豪ドルやカナダドルが堅調、対円で1年5カ月ぶり高値
2025/12/08 08:50
【ポイント】
・カナダの雇用統計は強い結果、BOCの利上げ観測が浮上
・原油価格が一段と上昇するか
(欧米市場レビュー)
5日、欧米時間の外為市場ではカナダドルが堅調に推移。カナダの11月雇用統計の強い結果がカナダドルを押し上げ、一時米ドル/カナダドルは1.38229カナダドルへと下落し、カナダドル/円は112.299円へと上昇。米ドル/カナダドルは25年9月下旬以来の安値をつけ、カナダドル/円は24年7月以来の高値を記録しました。カナダの雇用統計の結果は、失業率が6.5%、雇用者数が前月比5.36万人増。市場予想はそれぞれ7.0%と0.50万人減でした。
豪ドルも堅調でした。一時豪ドル/米ドルは0.66433米ドル、豪ドル/円は103.124円、豪ドル/NZドルは1.14951NZドルへと上昇。豪ドル/米ドルは25年9月中旬以来、豪ドル/円は24年7月以来の高値をつけました。市場ではRBA(豪中銀)は早ければ26年半ばに利上げに転じるとの観測があり、そのことが引き続き豪ドルの支援材料となりました。
(本日の相場見通し)
カナダの雇用統計の強い結果を受け、市場では24年6月に開始されたBOC(カナダ中銀)の利下げサイクルは終了との見方が一段と強まりました。OIS(翌日物金利スワップ)に基づけば、市場は26年終盤の利上げの可能性も織り込みつつあります。そのことはカナダドルにとってのプラス材料になると考えられます。
BOCの政策会合とFOMC(米連邦公開市場委員会)が10日に開かれます。BOC会合で政策金利は現行の2.25%に据え置かれるとみられる一方、FOMCでは0.25%利下げすることが決定されそうです。BOC会合とFOMCの結果次第で米ドル/カナダドルは一段と下落する可能性があります。その場合の下値メドとして、200週移動平均線(12/8時点で1.35729カナダドル)が挙げられます。
※本日の『ファンダメ・ポイント』は[米FOMCの注目点③:経済・政策金利見通しが示唆するもの]です。
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米WTI原油先物の中心限月の26年1月物は5日、前日比0.41ドル高(0.69%)の1バレル=60.08ドルで取引を終了。中心限月の清算値(終値に相当)として、11月18日以来2週間半ぶりの高値をつけました。G7とEU(欧州連合)がロシア産原油の海上輸送を禁止することを検討していると報じられました。また、トランプ米大統領は麻薬の密輸対策としてベネズエラを地上攻撃する可能性を示唆しています。ロシアやベネズエラからの原油の供給が減少するとの懸念が、原油価格の支援材料となりました。
原油価格が一段と上昇すれば、カナダドルやノルウェークローネが堅調に推移しそう。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナの目先の上値メドとして、200日移動平均線(12/8時点で0.94028スウェーデンクローナ)が挙げられます。
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