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【速報】9月米雇用統計:NFPは予想を上回るも、失業率はジリジリと上昇中

2025/11/20 23:09

【ポイント】
・9月NFPは前月比11.9万人増と市場予想を上振れ
・失業率は4.4%でジリジリと上昇中
・10月雇用統計は11月分と合わせて12月16日に発表予定

10月3日に発表予定だった米国の9月雇用統計がようやく発表されました。NFP(非農業部門雇用者数)は市場予想を上回って今年4月以来の伸びを記録しました。ただ一方で、失業率がジリジリと上昇傾向を見せ始めています。雇用統計の発表直後、長期金利は低下、米ドル指数もやや軟化しています(雇用統計に対する市場の反応や評価については、明日21日のデイリー・フラッシュで解説する予定です)。

なお、10月分の発表はなく、11月分と合わせて12月16日(つまり次回FOMCの後)に発表されます。ただし、10月失業率はデータ収集ができずに欠落、また11月の調査期間(通常は12日を含む1週間)は延長されています。

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9月雇用統計では、事業所調査NFP(非農業部門雇用者数)は前月比11.9万人増と、市場予想(5.1万人増)を上回りました。NFPは今年4月(15.8万人増)以来の増加幅となりました。ただし、7-8月分は計3.3万人下方修正され、3カ月移動平均は6.2万人増であり、あまり堅調な増加ペースとはいえません。

NFP

時間当たり賃金は前年比3.8%増と、4%近い伸びが続いています。<雇用者数×週平均労働時間×時間当たり賃金>で求められる総賃金指数は前年比4.7%増と、こちらもインフレ率を上回って推移しています。

時間当たり賃金

総賃金

家計調査
に基づく失業率は4.4%と、前月から0.1%上昇。小数点以下2位までみると4.43%であり、FOMCが自然失業率とみなす水準の中央値4.2%を少しずつ上回り始めています。

失業率

(家計調査上では)労働力人口<雇用者数+失業者数>は前月比47.0万人増、雇用者数25.1万人増、失業者数21.9万人増の結果でした。もっとも、今年に入って労働力人口の伸びは鈍化しており、移民規制強化の影響が考えられます。パウエル議長が(NFPよりも)失業率を重視すべきと言った理由の一つでしょう。

労働力人口

労働参加率
<労働力人口÷生産年齢人口>は62.4%と前月から0.1ポイント上昇。労働参加率は23年末ごろの62.8%をピークに低下基調にありましたが、2カ月連続で反発。ただ、その解釈は難しいかもしれません。

労働参加率
西田明弘

執筆者プロフィール

西田明弘(ニシダアキヒロ)

チーフエコノミスト

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