トランプ大統領の新たな関税政策は?
2026/02/25 07:49
【ポイント】
・62年通商拡大法232条や74年通商法301条などが選択肢
・特定の産業分野や貿易相手国の貿易政策などの調査を開始へ?
・トランプ政権は、違憲とされた相互関税やフェンタニル関税の代替を目指す
米最高裁がIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく相互関税とフェンタニル関税を違憲としたことで、トランプ大統領は74年通商法122条に基づいて24日から新たに10%(のちに15%と表明)の一律関税を課しました。ただし、同関税は150日間の期限付き。その間にトランプ政権は新たな関税政策を模索することになります。
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Bloombergは先週20日、トランプ政権が取りうる5つの選択肢を紹介する記事を配信しました。以下に選択肢を概観しておきましょう。
62年通商拡大法232条
国家安全保障上の理由から特定の産業分野の輸入品に関税を課すことが可能。すでに、鉄鋼・アルミ、自動車・部品などに発動済み。ただし、商務省の調査で国家安全保障が脅かされると判断された場合のみ。商務長官は270日以内に調査結果を大統領に報告する必要があります。関税率や適用期間の制限はなし。
74年通商法301条
外国の貿易政策が米企業に対して差別的である、あるいは米国の権利を侵害しているとUSTR(通商代表部)が判断すれば、大統領は特定の国に対して報復関税の発動が可能。ただし、当該国との協議や一般からの意見募集が義務付けされています。関税率に制限はありません。原則4年でUSTRに要請があれば延長も可能。18年トランプ1期目に中国に対して関税を課しました。また、25年7月にはブラジルに対して通商・知的財産権などに関して調査を開始(ただし、8月にIEEPAを根拠に50%課税)。
74年通商法201条
特定産業分野の輸入が米国の製造業に深刻な損害を与えているか、その恐れがあると判断される場合に、大統領が関税を課すことができます。ITC(国際貿易委員会)の調査が必要で、公聴会の開催や一般からの意見募集が義務付けられています。関税率は既存の税率を最大50%上回る水準まで。期間は当初4年で8年まで延長可能。18年に太陽電池関連や洗濯機に課税されました。
74年通商法122条
「国際収支の根本的な課題」に対処するための関税を課す権限を大統領に与えています。連邦機関による調査は不要。関税率は最大15%で、最長150日間。期間を超える場合は議会の承認が必要。トランプ大統領が2月24日に発動した一律関税の根拠がこの122条。ただ、米国が現在「国際収支の根本的な課題」を抱えているかどうかは議論の余地がありそう。
30年スムート・ホーリー関税法338条
他の国が米国に対して不当な貿易政策を取っていると大統領が「事実認定した場合」、当該国からの輸入品に課税する権限を大統領に与えています。連邦機関による調査は必要なし。関税率は最大50%。ただし、同条は過去に関税発動の根拠として使用されたことはありません。
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24日のBloombergによれば、トランプ政権は、62年通商拡大法232条に基づいて国家安全保障の観点からバッテリーなどを含む様々な輸入品に関する調査を準備しているようです。また、74年通商法301条に基づいて、相手国の貿易政策や産業政策に課する調査も開始するようです。
・62年通商拡大法232条や74年通商法301条などが選択肢
・特定の産業分野や貿易相手国の貿易政策などの調査を開始へ?
・トランプ政権は、違憲とされた相互関税やフェンタニル関税の代替を目指す
米最高裁がIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づく相互関税とフェンタニル関税を違憲としたことで、トランプ大統領は74年通商法122条に基づいて24日から新たに10%(のちに15%と表明)の一律関税を課しました。ただし、同関税は150日間の期限付き。その間にトランプ政権は新たな関税政策を模索することになります。
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Bloombergは先週20日、トランプ政権が取りうる5つの選択肢を紹介する記事を配信しました。以下に選択肢を概観しておきましょう。
62年通商拡大法232条
国家安全保障上の理由から特定の産業分野の輸入品に関税を課すことが可能。すでに、鉄鋼・アルミ、自動車・部品などに発動済み。ただし、商務省の調査で国家安全保障が脅かされると判断された場合のみ。商務長官は270日以内に調査結果を大統領に報告する必要があります。関税率や適用期間の制限はなし。
74年通商法301条
外国の貿易政策が米企業に対して差別的である、あるいは米国の権利を侵害しているとUSTR(通商代表部)が判断すれば、大統領は特定の国に対して報復関税の発動が可能。ただし、当該国との協議や一般からの意見募集が義務付けされています。関税率に制限はありません。原則4年でUSTRに要請があれば延長も可能。18年トランプ1期目に中国に対して関税を課しました。また、25年7月にはブラジルに対して通商・知的財産権などに関して調査を開始(ただし、8月にIEEPAを根拠に50%課税)。
74年通商法201条
特定産業分野の輸入が米国の製造業に深刻な損害を与えているか、その恐れがあると判断される場合に、大統領が関税を課すことができます。ITC(国際貿易委員会)の調査が必要で、公聴会の開催や一般からの意見募集が義務付けられています。関税率は既存の税率を最大50%上回る水準まで。期間は当初4年で8年まで延長可能。18年に太陽電池関連や洗濯機に課税されました。
74年通商法122条
「国際収支の根本的な課題」に対処するための関税を課す権限を大統領に与えています。連邦機関による調査は不要。関税率は最大15%で、最長150日間。期間を超える場合は議会の承認が必要。トランプ大統領が2月24日に発動した一律関税の根拠がこの122条。ただ、米国が現在「国際収支の根本的な課題」を抱えているかどうかは議論の余地がありそう。
30年スムート・ホーリー関税法338条
他の国が米国に対して不当な貿易政策を取っていると大統領が「事実認定した場合」、当該国からの輸入品に課税する権限を大統領に与えています。連邦機関による調査は必要なし。関税率は最大50%。ただし、同条は過去に関税発動の根拠として使用されたことはありません。
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24日のBloombergによれば、トランプ政権は、62年通商拡大法232条に基づいて国家安全保障の観点からバッテリーなどを含む様々な輸入品に関する調査を準備しているようです。また、74年通商法301条に基づいて、相手国の貿易政策や産業政策に課する調査も開始するようです。
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