米CPIやPMIに注目! 原油高でノルウェークローネ堅調
2025/10/24 09:10
【ポイント】
・米CPIなどでFRB利下げ観測が補強されるか
・原油価格は一段と上昇するか
・高市首相が所信表明演説で打ち出す政策
(欧米市場レビュー)
23日、欧米時間の外為市場ではノルウェークローネやメキシコペソが堅調に推移。原油価格の上昇が両通貨にとってのプラス材料となり、一時ノルウェークローネ/スウェーデンクローナは0.94295スウェーデンクローナ、メキシコペソ/円は8.279円へと上昇しました。
米WTI原油先物の中心限月12月物は前日比3.29ドル高(5.62%)の1バレル=61.79ドルで取引を終了。米政府は22日、ロシアの石油大手ロスネフチとルクオイルに制裁を科すと発表。それを受けてロシア産原油の供給が減少するとの観測が強まり、原油価格を押し上げました。
TCMB(トルコ中銀)は1.00%利下げすることを決定。政策金利を40.50%から39.50%へと引き下げました。これは市場予想どおりの結果であり、トルコリラに大きな反応はみられませんでした。
米ホワイトハウスのレビット報道官は、トランプ大統領と習近平・中国国家主席が30日に韓国で会談すると発表しました。それに先立ち25~26日に米中閣僚級協議がマレーシアのクアラルンプールで開かれます。閣僚級協議には、米国からベッセント財務長官やグリアUSTR(米通商代表部)代表、中国から何立峰副首相が参加するもようです。閣僚級協議や首脳会談によって両国の対立が緩和するのか注目されます。
(本日の相場見通し)
本日は、米国の9月CPI(消費者物価指数)や10月S&PグローバルPMI(購買担当者景気指数)速報値が発表されます(CPIは日本時間21:30、PMIは同22:45)。それらの結果に市場が反応しそうです。
市場予想は以下のとおり。( )はCPIが8月、PMIが9月改定値の実績です。
・CPI(前年比):3.1%(2.9%)
・CPIコア(前年比):3.1%(3.1%)
・製造業PMI:52.0(52.0)
・サービス部門PMI:53.5(54.2)
市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)は年内残り2回(10/28-29と12/9-10)のFOMC(米連邦公開市場委員会)でそれぞれ0.25%利下げするとの見方が大勢です。米国のCPIやPMIが市場予想を下回る結果になれば、FRBによる追加利下げ観測が補強されそう。その場合には米ドルが軟調に推移し、米ドル/カナダドルや米ドル/シンガポールドルには下押し圧力が、ユーロ/米ドルや英ポンド/米ドルには上昇圧力が加わると考えられます。
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米WTI原油先物など原油価格の動向にも注目です。原油価格が一段と上昇する場合、ノルウェークローネやメキシコペソ、カナダドルが堅調に推移しそう。ノルウェークローネ/スウェーデンクローナの上値メドとして、200日移動平均線(23日時点で0.94535スウェーデンクローナ)が挙げられます。
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高市首相が本日午後、衆参両院の本会議で所信表明演説を行います。足もとの円安の要因として、高市政権による拡張的な財政政策(財政状況悪化)への思惑や日銀の追加利上げ観測後退が挙げられます。所信表明演説の内容次第では市場が反応する可能性があります。
※米ドル/円のテクニカル分析は、本日の『テクニカル・ポイント』[米ドル/円、高市首相による所信表明演説&米9月CPI結果が相場動意となりそう]をご覧ください(お客様専用ぺージへのログインが必要です)。
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