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エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート) ※11月14日更新

2025/11/14 09:12

宮田レポート(短期アップデート) 251114_miyata.pdf

[日経平均]
【当面の想定レンジ】 46,000~52,500円

[NYダウ・S&P500] 
【当面の想定レンジ】 (NYダウ) 46,000~48,000ドル
           (S&P500) 6500~7000
[ナスダック]
【当面の想定レンジ】 (ナスダック100) 24,500~26,200
                                   (ナスダック総合) 22,500~24,000
[米ドル/円]
【当面の想定レンジ】 130.000~155.500円

[ドルインデックス(ドル指数)]
【当面の想定レンジ】 95.000~102.000


[日経平均]

【週足 エリオット波動分析】
今年4月7日安値(30,792.74円)からインターミディエイト級第(5)波の上昇にあり、この第(5)波完成を以て、コロナショック底(16,358.19円、20年3月)からのプライマリー第➂波は完成します。

10月以降の足は、21年2月以来の上チャネルライン水準を上回っています。このような強い動きは、強気相場の最終最後の局面における吹き上がり=スローオーバー(throw-over)とみられます。

最高値52,636円を付けた11月4日は、4月7日週から30週目でした。週次トレンドは半年(26週)程度で一巡することが珍しくありません。ピークアウトのタイミングとして適当であり、もし天井を付けたのなら、当面2026年2月頃(※)まで下押しへの力が働き続けるでしょう。

(※)週次サイクルの間隔(安値から安値)は42週程度です。これによると、現行サイクルの終了は、今年4月7週から42週程度を経過する2026年2月頃と想定できます。

[TOPIX]
9月安値(3042)からの上昇波は、4月からの上昇トレンド中第5波とカウントされます。この第5波内の副次波には重複が目立ち、「エンディング・ダイアゴナル」としての特長を備えています。

3200(11/5安値)からは、第(5)波の第5波のマルv波とカウントされますが、この見方に基づくと、強気相場は最終最後の局面を迎えているとみられます。

3200を終値で下回ると、上昇トレンドの終わりと調整局面への基調転換が鮮明になるでしょう。
ひとたび調整がスタートすれば、まずは3049(ダイアゴナル始点)まで速やかに下落する展開が想定されます。


[日経平均]
39,850円(8/4安値)以来の上昇はマイナー級・第5波です。
46,544円(10/14安値)以来の、第5波中マルv波による上昇波は、52,636円(11/4高値)を以て終わったと思われます。

49,073円(11/5安値)は第(i)波の安値、そこからの上昇は第(i)波によるリバウンドとみられます。
この第(ii)波の上値メドは[51,275円~51,815円]─第(ii)波中のa波とc波が等倍になる水準を含みます─ですが、このレンジ内に11日高値(51,513円) は入っています。

目先では50,537円(11/12安値)割れに注目しています。そうなると、49,073円を目指す流れが強まりそうです。

さらに49,073円を一時的にも割り込むと第(iii)波の急落開始の可能性が高まります。この場合、当面4万6500円~4万6000円を目指す展開が想定されます。

[予想PER別の日経平均水準]
11月13日の日経平均予想PERは19.25倍、予想EPSは2663円です。過去最高の予想EPSは2687円(10/29)です。



[NYダウ・S&P500] 

【NYダウ日足 エリオット波動分析】 
11月12日に一時48,431ドルと最高値を更新しましたが、この高値更新は他の主要インデックスによって確認されていません(未確認)。

翌13日は800ドル近い下げを演じました。強気相場は完了したかもしれません。

(プリファード・カウント)
22年10月安値(28,660ドル)からの上昇は、プライマリー級の第➄波です。今年4月安値からの上昇はインターミディエイト級第(5)波に当たり、それを以て第➄波は終了します。
第➄波完了後に訪れる弱気相場は、控えめにみても高値から20%安となるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「ランニング・トライアングル」におけるB波とカウントされます。このシナリオによれば、今後の下げ局面でも、最終的に4月安値(36,611ドル)は維持されます。その後1~2年程度のもみ合いが続いた後に、新たな高値へ向かう展開があるでしょう。

【S&P500日足 エリオット波動分析】 
6920(10/29高値)を以て強気相場は終了した可能性があります。
そうであれば、今後辿りそうな展開として以下の2通りが考えられます。

【S&P500 長期エリオット波動分析】 
(プリファード・カウント)
4月安値(4835) からのインターミディエイト級第(5)波は完了し、数年間にわたる調整となります。その過程で4月安値を大きく下回ることが予想されます。


(オルタナティブ・カウント)
今年2月からの第(4)波「ランニング・トライアングル」(A波~E波)中、B波の高値を付けたとみられます(B波の上げ幅は、A波の下げ幅に対しおよそ1.618です)。この見方通りなら、C波の下落がスタートしたことになります。C波は少なくともA波と同じ下げ幅になるとみられ、ここからは5600処が下値目標として導かれます。


[ダウ輸送株平均] 戻り高値更新に伴い波動カウントを変更


[マグニフィセント7] 10月下旬以来の水準に下落 (下振れリスク高い)



[ナスダック]

