日、為替について「ファンダメンタルズを反映して安定的に推移するのが望ましい」、「日々の市場動向をいつも以上に十分に注視する」、「為替に関する日米財務相の声明には介入も選択肢に含まれる」と述べました。
木原官房長官は9日午後、記者団から同日の日経平均の急落や円安の進行について質問されると「市場動向を極めて高い緊張感を持って注視しており、万全の対応を取るべく海外当局とともにさらに緊密かつ機動的に連携していく」と答えました。
片山財務相ら本邦当局者が為替について発言し、それがこれまでよりも“円安”けん制のトーンが強まったと市場がみなせば、米ドル/円はいったん下落する可能性があります。
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