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円が軟調、米ドル/円は一時152円台へ上昇

2025/10/22 09:08

【ポイント】
・市場は日本の財政状況悪化や日銀の利上げ後ズレを意識!?
・英CPIで市場のBOE金融政策見通しが変化するか

(欧米市場レビュー)

21日、欧米時間の外為市場ではが軟調に推移。一時米ドル/円は152.127円、ユーロ/円は176.554円、英ポンド/円は203.473円、豪ドル/円は98.718円へと上昇しました。自民党の高市総裁が首相に就任しました。高市首相は積極財政や緩和的な金融政策の維持を志向するとみられており、市場では財政状況悪化への懸念や日銀の追加利上げが遅れるとの観測が、円安圧力になったと考えられます。

カナダドルは堅調。一時米ドル/カナダドルは1.40026カナダドルへと下落し、カナダドル/円は108.535円へと上昇しました。カナダの9月CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回ったことが、カナダドルにとってのプラス材料となりました。

CPIの結果は以下のとおり。( )は市場予想です。
・総合(前年比):2.4%(2.3%)
・トリム値(前年比):3.1%(3.0%)
・中央値(前年比):3.2%(3.0%)

(本日の相場見通し)

本日は昨日21日の円安の流れが継続して、米ドル/円やユーロ/円など対円の通貨ペアが堅調に推移するか注目されます。

日本や米国など主要国の株価が上値を試す展開になれば、リスクオン(リスク選好)から円安圧力はさらに強まることも考えられます。

本日の『ファンダメ・ポイント』は、[米ドル/円と日米長期金利の行方]です。

***

本日は、英国の9月CPIが発表されます(日本時間15:00)。CPIの動向はBOE(英中銀)の金融政策判断に大きな影響を与えるため要注目です。

本日発表のCPIの市場予想は、総合が前年比4.0、エネルギー・食品・アルコール飲料・たばこを除いたコアが同3.7。総合とコアのいずれも8月(3.8%と3.6%)から上昇率が高まり、BOE(英中銀)のインフレ目標である2%から一段とかい離するとみられています。

BOEは24年8月以降、3カ月ごと(2会合に1回のペース)に利下げを実施。前回9月18日の会合では政策金利を据え置き、現在の政策金利は4.00%です。

BOEのピル政策委員は10月17日、「基調的なインフレが強すぎる兆候があり、高いインフレ期待が定着するリスクがある」と述べ、「(これまでよりも)より慎重なペースで利下げを進めるべきだ」と発言。グリーン政策委員は同じく17日に「より緩やかなペースで利下げすることが適切だ」と語りました。

市場ではBOEは次回11月6日の会合で政策金利を据え置くとの見方が大勢。次々回12月8日の会合も政策金利を据え置くとの観測があります。

CPIが市場予想を上回る結果になれば、その見方が高まるとともに、英ポンドにとってのプラス材料になりそう。英ポンド/円は堅調に推移し、ユーロ/英ポンドは軟調に推移すると考えられます。ユーロ/英ポンドは、7月8日安値の0.85876ポンドが下値メドです。

八代和也

執筆者プロフィール

八代和也(ヤシロカズヤ)

シニアアナリスト

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