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【株価指数】ベネズエラ情勢でリスクオフは強まるか

2026/01/05 07:07

※先週末、米国がベネズエラを攻撃し、マドゥロ大統領を拘束しました。米国の主張は「麻薬犯罪への対応」ですが、石油利権も絡んで「力による現状変更」との批判もあります。中南米のみならずアジアや中東、欧州情勢に影響を及ぼす可能性もあり、短期的、あるいは中長期的に地政学リスクが高まらないか注視する必要がありそうです。

※新年最初のウィークリー・アウトルックは1月12日(月)に配信する予定です。

【ポイント】
・主要株価指数は「解放の日」の4月以降上昇基調
・NYダウ、S&P500、FTSE100は25年末近くで最高値
・今週は米雇用関連、米議会、エヌビディアCEOの講演に注目!?
・米国によるベネズエラ攻撃の影響は?

(先週のレビュー)

主要株価指数は25年末にかけて薄商いのなかでやや軟調な展開。FTSE100だけは30日に最高値を更新しました(年明け2日にも最高値を更新)。それでも、いずれの株価指数も25年に大きく上昇、4月の「解放の日」前後に底をつけた後、大きな調整もなく上昇して高値圏で25年を終えました。以下はそれぞれの25年年間変化率/上昇率と、(年間高値日、年間安値)。いずれも終値ベース。

日経平均:   26.2% (10月31日、4月7日)
NYダウ:  13.0% (12月24日、4月8日)
S&P500:  16.4% (12月24日、4月8日)
ナスダック10020.2% (10月29日、4月8日)
FTSE100:   21.5% (12月30日、4月9日)

先週の動き
12月29日:日銀金融政策決定会合(12月18-19日開催分)の「主な意見」で利上げの継続が必要との意見が相次ぎました。長期金利が上昇、米ドル/円が小幅に下落、日経平均は下落。米国でも大型ハイテク株のポジション調整(一部手じまい)を中心にNYダウS&P500ナスダック100がいずれも下落しました。欧州ではロシア・ウクライナの停戦への期待から総じて株価は堅調でしたが、FTSE100は下落。

30日:東証は大納会で日経平均が小幅に下落。それでも年末値としては89年以来の高値を更新。米国では3株価指数が小幅に下落。FOMC議事録(12月9-10日開催分)はややタカ派的でしたが、それへの反応は限定的でした。FTSE100は銀行株にけん引されて大きく上昇。

31日:米国の3株価指数は24日を直近ピークとして4営業日続落。FTSE100も前日の最高値から小幅に下落して1年を終えました。

1月2日:米国では3株価指数がマチマチ。NYダウが比較的堅調な一方で、ハイテク株の軟調が目立ち、S&P500は方向感の定まらない展開でした。ナスダック100は下落。欧州では財政赤字への懸念から全般に長期金利が上昇する一方で、経済成長に対する楽観的な見方から株価は上昇。FTSE100は最高値を更新しました。米国によるベネズエラ攻撃が報道されたのは米市場の引け後でした。


(今週の相場材料)

12月31日、1月2日と欧米株に大きな変化はありませんでした。しかし、週末に米国がベネズエラを攻撃してマドゥロ大統領を拘束。それが金融市場にどのような影響を与えるかは、まずアジア市場の反応を見る必要がありそうです。なお、週末も取引されたビットコインはベネズエラ攻撃の報道直後には小幅に下落しましたが、その後(日本時間4日朝)に上昇しました。

*****
今週、最も注目されるのは9日に発表される米国の12月雇用統計でしょう。シャットダウン(政府機能の一部停止)の影響で発表が遅れた11月分ではNFP(非農業部門雇用者数)が10月に10.5万人減少し、11月に6.4万人増加したことが明らかになりました(民間部門では両月とも小幅の増加)。さらに注目されたのは、失業率が4.6%と9月から0.2%上昇したこと(10月はデータなし)。NFPが軟調だったり、失業率が一段と上昇したりすれば、FRBは労働市場に対する懸念を強めそうです。

米労働市場に関しては、7日に民間の12月ADP雇用統計11月JOLTS(労働動態調査)、8日に前週の新規失業保険申請件数などが発表されます。それらの結果で利下げ観測がどう変化するか。2日のOIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は1月27-28日のFOMCでの0.25%利下げを2割弱織り込んでいます。3月17-18日のFOMCまででは6割弱です。利下げ観測が高まれば株価にとってプラスとなりえますが、雇用が急速に悪化するならば、利下げ観測が高まっても業績悪化懸念が株価の重石となるかもしれません。

5日にはエヌビディアのファンCEOがAIの未来をテーマに講演します。これは世界最大のテクノロジー見本市「CES」開幕前の報道陣向けに行われるもの。AI関連株に対して慎重な見方も出始めた投資家の間に再び熱狂をもたらすことができるでしょうか。

米国議会は5日に上院、6日に下院が招集されます。下院は早々にも25年末に失効したオバマケア補助金を3年間延長する法案を採決するようです。ただ、可決されるかどうかは不透明。上院では審議・採決の見通しすら立っていません。11月の中間選挙に向けて両党の動きは気になるところでしょう。

※1月10日に豪華ゲストをお招きして新春セミナー「どうなる!? 2026年の金融マーケット」を開催します。ぜひ、ご参加・ご視聴ください。
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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