パウエル議長の決意!
2026/01/30 08:38
【ポイント】
・パウエル議長はトランプ政権からの圧力に強く反発
・FOMCは現在の政策金利が雇用と物価のリスクに対応する良い位置にあると判断
・景気や物価に大きな変化がなければ、据え置きを継続か
・新議長のもとで状況はどう変化するか
27-28日の米FOMCでは政策金利の据え置きが決定され、パウエル議長は記者会見で現在の政策金利が良い位置にあること、すなわち状況に大きな変化がなければ据え置きを続ける意向を表明しました。
■29日付け「米FOMCは据え置き、パウエル議長は多くを語らずも・・・」
記者会見のトランスクリプト(全文)を入手したので、昨日のファンダメと重複する箇所もありますが、改めて振り返っておきましょう。
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まず、会見冒頭に経済や金融政策について説明した後、パウエル議長は「我々FRBは、客観性、誠実さ、米国民に奉仕する深いコミットメントをもって職務を遂行し続ける」との強い決意を表明しました。後の質疑応答で次期議長へのアドバイスを求められて「政治に巻き込まれるな」と述べた点も含めて、トランプ政権からの圧力に強く反発していることがうかがえました。
質疑応答では、パウエル議長は、クック理事解任問題、大陪審への召喚状、議長退任後に理事として残るか等の質問には「この場では回答しない」との立場を明確にしました。ただ、クック理事解任に関する口頭弁論に臨席した理由を問われ、FRBの歴史上もっとも重要な司法の判断だとし、ボルカー議長(当時)が出席した事例を出して「出席しない理由を説明するのは難しい」と答えました。また、為替相場については財務省の管轄であり、「我々は米ドルについてコメントしない」としました。
金融政策について興味深い点は以下。
景気・物価の判断について
パウエル議長は、「雇用の下方リスクが高まっているとしてきたが、安定化の兆候がみえている」と述べました。また、「前回のFOMC以降に、経済指標やベージュブック(地区連銀経済報告)に照らすと、経済活動の見通しは明らかに改善している」とも。
パウエル議長は、改めて「先行きのFOMCに関して何も決定していない」と述べました。ただ、「景気は底堅いペースで拡大しており、失業率は概ね安定している。インフレ率はやや高止まりしている。したがって、今後のデータが(金融政策の)道先を照らすことになる」と述べ、経済・物価に大きな変化がない限り据え置きを続けることを示唆しました。
政策金利は中立水準の上限近い?
パウエル議長が現在の政策金利(3.50-3.75%)は中立水準の上限近辺だとかつて発言したことを受け、ドット・プロットの長期見通し(中央値が3.00%)まで引き下げる意向かと問われました。パウエル議長は中立水準までまだ距離がある可能性を認めたものの、24年9月から合計1.75%利下げしたことを指摘し、足もとの経済指標から現在の政策金利が過度に抑制的だと考えることはできないと回答。また、中立水準を正確に知ることはできないと付け加えました。
利下げの条件は?
パウエル議長は、インフレは高止まりしているものの、それは関税の影響が大きいと述べました。モノの価格が上昇する一方で、サービス価格の伸びが鈍化していると指摘。新たな関税はないとの前提で、いずれ関税の影響がピークアウトすれば、物価は2%の目標に向かうとの楽観的な見方を披露。そのうえで、雇用情勢が急速に悪化したり、インフレ率が明確に鈍化したりすれば、利下げを行うことができると述べました。
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29日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む0.25%の利下げの確率は次回3月17-18日のFOMCで1割強、4月28-29日のFOMCまで3割強。いずれも据え置きがメインシナリオです。6月16-17日のFOMCまで含めると利下げ確率が一気に8割近くまで上昇するのは、新議長が利下げを先導するとの見方からでしょう。
トランプ大統領は来週(2月1日~)に新議長の候補を発表するとのこと。新議長候補がどのような考えを持つか(間違いなく積極利下げ派)を市場は探ることになりそうです。もっとも、議長候補が上院でスムーズに承認されるかは疑問の余地があります。上院銀行委員会のティリス議員(共和党)はパウエル議長への召喚状の件を問題視しており、それが解決するまでFRB関連人事の承認を阻止する意向を表明しています。
また、新議長が利下げを主張しても、FOMC投票メンバーの過半数が賛成するかどうかも不明。パウエル議長は今回の会見で、「据え置きに対して投票権を持たない参加者も含めて幅広い支持があった」と述べています。
・パウエル議長はトランプ政権からの圧力に強く反発
