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市場のBOC金融政策見通しに変化は?

2025/11/28 09:02

【ポイント】
・カナダGDPBOCの利下げ打ち止め観測が一段と強まるか

(欧米市場レビュー)

27日、欧米時間の外為市場ではNZドルが前日に続いて堅調に推移。一時NZドル/円は89.489円、NZドル/米ドルは0.57262米ドルへと上昇し、豪ドル/NZドルは1.14ちょうど近辺へと下落しました。RBNZ(NZ中銀)が26日の政策会合で0.25%利下げすることを決定。その一方で、RBNZによる政策金利予測などでは24年8月に開始された利下げサイクルの終了が示唆されました。そのことが引き続きNZドルにとってのプラス材料になりました。

※詳しくは、26日の『デイリーフラッシュ』[【速報】RBNZ会合の結果を受けてNZドルが急伸]『M2TV 資源・新興国マーケットView』[NZ中銀会合で豪ドル/NZドル急落+メキシコペソ/円の見通し]をご覧ください。

※NZドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[NZドル/円、今年1月以来となる「89円台」乗せを示現!今後の動向は?]をご覧ください(お客様専用ページへのログインが必要です)。

(本日の相場見通し)

本日は、カナダの7-9月期GDP(国内総生産)が発表されます(日本時間22:30)。その結果に米ドル/カナダドルカナダドル/が反応しそうです。

BOC(カナダ中銀)は10月29日の政策会合で、カナダ経済の弱さが継続していることなどを理由に0.25%の利下げを行うことを決定。政策金利を2.50%から2.25%へと引き下げました。BOCはその一方で、「インフレと経済活動がBOCの予測とおおむね一致して推移する場合、現在の政策金利はほぼ適切な水準」との認識を示しました。市場では、BOCによる利下げは打ち止めとの見方が優勢です。

7-9月期GDPの市場予想は前期比年率0.5%と、2四半期ぶりにプラス成長(※)になるとみられています。GDPが市場予想を上回る結果になれば、BOCの利下げ打ち止め観測が一段と強まるとともに、米ドル/カナダドルには下落圧力が、カナダドル/円には上昇圧力が加わる可能性があります。米ドル/カナダドルは、200日移動平均線(11/28時点で1.39209カナダドル)が目先の下値メドです。

(※)トランプ政権による関税の影響で輸出が急減したことなどが響き、4-6月期のGDPは前期比年率マイナス1.6%でした。

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ドイツの11月CPI(消費者物価指数)速報値10月小売売上高が本日発表されます。また、ドイツ連銀のナーゲル総裁が講演する予定です。それらが材料になる可能性があります。

ドイツの経済指標の市場予想は以下のとおりです。

・EU基準CPI(前年比):2.4%
・国内基準CPI(前年比):2.4%
・小売売上高(前月比):0.2%
・小売売上高(前年比):0.1%

ECB(欧州中銀)は24年6月から25年6月に8回の利下げを実施し、その後は3会合(7月・9月・10月)連続で政策金利を据え置きました。現在のECBの政策金利は、ECBが最も重視している下限の中銀預金金利が2.00%、残りの2つ、主要リファイナンス金利が2.15%、限界貸出金利が2.40%です。

市場では、ECBによる利下げは打ち止めとの見方が優勢です。本日発表されるドイツの経済指標の結果やナーゲル・ドイツ連銀総裁の発言によってその観測が一段と強まれば、ユーロにとってのプラス材料になりそうです。

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米国は休みの合間(27日の感謝祭と土日)のため、外為市場では通常と比べて参加者が少なく流動性が低下するとみられます。突発的なニュースや仕掛け的な動きが出てきた場合には値動きが増幅する可能性があります。米株式市場は短縮取引です。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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