【ナスダック100 週足 エリオット波動分析】
(プリファード・カウント)
4月安値(16,542)からの上昇はインターミディエイト級第(5)波の上昇に相当し、この第(5)波は26,182(10/29高値)を以て終わったかもしれません。それは2002年10月底を起点とする、プライマリー級の5波動(➀波~➄波)すべてが完了したことを意味します。
調整局面が始まったのであれば、それは今後おそらく数年間続く、長く大きなものになるでしょう。

(オルタナティブ・カウント)
4月からの上昇は「(ランニング)トライアングル」中B波に当たります。これはS&P500のオルタナティブ・カウントと同様であり、遠からずC波の下落に入る見通しです。これによると今後の調整規模は、想定されるシナリオではもっとも小さいと想定されます。


【ナスダック100 時間足 エリオット波動分析】
22,673(8/1安値)からのマイナー級第5波は、26,182(10/29高値)までに5つの波(マルi波~マルv波)すべてが揃いました。水準的にも、マルi波とマルv波の長さが等倍となる[25,945]を十分に満たしています。

ナスダック100は重要な天井を付けた可能性が高い、とみられます。

11月13日には25,000を下回りました。目先的に24,603(11/8安値)を下回ると、次は24,207(10/10安値)を試すことでしょう。


[米ドル/円]

【月足・エリオット波動分析】 
16年半サイクルによれば、米ドル/円(ドル/円)は2028年4月頃まで「円高の時間帯」が続きます。この時間帯においてドル/円の上値は抑えられるでしょう。筆者は28年4月頃までのどこかの時点で、1ドル=125円~120円へのドル安・円高になる可能性をみています。

4月下旬からドル/円はじり高が続いてきましたが、それも終わりつつあります。これからはドル安・円高トレンドがいつ再開してもおかしくありません。

おそらく26年前半にもドル/円は、139円処のネックラインを明確に割り込むでしょう。
それをきっかけに、「サード・オブ・サード」の強いドル安・円高トレンドが鮮明になるでしょう。

【週足 エリオット波動分析】 
今年1月(158.825円)からは第3波によるドル安・円高に当たります。
この第3波を構成する副次波のうち、139.877円(4/22)からの上昇は、マルii波に相当します。

足元の水準は、筆者の目標水準に既に達し、さらに2024年の円買い介入ゾーン(157円~161円)に近づいてもいます。今後の円買い介入の有無にかかわらず、マルii波完成後のマルiii波による下落(ドル安・円高)に対する備えが必要といえます。

第1波と第3波が黄金分割(1:1.618)比率関係になると仮定すれば、 [122.625円]という目標値が得られます。ヘッド・アンド・ショルダーズに基づく垂直目標値は1ドル=120円割れです。

【日足 エリオット波動分析】 
4月からのマルii波によるドル高・円安「トリプル・ジグザグ(w)-(x)-(y)-(x)-(z)」は、足元水準で終了したか、しつつあります。

11月12日は一時9カ月ぶりのドル高円安となりました。1月からの円高に対し、フィボナッチ78.6%戻り水準[154.770円]は十分に達成されています。

149.375円(10/17)からのドル高・円安は、上昇「ダイアゴナル」を形成しています。このパターンは、半年にわたるドル/円修正波の終わりを暗示するとともに、近々円高方向へ急変するポテンシャルを秘めています。

今後152.80円をNY市場の終値で下回ると、マルiii波によるドル安・円高開始の可能性が高まるでしょう。そうなれば当面は200日MA(147.76円)、さらに146.575円(10/1)を試す展開となりそうです。

金利差からのドル/円推計値
足元、日米実質金利差からのドル/円推計値は[139.868円]です。



[ドルインデックス(ドル指数)]


【エリオット波動分析】 
A波の最終局面(マルiv波-マルv波)とC波の最終局面は相似しており(フラクタル)、A波完了後の持続的なドル高(当時は23年7月中旬~10月上旬まで12週間のドル高でした)が、再現されようとしています。

96.218(9/17)を以て22年高値からのジグザグ(A-B-C)は終わり、そこから大きなリバウンド局面が続いています。

リバウンドはここまでのところ、「ダブル・ジグザグ」のようです。足元のⓧ波を経て、次は3番目のジグザグにより[101.550]を試す展開かもしれません(リバウンド全体はトリプル・ジグザグ想定)。

[101.550]…C波のドル安に対する38.2%戻り水準

A波終了後にみられた持続的ドル高(ⓐ波)は、A波のちょうど半分を戻しました。今回も同様なら、遠からずC波の半値戻り水準[103.197]に達する可能性があります。

もっとも長期的にはドル安(Ⓑ波)基調は継続し、2026年には一段とドル安が強まるでしょう。
筆者は、ドル安Ⓑ波は短くとも2028年頃まで続くとみています。



エリオット波動とは
株式・為替動向を予想する心強いテクニカル手法
米国人ラルフ・ネルソン・エリオットが提唱した、今後の株式や為替など市場価格の動向を予想する手法です。相場は5つの上昇波と3つの下降波(合計8つの波)で一つの周期を作るパターンに従って展開するとされます。
このパターンは集団心理によるもので、数分から数十年といった様々な時間軸において観察されます。
フィボナッチ数列、黄金分割比率をチャート分析に初めて導入したのもエリオットです。

宮田直彦

執筆者プロフィール

宮田直彦(ミヤタナオヒコ)

チーフ・テクニカルアナリスト、マネースクエアアカデミア学長

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