・FOMCは現在の政策金利が雇用と物価のリスクに対応する良い位置にあると判断
・景気や物価に大きな変化がなければ、据え置きを継続か
・新議長のもとで状況はどう変化するか
27-28日の米FOMCでは政策金利の据え置きが決定され、パウエル議長は記者会見で現在の政策金利が良い位置にあること、すなわち状況に大きな変化がなければ据え置きを続ける意向を表明しました。
■29日付け「米FOMCは据え置き、パウエル議長は多くを語らずも・・・」
記者会見のトランスクリプト(全文)を入手したので、昨日のファンダメと重複する箇所もありますが、改めて振り返っておきましょう。
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まず、会見冒頭に経済や金融政策について説明した後、パウエル議長は「我々FRBは、客観性、誠実さ、米国民に奉仕する深いコミットメントをもって職務を遂行し続ける」との強い決意を表明しました。後の質疑応答で次期議長へのアドバイスを求められて「政治に巻き込まれるな」と述べた点も含めて、トランプ政権からの圧力に強く反発していることがうかがえました。
質疑応答では、パウエル議長は、クック理事解任問題、大陪審への召喚状、議長退任後に理事として残るか等の質問には「この場では回答しない」との立場を明確にしました。ただ、クック理事解任に関する口頭弁論に臨席した理由を問われ、FRBの歴史上もっとも重要な司法の判断だとし、ボルカー議長(当時)が出席した事例を出して「出席しない理由を説明するのは難しい」と答えました。また、為替相場については財務省の管轄であり、「我々は米ドルについてコメントしない」としました。
金融政策について興味深い点は以下。
景気・物価の判断について
パウエル議長は、「雇用の下方リスクが高まっているとしてきたが、安定化の兆候がみえている」と述べました。また、「前回のFOMC以降に、経済指標やベージュブック(地区連銀経済報告)に照らすと、経済活動の見通しは明らかに改善している」とも。
パウエル議長は、改めて「先行きのFOMCに関して何も決定していない」と述べました。ただ、「景気は底堅いペースで拡大しており、失業率は概ね安定している。インフレ率はやや高止まりしている。したがって、今後のデータが(金融政策の)道先を照らすことになる」と述べ、経済・物価に大きな変化がない限り据え置きを続けることを示唆しました。
政策金利は中立水準の上限近い?
パウエル議長が現在の政策金利(3.50-3.75%)は中立水準の上限近辺だとかつて発言したことを受け、ドット・プロットの長期見通し(中央値が3.00%)まで引き下げる意向かと問われました。パウエル議長は中立水準までまだ距離がある可能性を認めたものの、24年9月から合計1.75%利下げしたことを指摘し、足もとの経済指標から現在の政策金利が過度に抑制的だと考えることはできないと回答。また、中立水準を正確に知ることはできないと付け加えました。
利下げの条件は?
パウエル議長は、インフレは高止まりしているものの、それは関税の影響が大きいと述べました。モノの価格が上昇する一方で、サービス価格の伸びが鈍化していると指摘。新たな関税はないとの前提で、いずれ関税の影響がピークアウトすれば、物価は2%の目標に向かうとの楽観的な見方を披露。そのうえで、雇用情勢が急速に悪化したり、インフレ率が明確に鈍化したりすれば、利下げを行うことができると述べました。
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29日時点のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場が織り込む0.25%の利下げの確率は次回3月17-18日のFOMCで1割強、4月28-29日のFOMCまで3割強。いずれも据え置きがメインシナリオです。6月16-17日のFOMCまで含めると利下げ確率が一気に8割近くまで上昇するのは、新議長が利下げを先導するとの見方からでしょう。
トランプ大統領は来週(2月1日~)に新議長の候補を発表するとのこと。新議長候補がどのような考えを持つか(間違いなく積極利下げ派)を市場は探ることになりそうです。もっとも、議長候補が上院でスムーズに承認されるかは疑問の余地があります。上院銀行委員会のティリス議員(共和党)はパウエル議長への召喚状の件を問題視しており、それが解決するまでFRB関連人事の承認を阻止する意向を表明しています。
また、新議長が利下げを主張しても、FOMC投票メンバーの過半数が賛成するかどうかも不明。パウエル議長は今回の会見で、「据え置きに対して投票権を持たない参加者も含めて幅広い支持があった」と述べています。
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